【自我の芽生え】いつからはじまる?子どもの変化やパパ・ママが注意したいこと
自我の芽生えとは何?
自我の芽生えとは、子どもが「自分と他人と区別できるようになる」「自分を認識する」「行動の主体が自分であることが分かる」ようになることを言います。乳幼児の時期はまだ、自分以外の他人の存在を認識していません。
子どもは1歳ごろから自分の足で歩けるようになり、周りの世界を広げていきます。そして、家族や周りの人の影響により1歳半から3歳ごろに自我の存在に気がつき、自己主張を始めるようになってきます。
「自分でやりたい!」といった気持ちが強くなる時期が第一反抗期です。自我が芽生えると、「自我を通すだけでは周りの人とうまくいかない」と理解し、さらに自立へと繋がる成長をしていきます。
いつから自我が芽生える?
自我は芽生え始める1歳半~3歳の間だけでなく、その前段階ともいえる様々な変化はすでに0歳の時から見られます。ここからは、自我の芽生えに関わる発達について年齢別に詳しく見ていきましょう。
0歳は自我のベースを築くとき
まずは乳幼児期前期の発達を見てみましょう。2ヵ月頃までの赤ちゃんは、生まれた当時の反射が残っているため、自分の意思ではなく反射でミルクやおっぱいを飲みます。まだ目もうっすらしか見えず、視力は30㎝ほどなので、大人がしっかりと目を合わせて声をかけてあげることが大事です。3・4ヵ月ほどに成長すると、ミルクやおっぱいを飲んでいるときに舌で押し返したり、周りを見渡したりすることが多くなります。そのような動作は、反射ではなく、自分の意思で行っているため、自分が主役になりたいと思う気持ちの芽生えでもあります。5・6ヵ月になると、目の前のおもちゃや物をじっと見ることが多くなり、あやした時にニコニコと笑うなどの反応してくれるようにもなります。
次に乳幼児期後期の発達を見ていきましょう。7・8ヵ月になると人見知りや場所見知りが始まり、9・10ヵ月に成長すると大好きな人のところへ移動することや、指差しなどの動作が増えていきます。また、周りの大人が言う言葉を聞いて赤ちゃんがマネをして声を出すことも。11ヵ月になると、動いているものの意味や関係が分かるようになってきたり、伝い歩きが安定したりしてきます。他にも、お腹が空いた、などの感情を大人に伝えるようにもなり、この時期から少しずつ自己主張をし始めます。
1歳児から自我が生まれる
1歳半ごろになると、運動や感覚遊びが活発になってきます。また、手先が器用になってくるので積み木を積んでいく動作を行うことができるようにも。他にも他者やものへの認識が深まってくる時期でもあるため、「みたて」や「つもり」遊びも可能になっていきます。
2歳児は自我が豊かに変化
2歳児になると簡単な会話ができたり、より行動範囲が広がったりしてきます。その一方で、「イヤイヤ」と拒否することも増えてくるでしょう。この「イヤイヤ期」や「魔の2歳児」と呼ばれる時期も、子どもの自我や自立心の発達の証です。着替えや食事など、大人の助けを嫌がることが多くなるので、大人も手を焼くことが多くなります。しかし、うまくいかなくて癇癪を起こしたり、反抗したりしても暖かく見守ってあげることが大切です。この時期はまだ自我を持ち始めたばかりで、物や人への好奇心を止めることができないため、自分でもそういった行動をコントロールできません。このような時期は、大人も子どもの行動に時には付き合い、自我形成を手伝ってあげることが必要です。
3歳児は自我が確立
3歳児でもイヤイヤ期は続くことが多いです。言葉を覚えてからも、周りと違うことを主張することも多いため「○○イヤ」「○○をしたい」などの要求が増えていきます。このような行動は自我が芽生えた証拠でもあります。なんでも自分でやりたい!と思うため、相手の都合や立場を想像することは難しいでしょう。ものを投げたり、叩いたりなどもありますが、子どもの気持ちに寄り添って「なぜいけないのか」といったことをしっかりと説明することや親も心に余裕を持つことが大切です。
4歳児は第2の自我ができる
4歳児になると、自分でできることが増えるため手はかかりにくくなりますが、大人が理解できない行動をとることや、反抗的な態度をとることが多くなるでしょう。また、自分と他の人との区別もつきはじめ、周りの人の気持ちを理解できるようになります。しかし、まだ完全ではないので、急に癇癪を起こしてしまうことや、口答えをしたり反抗な態度をとってしまったりすることも多いでしょう。このような時は、話を聞いてあげることや自分でやりたいと思う気持ちを応援してあげることが大切です。また、この時期には「なんで?」「どうして?」といった質問攻撃も出てくるかもしれません。短い回答でもいいので答えてあげるようにしてあげてください。
5歳児は第2の自我が豊かに
5歳児になると4歳児に目覚めた「社会的自己」である第2の自我がさらに豊かになります。人の心が分かるようになり、時には嘘をつくことも。この時期は、周りと関わることで成長していくため自分だけでなくグループで共同活動をすることや、自発的に関わる体験を行うことが大切です。
