【実例】お風呂嫌いを克服して水遊びも楽しめるようになる方法
子どもがお風呂を嫌がるのはなぜ?
2歳頃の子どもがお風呂に入りたがらない理由には「まだ遊び足りない」「お風呂はつまらない」に加えて、「顔が濡れるのが怖い」「水が怖い」などが考えられます。水に対して恐怖心を持つようになるのは、過去のトラウマが関わっているとも言えるでしょう。「シャンプーが目に入って痛い思いをした」や、「大人が軽くかけたつもりでも、不意に顔に水がかかって不快だった」このような経験がトラウマにつながりやすい例です。
また、親が過度に水を危険なものとして扱ってしまうのも要因のひとつ。子どもに水がかかったときに「大丈夫?!」「危ない!」など慌てた対応を見せると、いつの間にか「水は怖いもの」と認識するようになるのです。その他にもお風呂の温度が熱すぎる、シャワーの音が苦手などの子どもの性格による要因も考えられます。
水が嫌いな子どもへの対策はある?
水嫌いの原因は過去のトラウマによる可能性が高いことがわかりました。子どもの将来を考えると、早めに対策をとってあげたいですね。ここからは、わが家でも実践したお風呂嫌いになってしまった子どもへの対策についてご紹介します。
子どもが水を怖がる理由を把握する
水が怖いと思ったきっかけは子どもによって異なります。まずは原因を知り、その子に合った対策をとることが克服への近道です。どのような経験によって水が怖くなったのか、子どもの様子を観察したり、話を聞いてみたりするとその原因を探れるでしょう。原因がわかったら、徐々に水に慣らしていき、安心できる範囲を広げていきます。
子どもが不快に感じそうな状況を解決してみる
水やお風呂嫌いの原因が不明な場合は、浴室の環境を見直してみるのもひとつの手でしょう。また、今は水を怖く感じていない子どもでも、不快な体験をきっかけに、お風呂が嫌いになる可能性があります。今すぐできる内容なので、ぜひ実践してみてください。
温度はぬるめに設定する
子どもの皮膚は、大人よりも薄く熱さに敏感。熱すぎるお風呂では不快な思いにつながってしまうので、子どもにとって最適な38~40℃を目安にするとよいでしょう。寒い時期でも、ぬるめのお風呂に肩までゆっくり浸かることで、身体の芯を温められます。その際、一緒に数を数えたり、肩にお湯をかけ合ったりすると親子のコミュニケーションも取れますよ。
シャワーの水圧は弱めに設定する
シャワーの音や、水の勢いが強くて不快に感じる子どももいます。音が苦手な子どもには音楽を流したり、一緒に歌を歌ったりして気を紛らわせるのもよいでしょう。シャワーが肌に当たる感覚が苦手な子どもには弱めの水圧にするか、手でやさしくお湯をかけてあげてください。また洗面器で代用するなどして徐々に慣らしていきます。
顔が濡れない工夫する
シャンプーする際、頭からお湯をかけるとシャンプーが目に入ったり、息ができなかったりしてトラウマになる可能性があります。顔が濡れるのが苦手そうなら膝の上に寝かせた状態でのシャンプーや、シャンプーハットの使用がおすすめ。また顔を洗う際は、無理にお湯で濡らさないようにしましょう。タオルを濡らしてやさしく拭いてあげるだけで充分です。
お風呂嫌い克服からプール克服へステップアップ
お風呂嫌いを緩和し、水への恐怖心を和らげられるとプールにも挑戦できるようになります。ここではプール嫌い克服に向けてのポイントを紹介していきます。
お風呂プールで慣れさせる
プールに近い水温の水に慣れる練習から始めましょう。最初は洗面器、ベビーバスやビニールプール、そして浴槽といった流れで水量を増やしていくと徐々に慣らすことができます。ここでもスモールステップで少しずつ水への抵抗をなくし、プールに促せるといいですね。
安心感と楽しい経験を積む
初めてプールに入る際は、できれば親も一緒に入ってマンツーマンでサポートしてあげられると子どもの安心感につながります。そして浮き輪やボールなどを使って遊びながら水に慣れていきます。親が一緒になって楽しむ姿を見ると、子どもも自然と水への恐怖心が和らいでいくでしょう。
成功体験で自信をつける
苦手意識を緩和するには、自信が必要です。できることを増やし、成功体験を重ねていきましょう。例えば、水着に着替えられた、プールまで行けた、水に触れた……と小さなステップアップでも褒めてあげると、子どもの自信につながります。
マイペースを心がける
プール克服は、子どものペースに合わせることが大切です。無理強いをしてしまうとかえって苦手意識が強まったり、水への恐怖心が大きくなったりする場合があります。嫌がる場合は一旦休んで、別の方法に切り替えてみるなどしてあげるとよいでしょう。
お風呂嫌いを克服に導くグッズ3選
子どもが好きなキャラクターを選んだり、大人も一緒に楽しめるものを選べたりするとお風呂の時間をより楽しめるでしょう。水遊び用おもちゃの人気なジャンルごとのおすすめ商品をご紹介します。
シャワーやジョウロ
おもちゃのシャワーやジョウロは、水慣れのスタートにおすすめです。やわらかく水が出てくるため、肌に当たる感覚に抵抗が少ないでしょう。
