赤ちゃんの発達を促す「タミータイム」とは?おすすめの遊びをご紹介
赤ちゃんの発達を促す「タミータイム」
ねんね期の赤ちゃんにおすすめなのが、おなかを床につけて遊ぶ「タミータイム(tummy time)」です。日本語では「うつぶせ遊び」「はらばい練習」と呼ばれることもあり、赤ちゃんをうつぶせにして遊ぶことを指します。タミータイムは赤ちゃんの筋肉を鍛えて発達を促したり、興味の幅を広げたりする効果があるといわれています。したがって、一日のほとんどの時間を寝て過ごす赤ちゃんにとって、貴重な運動の時間なのです。
タミータイムが赤ちゃんに与える効果は?
まずは、タミータイムを取り入れるメリットをみていきましょう。
赤ちゃんが見ている世界が変わるので良い刺激になる
うつぶせで遊ぶと、赤ちゃんが普段見ている視界がガラッと変わり、いろいろなものが目に入るようになります。一日のほとんどの時間をあおむけですごす赤ちゃんにとって、視界が変わるだけでも良い刺激になるでしょう。さらに、自分の力で首が持ち上げられるようになると、目線が変わるのでさらに興味を広げることに繋がります。
筋力を強化して運動能力の向上を促す
赤ちゃんがうつぶせになると、頭の重さを自分の力で支えないといけないので、背中や首、肩の筋肉が強くなります。これは、お座りやつかまり立ちなどの赤ちゃんの発達に欠かせない重要な筋肉です。タミータイムで遊びながら筋肉を鍛えると、赤ちゃんもパパママも楽しみながら発達を促せるでしょう。また、WHOも健康増進を目的とした1日30分以上のタミータイムを勧めています。
頭の形が気になるときにおすすめ
日本大学医学部は、タミータイムが赤ちゃんの頭の変形予防に繋がると報告しています。新生児や乳児の頭は柔らかいため、一日中同じ向きで寝ていると変形しやすくなってしまうことも。赤ちゃんの頭に圧力がかからないように、うつぶせの時間を作るようにしましょう。
赤ちゃんの寝つきが良くなる
大人がうつぶせで過ごしていてもさほど疲れませんが、赤ちゃんにとっては全身の筋肉を使う運動。短時間のタミータイムでも遊び疲れてしまいます。赤ちゃんの寝つきが悪く悩んでいるパパママは、日中の遊びのなかに取り入れてみてください。
親子のスキンシップの時間になる
赤ちゃんが一生懸命顔を挙げる姿に、パパママは思わず「がんばれ!」と応援してしまうでしょう。名前を呼んだり、おもちゃを鳴らしたりして親子のコミュニケーションの時間になります。大好きなパパママの声が赤ちゃんの励みになりますよ。
SIDSの危険性とタミータイムの注意点
ところで、両親学級や産婦人科、小児科などで赤ちゃんをうつぶせにしてはいけないと言われたことはありませんか。SIDS(乳幼児突然死症候群)を予防のために、厚生労働省は1歳になるまでの間はあおむけ寝を推奨しています。
したがって、タミータイム中は必ずパパママが見守って安全を確保するようにしましょう。ここからは、タミータイムの注意点を解説します。
タミータイムで注意すべきポイント
畳やプレイマットなどのかたい床の上で、必ず大人が見守りながら遊んでください。また、赤ちゃんが疲れてしまうと、顔が下を向いて窒息の危険が高まります。口をふさぐ可能性があるタオルやおもちゃは、顔の周りに置かないようにしましょう。
なお、ソファーやベッドは転落の危険が高いため、タミータイムの場所としては向きません。また、赤ちゃんから目を離す際や、タミータイム中に寝てしまいそうな場合は、必ずあおむけに戻すようにしましょう。
SIDS(乳幼児突然死症候群)とは
SIDSとは、既往歴や予兆がない乳幼児が、睡眠中に突然亡くなる原因不明の病です。日本では令和3年に81人の乳幼児がSIDSで命を落としています。SIDSの予防法は確立されていませんが、リスクを抑えるために厚生労働省は以下の3点を推奨しています。
・ミルクではなく母乳で育てる
・パパママはタバコを吸わない
・1歳までの赤ちゃんをうつぶせで寝かせない
うつぶせの状態で寝てしまうとSIDS発祥のリスクが高まるため、タミータイムは必ず赤ちゃんが起きている時間に取り入れましょう。
他にも注意したいのは「窒息」
赤ちゃんが命を落とす原因はSIDSだけでなく、窒息もあるため注意が必要です。赤ちゃんは、タオルやぬいぐるみなどが顔にかかってしまっても自分で払いのけられません。そのため、窒息のリスクが高く、事故に繋がってしまうことがあります。
固いマットレスや敷布団を使う、スタイなど首に巻きつきやすいものは置かない、顔の近くにぬいぐるみを置いたままにしないなど、赤ちゃんが過ごすスペースを整えるようにしましょう。