中学生になると思春期で自我が強くなる
12歳~16歳ごろまでは第二次反抗期です。この時期になると、友達や親と自分に異なる内面があると気づき、親が話しかけてもそっけなかったり無視したり、言葉遣いが乱暴になったりします。また周りの大人に対して反抗したり物に当たることも。このような行動は思春期特有のストレスや苛立ち、「もう子どもではない」ということを周りの人に分かって欲しいという感情から起こります。反抗期はこういうものと思い、親は子どもの言動に余裕を持って受け入れてあげましょう。
自我がない大人になると
自我が目覚めずそのまま大人になると、自分の考えがなく流されやすい人になってしまったり、周りに合わせ過ぎる人になったりすることも。幼少期の環境から自我が育ちにくく、大人になってはじめて意見を言えたり、やりたいことを認識したりする人もいます。このような場合は、大人になってから自我が芽生えたことになります。
親はどのように接すればいいのか
ここまでは、年齢別に「自我」を解説してきました。自分の子どもに自我が出てきたとき、どのように親は対応すべきなのでしょうか?ここで確認していきましょう。
やりたい気持ちを見守ろう
子どもが食事の時に食べ物を投げたり、公共の場で床に寝ころび大声で暴れたりすることも時にはあるでしょう。子どもの行動にイライラしてしまうこともあるかと思いますが、感情的にならないようにすることが大切です。子どもの気持ちを理解してあげられるように、冷静に受け入れてあげてください。そうすることで、次からはこうしよう、と子どもは学習するでしょう。
自我の芽生えた子どもは、自分の主張を通したいもの。そんな時は子どものやりたい気持ちを認めてあげましょう。子どもが自分の気持ちと合わず、やりたくない!と拒絶するときは待ってあげてください。それでもまだ続くようであれば代替案を用意してみるといいでしょう。子どもは自分の欲求が受け入れられることで、満足感を得ます。大人が認めて満足させることにより、子どもの「できない」「やりたい」などの感情が自分自身の経験や大人の信頼へと繋がっていきます。
子どもの自我を確立するための方法
子どもの自我が確立していると、自身の価値が分かっているため、周りの人に自分をアピールしやすくなります。そのため、子どもの自我を確立するために、親はさまざまな経験を用意してあげることが大切です。そこで子どもがどう経験していくのか見守ってあげましょう。
さいごに
子どもの成長に必要なものである自我の認識。自我の芽生えの時期は、子どもが間違っていると思うことがあると、親がつい口を挟んでしまいがちですが、子どもの気持ちを尊重し自らやりたい気持ちをサポートすることが大切です。時にはイライラしてしまうこともあると思いますが、大人が冷静になる時間をつくり子どもの成長を見守りましょう。この記事を参考に、自我が育つ発達段階を理解して子どもに接してあげてください。
- SHINGE FARM|【5歳ってどんな歳?】5歳ならではの特性を知って自立できる子に! https://www.shinga-farm.com/parenting/know-about-five-years-old-children/
- 家庭教師のノーバス|第二次反抗期とは? 思春期の反抗期にどう向き合うか? | https://www.nohvas.com/column/post/?c=202102265318
- きのした小児科 :: 「3歳の自我の芽生え」http://www.kinoshita-children.jp/%E9%99%A2%E9%95%B7%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E3%80%8C%EF%BC%93%E6%AD%B3%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%88%91%E3%81%AE%E8%8A%BD%E7%94%9F%E3%81%88%E3%80%8D/#:~:text=%EF%BC%93%E6%AD%B3%E9%A0%83%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8,%E3%81%AA%E3%81%84%E6%99%82%E6%9C%9F%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82l
- たまひよ|生後11ヶ月の赤ちゃん|たまひよ【医師監修】発育発達、お世話のポイント、遊び方 https://st.benesse.ne.jp/ikuji/0years/11month/
- ママ賃貸コラム|自我の芽生えって?子どもの変化と親が心がけたいポイント | ママ賃貸コラム | https://mama.chintaistyle.jp/article/self-awareness/
- 自我の意味とは何か公認心理師がわかりやすく解説,ダイコミュ用語集 https://www.direct-commu.com/terms/ego/