【子どもの算数センス】を伸ばすには?遊びの中で育む方法
そもそも「算数センス」とは?
まずは、算数センスについて確認していきましょう。
問題を先読みし、意図を見抜く能力
算数センスとは、問題を見たと同時に何となくその問題の意図を理解したり、内容を先読みしたりできる能力です。また、図形問題であれば立体の裏面の形がこうだろうなとわかる、積み重なった箱が後ろに何個あるかわかる、立方体を展開したときの折り目がイメージできる、ということもあるでしょう。このように、算数センスがあると何となくの感覚で図形や数をとらえられるのです。
学校などの授業では公式や計算方法といった知識を学びますが、頑張って覚えた解き方も時間の経過とともに忘れやすいもの。しかし、知識と共に算数センスが育っていると、もし解き方をはっきり思い出せなくても、こうかな?という予想やイメージがつきやすいのです。算数センスと知識の両方がバランス良く身についた子は、算数への苦手意識が少なくなるといえるでしょう。
算数が好きになるかは親の意識次第
算数の好き嫌い、得意不得意は、遺伝や先天的なものと考えられることがあります。しかし、後天的に算数センスを磨いてあげることはできる、と提唱する専門家も多くいます。ポイントは、思考が柔軟な幼少期から10歳ころまでに体で楽しく数を体感すること。遊び感覚で子どもと一緒に数を数えたり、量を測ってみたりして楽しむうちに、少しずつ算数センスを磨くことができるのです。勉強させようと考えると堅苦しくなりがちですが、買い物やお風呂、おもちゃで遊ぶなど、日常の中で少し意識しながら声がけをし、楽しく体得していけると良いですね。
算数センスの具体的な伸ばし方
次に、算数センスをどのように伸ばしていけば良いのか、具体的にみていきましょう。
普段の散歩や公園でOK!外遊び
外の世界には、算数センスを育む要素がたくさんあります。近所へ散歩に行ったときには葉っぱや花、建物などの形を観察しながら図形感覚を、鳥や虫の数を数えれば数量感覚を磨けます。また公園へ遊びに行けば、アスレチックの遊具やジャングルジムで空間認識力を、砂場での水遊びでは論理的思考力を。さらに、かくれんぼや鬼ごっこでは数量感覚や論理的思考力を磨けるのです。このとき、数や図形の話題を親からふって興味を持つきっかけを作ってあげると良いでしょう。同じ形の葉っぱを探してみる、おままごとで図形の形を言いながらオーダーする、電線にとまっている鳩の数を数えてみる、というような内容で大丈夫です。声がけをしながら一緒に遊べば、子どもも楽しく考えながら遊べます。
子どもが夢中になって遊べる!おもちゃ
積み木やパズルといったおもちゃも、算数センスを磨く良いおもちゃといえます。おもちゃの良い所は、子どもが夢中になって遊べるところでしょう。子ども部屋やリビングなど目に入るところにおもちゃを置いておき、子どもが遊びたいときにいつでも遊べる環境にしておくことがポイントです。また知育玩具もたくさん販売されていますが、これで遊んでねと押し付けることはせず、親子や兄弟で一緒に遊んで考える楽しさを共有できれば、より子どもも楽しめます。
算数センスを育むおすすめ知育玩具
算数センスに繋がる、さまざまな感覚を育むことができるおもちゃをご紹介します。
数量感覚を育む【玉そろばん】
玉を1つずつ動かしながら数を声に出してみたり、数の足し引きをしたりして遊べるおもちゃです。玉を触って楽しむことからできるため、乳児期から遊ぶこともできるでしょう。玉の後ろに数字が書いてあるもの、カードに数字が記載され足し引きや大小の式が作れるものもあり、自分で玉を動かしながら物質の数と数字が確認できるため、子どもにも理解しやすいのが特徴です。仕切り版の付いているタイプであれば、2人でも楽しめます。玉100個のものが多いですが、120まで玉があるタイプもありますよ。
空間認識力がメキメキ育つ【賢人パズル】
テトリスに出てくるような形のカラフルなブロックを台の上に積み上げていき、いろいろな立体を作って遊ぶおもちゃです。問題の記載された本が付属で入っており、その図形を見ながら挑戦していきます。前後や左右、上からなど見る場所で見える形が違うことに気づけたり、見えていない所も頭のなかで想像できたりしてくるでしょう。難しいレベルの立体だと大人でも悩み、はまってしまうかもしれません。子どもと一緒に「こうしてみよう!」「これはどう?」など楽しく会話しながら遊んでみてはいかがでしょうか。
