国旗で記憶力アップ!幼児の脳は発達時期に注目するのがポイント
国旗が子どもの記憶力アップにおすすめの理由
子どもの記憶力をつけるため、国旗を勧める理由は主に3つあります。
第一の理由は、子どもが国旗を目にする機会が多いこと。オリンピックやサッカーなどのスポーツの試合に掲げられる国旗、運動会に飾られる連結式の万国旗、そしてレストランのお子様ランチに刺さっているピックや幼稚園・保育園で遊ぶカードゲームなどです。子どもにとって馴染みのある国旗は、遊びとして受け入れやすいため、スムーズに記憶力につながる効果が期待できます。
第二の理由は、まだ文字が読めない子どもでも色や形から入ることができること。赤や青、丸や四角など覚え始めた子どもが理解できるデザインなのがポイントです。
そして第三の理由は、国旗のカラフルさや図形の多様さがあります。「きれいだな」「好きな色だな」「面白い形だな」と、子どもの目に魅力的に映るでしょう。
以上のような理由から、国旗は幼児期の記憶力を高める学習教材として適しています。また、国旗の種類は豊富にあるため、飽きることなく楽しく覚えていけそうですね。
国旗を覚えるメリット3つ
子どもにとって、国旗は身近で興味を引きやすいことが分かりました。それでは、国旗を覚えることは、子どもにどんな嬉しい影響があるのでしょうか。主に3つの効果を説明していきます。
色・形の識別能力がアップする
国旗は、子どもにも分かりやすいはっきりした色彩と単純なデザインでできているのが特徴です。国名とその国旗を結びつけて覚えていくことは、子どもの、色や形を識別する力を伸ばす手助けになります。
色の組み合わせや、似ているデザインの国旗もあるので、迷うことなく国名と国旗を一致させて覚えることは、子どもの脳に刺激を与え、記憶力の発達へと導くのです。
言語を発達させる
国名を覚えていくことで、子どもの言語能力アップも期待できるでしょう。国名を覚えてきたら、その国の首都や簡単な特徴などを親子で一緒に勉強してみるのもおすすめ。さらに子どもの知識は広がり、語彙力も増えていきます。
海外への興味を持つ
国旗はその国の歴史や思想も反映しています。例えば、日本とバングラデシュは似ているデザインですが、色の組み合わせが異なりますね。
諸説ありますが、日本の国旗「日の丸」は太陽を表したもので、中央の赤い丸は活力を、周りの白は神聖を表わしているといわれています。
一方のバングラデシュは、初代大統領であるムジブル・ラーマンが日本に似たデザインにしたといわれています。敗戦から高度成長を遂げた日本を見本とする決意の現れです。太陽を表わす赤い丸は同じですが、過去の戦いで若者が流した「血」を忘れない意味も含まれ、周りの緑色は豊かな大地を表わしています。中央の赤い丸もやや左によっていて、旗が風になびいたときにちょうど中央に見える工夫がされています。
このように、子どもが国旗を見たときに感じる疑問や納得が、海外への興味や理解に結びつくでしょう。
子どもの記憶力はいつから伸びるの?