【月齢別】タミータイムのポイント
アメリカ小児科学会によると、生後7週までは一日合計で15~30分のタミータイムを取り入れると良いとされています。最初は10秒ほどから始めて少しずつ時間を伸ばしてみましょう。なお、タミータイムは退院したばかりの小さな赤ちゃんでも遊べますよ。
0~3ヵ月の赤ちゃんにおすすめの遊び方
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ頭や首が不安定なので身体に負荷がかかりやすくなります。この時期は、パパママのお腹の上でタミータイムを過ごすと良いでしょう。カンガルーケアのように胸の上に赤ちゃんを乗せ、顔を近付けて遊ぶのもおすすめです。
赤ちゃんは慣れない姿勢に不安を感じることもあるので、目を見て優しく声をかけてあげてくださいね。また、首が座る4ヵ月頃までは、あおむけからうつぶせに姿勢を変える際には、しっかり首を支えるよう注意が必要です。
4~6ヵ月の赤ちゃんにおすすめの遊び方
寝返りができるようになる時期は、床の上でタミータイムを過ごすと良いでしょう。赤ちゃんがお気に入りのおもちゃを顔の近くに置いて、手を伸ばして動きたいという気持ちを促します。慣れてくると、少しずつ長い時間うつぶせで遊べるように。
ただし、赤ちゃんはまだ視力が発達していないため、遠くのものはぼんやりとしか見えません。顔から8~20センチの場所におもちゃを置くようにしましょう。
タミータイムはどのタイミングで取り入れると良い?
おむつ交換の後、お風呂あがり、お昼寝から起きたときなど、赤ちゃんの機嫌が良いタイミングで行いましょう。毎日のルーティーンにすると、忘れずに続けられますよ。
タミータイムを取り入れたママの体験談
実際にタミータイムを遊びに取り入れてみたママのお話を聞いてみましょう。
赤ちゃんがぐっすり寝てくれるように!(3児のママ)
第一子の長女のときはタミータイムを知らず、ほとんどあおむけで過ごしていましたが、第二子(長男)と第三子(次男)はうつぶせで遊ぶ時間を取り入れてみました。タミータイム中は、前におもちゃを置いたり、背中をほぐしたりして遊んでいます。刺激があってほどよく疲れるのか、タミータイムの後は長時間寝てくれますよ。
また、長女が初めて寝返りをしたのが7ヵ月だったのに対して、タミータイムを取り入れた長男と次男は、3ヵ月には寝返りができるようになり驚きました。個人の性格もあるかもしれませんが、タミータイムが発達に影響を与えていると実感しています。
うつぶせにすると赤ちゃんが安心するようです(2児のママ)
第一子である長女は、生後2週間くらいで初めてタミータイムを取り入れてみました。私は子どもをうつぶせにするのが怖かったのですが、元保健師の母が積極的に遊んでいました。長女は泣く様子もなく、足で床を蹴って楽しそうにしていたのが印象に残っています。タミータイムのおかげかわかりませんが、首がすわるのも腰がすわるのも早かった気がします。
第二子の長男のときは、向き癖を整えるのにも良いと知り、生後1ヵ月からタミータイムに挑戦。うつぶせの状態で、私か赤ちゃん自身の指をくわえさせて頭をなでると、泣いていても落ち着きます。遊ばせるときは音が鳴るおもちゃで誘導して、頭を持ち上げる練習や左右に顔の向きを変える練習をしていました。
気になっていた向き癖がなくなりました(1児のママ)
娘は、生後間もないころから左側ばかりを向いて寝ていました。最初はたまたまかと思っていましたが、声をかけたりおもちゃを鳴らしたりしても変わらず、次第に頭の形にも影響が出るように。1ヵ月検診で相談したところ、産婦人科でタミータイムを教えてもらいました。
最初は頭を持ち上げられず、10秒ほどで泣き出してしまいましたが、1週間ほどで安定感が出てきました。タミータイムを続けて1ヵ月たつ頃には首が座り、楽しく遊ぶように。向き癖がなくなり、頭の形も徐々に丸くなって安心しました。
タミータイムにおすすめのおもちゃ2選
ここからは、タミータイムをさらに楽しくするおもちゃをご紹介します。
ボーネルンド「ウィマー・ファーガソン プレイマット」
視力が未発達な低月齢の赤ちゃんでも見やすい、白黒のイラストが描かれたプレイマットです。それぞれのイラストには、赤ちゃんが釘付けになる仕掛けも!?ほどよいクッション性があるので、よちよち歩きの赤ちゃんが転んでも安心です。
ダンバイディア「タミータイム アクティビティトイ」
赤ちゃんの胸の下に入れて遊べるワニのぬいぐるみです。しっかりとした硬さがあるので、赤ちゃんの身体が沈みすぎません。ミラーや歯がためなど、飽きずに遊べる仕掛けもありますよ。インテリアにもなじむ、くすみカラーがおしゃれなおもちゃです。