図形感覚と創造力を育もう【図形モザイクパズル】
4色のカラフルな正方形と直角二等辺三角形のピースが入っているパズルです。動物や乗り物、模様などの形を作って遊ぶことができます。ガイドボードに沿って、見本を見ながら同じ形、同じ色で作っていき、遊んでいくうちに自然と図形の合成や分解、回転といった感覚や、面積の基礎が身についていきます。もちろん、自分でオリジナルデザインの形を作って遊んでもOKです。
色彩感覚と図形感覚が育つ【マッチングエッグ】
卵型のおもちゃの中に、カラフルな色でさまざまな形状の図形を組み合わせてあるおもちゃです。三角形や四角形の他、ハート形や花形、矢印や星形があり、形をよく見ないとはめるのが難しいものも。外して、はめてと繰り返し遊べ、耐久性もあるため乳児期から使えるという点も特徴です。組み合わせ遊びの他にも、入れ物自体がスーパーでよくある卵のパック型のため、そのままおままごとや料理のまねごとをして遊ぶこともできます。
思考力と創造力を養う【ぴたっとめいろ】
マグネットボードとピースを使い、迷路を作って楽しめるおもちゃです。付属のガイドシートを見ながら迷路を作り、ちょっとずつ難易度をあげていくことで達成感や挑戦意欲も育まれるでしょう。ボールもついていて、ゴールまでボールを転がして遊ぶ子ともできます。4歳ころからが遊びやすいようです。
数の概念から数量や図形感覚まで!【トランプ遊び】
数字と図形の書かれたトランプは、数の概念や数量感覚、図形感覚を養うのに丁度良い身近なおもちゃ。ルールが必要になってくるトランプ遊びも、3歳前後から遊べるようになってきます。子どもの好きなキャラクターのトランプで興味を引くのも良いですね。幼児でも遊べる簡単なゲームで、算数センスを育てていきましょう。
一休さん
2~6人で行うゲームです。ジョーカー除いてカードを全て裏返し、円状に並べます。1人ずつ好きなカードをめくって中央に出していき、1、3、9のどれかが出たら手を乗せ、手が一番上になった人が中央のカードを全て引き取りましょう。円状のカードがなくなったとき、手持ちのカードが1番多かった人が負けです。
白熱してくると突き指や擦り傷に繋がることもあるため、ゲームをする前に爪は切っておいた方がといですね。
戦争
2~4人で行い、数字の大小で勝敗を決めるゲームです。こちらもジョーカーを除き、手札の枚数を決めて裏向きで等分に配りしょう。使わないカードはよけておきます。手札をまとめて重ね「勝負!」「いっせいのせ!」などのかけ声とともに1番上のカードを同時にだしましょう。このとき1番大きな数を出した人が勝ちで、全員が出したカードをもらえます。もし同じカードが出たらそのまま次を出しましょう。これを手札が0になるまで繰り返し、最後に手持ちのカードが1番多かった人が勝ちです。
一般的なルールだとAが1番強く2が1番弱い(ただし2はAにのみ勝てる)のですが、幼児であればAが一番弱くKが一番強いとしておいた方がわかりやすいでしょう。
さいごに
算数センスとは何か、から算数センスを育む具体的な方法までご紹介しました。思考が柔軟な未就学児のうちに、自分で見て触って、数唱など音を聞き、確かめながら数や形、立体の感覚を磨いていくことで算数センスは高めやすくなります。「○○はどのくらいの大きさだろうね」と子どもと同じ目線に立ちながら話しかけると、子どもの興味も引きやすいでしょう。もちろん、中学生以降でも算数センスを伸ばせますので、脳トレ遊びと思いながら気軽に楽しむのも良いですね。また、今回ご紹介した遊びやおもちゃはほんの一部です。この他にも、オセロなどの馴染み深いおもちゃや、キッチンで使う計量カップなど身近なものを使い実験をしながら遊ぶのも良いでしょう。ご紹介した知育玩具や外遊びなどを参考に、親子で一緒に繰り返し遊んでみてはいかがでしょうか。
参考サイト
- 公益財団法人 日本数学検定協会(https://www.su-gaku.net/ )