シャワー、水鉄砲、魚すくい、魚釣りが入った水遊びセットです。雲の形のシャワーはポンプ式で、ポンプを押す力に応じてやわらかい水圧で水が出てきます。また黄色と水色のクジラはネジ巻き式で、ゆっくりと泳ぎます。マグネット付きで、釣り竿を使った魚釣り遊びが可能。さらに海の生き物の形をした6つの水鉄砲の中には、水の温度によって色が変わるヒトデとタコがあり変化を楽しめます。
水鉄砲
シャワーやジョウロとは水の形が変わるので、楽しさに変化をつけられるでしょう。まずは子どもの年齢に応じて水圧が弱いものから取り入れてみてもいいですね。
好きなキャラクターのおもちゃがあるだけで気持ちが盛り上がります。こちらのトーマスのおもちゃは底面を水面につけ、車体の後ろにあるハンドルを回すと煙突から水が出る仕組み。やさしい水圧なので、水鉄砲での水のかけ合い練習にもおすすめ。また車輪がついているため、手転がしで走らせる遊びもできます。
湯船に浮かべるアイテム
湯船に浮かべるアイテムを使ってみると、遊びの幅が広がります。取ったり投げたり、沈めてみたり……浴室ならではの遊びをぜひ楽しんでくださいね。
湯船に浮かべて、縁日にあるようなスーパーボールすくいができます。金魚のオーナメントが入っているので、雰囲気が出て盛り上がります。さらにスーパーボールを洗い場に向けて投げると予想外の方向へ跳ね返る様子が楽しいですよ。
ただし、誤飲には注意が必要です。パーツが小さいため、低年齢のうちは口に入れてしまう可能性があります。遊ぶときは子どもから目を離さないでくださいね。
お風呂嫌いを克服してプールにも挑戦できた体験談
ここからは筆者の実体験をご紹介します。
わが家の場合はお風呂嫌い克服に1年ほど要しましたが、お風呂克服後はプールも少しずつ楽しく入れるようになっているようです。どのように克服したのか、実施した内容を4つにまとめます。
ステップ1水嫌いの要因を追求
わが家の長男は2歳前から水を怖がり、お風呂を嫌がりました。そこで、子どもの様子と発言から要因を推測。すると頭を洗うときと、顔を洗う際に泣き出し、本人も「お湯を目にかけないで」と口にしました。
息子は水に限らず何かと怖がりな性格でもあるので、まずは原因が具体的に分かって対策できることに安心しました。
ステップ2嫌がる要因を取り除く
原因が分かったため「浴槽に入るときはしっかり抱っこをする」「顔にお湯をかけない」を徹底することに。シャンプーハットを嫌がったため、洗髪時は寝ころんだ体制でのシャンプーをしたり、洗顔は自分の手で洗面器からお湯をすくって濡らしたりする程度で対応しました。
ステップ3お風呂場は楽しい場所に変える
お風呂も時間が楽しくなるよう、入浴前から好きなキャラクターのおもちゃを見せ「トーマスが一緒にお風呂で遊ぼうだって」と誘います。キャラクターのアイテム以外にもジョウロや水鉄砲、時にはシャボン玉なども取り入れましたが、どれも効果的でした。
ステップ4お風呂プールでプール嫌いも緩和
2歳頃はプールサイドで水遊びするが精一杯だった息子が、3歳半を過ぎた夏には保育園の大きなプールに入ることができました。プール嫌いの克服には「お風呂プール」が功を奏したように感じています。慣れた場所で、子どもに合わせて水量の調整がしやすく、親も一緒に入って楽しみやすいので、息子も率先して入ってくれました。焦らず息子のペースに合わせていたら、気づけば「プール楽しかった」と言える息子になっていました。
もっと聞きたい!先輩ママの体験談(3児のママ)
一番上の4歳の息子は、生後6ヶ月頃から保育園に入園するまでの半年間、親子スイミングに通った経験があります。その頃は、潜ったり、顔に水がかかったりしても泣くことはありませんでした。しかし、2歳頃に「シャンプーが目に入った」ことをきっかけにして、顔が濡れるのを嫌がるようになりました。それからお風呂ではママが美容師になりきり、「シャワーかけますね~」「流しますので上向いてくださいね」と声かけをしています。現在は、一人でシャンプーができるように特訓中です。
そんな息子のために、家庭用プールには大量のスーパーボールを入れています。お祭りのスーパーボールすくいみたいで楽しいようで、水遊びに対して抵抗が少なくなっていったように思います。そして保育園の年少クラスになるとスイミングが始まりました。スタート時からスイミングを嫌がることはなかったですが、水が顔にかかったり、鼻に入ったりすると「もう出る!」となっていました。それでも徐々に、水に顔をつけられるようになっています。克服までには時間が解決してくれると信じています。
さいごに
水嫌いの克服には、スモールステップが大切です。まずは浴室の環境を整え、子どもの水嫌いになった原因に対し対策をとります。少しずつ安心感を与えていき、上手にグッズを取り入れていくと、水遊びが楽しい時間になっていくでしょう。焦る気持ちを抑えて、子どものペースに合わせながら、親も一緒になって水と楽しく関わることが克服への近道です。
参考サイト
- アデック知力育成教室|プロに聞く! 「水嫌い」「水が怖い」を克服して、水と仲良くなる方法 (https://adecc.jp/columns/swimmmm0102-2111 )
- 児童発達支援スクール - コペルプラス|園や学校のプールが苦手! 水を嫌がる子どもにどう対応する? (https://copelplus.copel.co.jp/column/2407_04/ )