さいごに
赤ちゃんの全身の筋肉を鍛えるタミータイムを取り入れると、発達を促すだけでなく赤ちゃんの視界や興味が広がり、良い刺激になることが分かりました。タミータイムは、赤ちゃんの寝つきに悩むパパママにもおすすめの遊びです。
ただし、うつぶせで遊ぶ際はSIDSや窒息の恐れがあるので、必ず大人が見守るようにしましょう。今回の記事を参考に、ねんね期の赤ちゃんと楽しい時間を過ごしてくださいね。
参考サイト
- パンパース|うつぶせ遊びはなぜ、赤ちゃんに大切なの? (https://www.jp.pampers.com/newborn/tummy-time/article/tummy-time-for-newborns)
- 島根県医師会|乳児期前半のぽんぽんタイム(腹臥位遊び)を一層勧めたい-より良い発達のために- (https://www.shimane.med.or.jp/files/original/2023032810111718499732399.pdf)
- 日本大学医学部|新生児・乳児の頭蓋変形 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/82/4/82_203/_pdf/-char/ja)
- ボーネルンド オンラインショップ|タミータイム - 赤ちゃんのはじめてのからだ遊び
(https://ec.bornelund.co.jp/shop/pages/campaign_tummy_time.aspx) - 鉾田市|【子育てコラム】~赤ちゃんのタミータイムって? (https://www.city.hokota.lg.jp/data/doc/1608697840_doc_70_0.pdf)
- 厚生労働科学研究成果データベース|乳幼児突然死症候群(SIDS)を含む睡眠中の乳幼児死亡を予防するための効果的な施策に関する研究 | (https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2017/172011/201707006A_upload/201707006A0004.pdf)
- 厚生労働省|11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です (https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000181942_00007.html)
- 厚生労働省|睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう (https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000846943.pdf)
- 小児科オンラインジャーナル|赤ちゃんのうつぶせ時間はどう過ごす? 〜tummy
timeについて〜 (https://journal.syounika.jp/2020/10/26/tummy_time/) - American Academy of Pediatrics|Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for
Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment (https://publications.aap.org/pediatrics/article/150/1/e2022057990/188304/Sleep-Related-Infant-Deaths-Updated-2022?autologincheck=redirected) - American Academy of Pediatrics|Back to Sleep, Tummy to Play (https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/sleep/Pages/back-to-sleep-tummy-to-play.aspx)
- ボーネルンド オンラインショップ|ウィマー・ファーガソン プレイマット (https://ec.bornelund.co.jp/shop/g/gMAN210470/)
- nooks(ヌークス)|Done by
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