3歳くらいになると、子どもの記憶力の良さに驚くことはありませんか。大人がついポロリと言った言葉を覚えていたり、昨日の夜に食べた夕飯のメニューを覚えていたりなど、子どもの記憶力の成長を感じる時期です。
それは、3歳頃に言葉の理解力が上がり記憶力が定着してくるためです。そして、5歳までに8割、6歳までには9割脳の成長が完成すると言われています。そのため、幼児期は記憶力アップさせる時期として重要な時期なのです。
そもそも、子どもの記憶力の良さは、脳から出るドーパミンが関係しています。ドーパミンとは、脳内で情報伝達するのに重大な働きをする神経伝達物質です。「心地よい」「楽しい」などと感じるときに出る物質と言われているので、子どもの示した興味あることを一緒に楽しみ、子どもが持つ好奇心を気持ちよく探求できる環境を意識しましょう。
右脳と左脳の違いを知ろう
脳は右脳と左脳に分かれており、それぞれ異なる能力をつかさどっています。記憶力に関しては、右脳は「長期の記憶能力」、左脳は「短期の記憶能力」です。このうち、幼児期に伸ばすべき能力は、3歳がピークと言われる右脳の「長期記憶」。今後の子どもの記憶力をどれだけ高められるかの「容量」になりますので、時期を逃さず有効に過ごしたいですね。
3歳児の記憶容量を増やす近道は、イメージ力を育てることです。絵や図と言葉を結びつける「国旗」は、情報をイメージしやすい最適なアイテムといえます。
国旗を覚えるにはコレ!教材おすすめ5選
いざ国旗が載っている世界地図を壁に貼ってみたけれど、子どもの反応はイマイチ……。そうならないためには、楽しい遊びのひとつとして取り入れてみましょう。
5つのジャンルごとにおすすめの教材を紹介します。子どもが楽しくトライできそうなものを探してみてください。
本/「国旗のえほん」戸田やすし
48か国の国旗が1ページに1つずつ大きく掲載されているロングセラーの絵本です。国旗の下に国名と位置の記載のみというシンプルさは子どもにも分かりやすいので、国旗入門編として入りやすい1冊。対象年齢の目安も3歳くらいからで、時期的にもちょうどよいでしょう。
図鑑/「世界の国旗「つながり」図鑑」吹浦忠正
オリンピックで国旗を担当した著者ならではの視点で、国旗の似たものグループ解説が面白い図鑑です。色やデザインが似ている背景も合わせて学べるので、より海外の知識が増やせます。世界200カ国を網羅している圧巻の情報量です。対象年齢は小学校中学年からですが、長く楽しめる1冊としておすすめ。
パズル/「世界の国旗大図鑑」エポック社
63ピースで92カ国の国旗が完成するパズルです。それぞれのデザインをじっくり見ながら国旗の大集合をつくり上げていくため、ゆっくり覚えていけます。同シリーズには、ピース数や国の数がさらに多いタイプもあり、レベルアップするごとに挑戦していける楽しさがあります。対象年齢は5歳から。
カード/「世界の国旗カード 1集」くもん出版
公文の国旗カードは、1枚ごとに国旗が大きく描かれていて子どもの目にも分かりやすいと人気が高くおすすめ。1集から3集まであり、1集では日本に馴染みがある関係の深い国を中心に48カ国が選ばれています。フラッシュカードとして使用したり、似ている色やデザインを合わせる神経衰弱として遊んだり、アイデア次第でいろいろ遊べるのが嬉しいポイントです。2集、3集にはどんな国が入っているのかも気になりますね。
YouTubeで復習
動画が身近になっている子どもには、YouTubeという選択肢もあります。ある程度国旗を覚えてきたら、クイズ形式の番組で復習する方法はいかがでしょうか。子どもに合ったレベルを選べ、似ている国旗バージョンなどに焦点を当てた内容もあり、遊びながらも記憶力の定着と集中力が期待できそうです。
体験談
先輩ママ達は、子どもの記憶力をどう高めているのでしょうか。やはりポイントは、楽しく遊びながらのようです。2人のママの体験談を聞いてみました。
4歳女の子のママ
年中の娘は、神経衰弱にハマっています。きっかけは、こども園で先生や友達と遊んだ「かるた」や「UNO」、そして「国旗」でした。それぞれ違うルールをしっかりと覚えているのにはビックリ!自宅でよく遊ぶ神経衰弱は、記憶力のみで勝ち負けが決まるゲームなので、大人も子どもも平等に対戦できるところが気に入っています。カードゲームのレパートリーを増やそうと、「英語かるた」や「国旗カード」も購入して、毎日対戦する時間を楽しく感じています。特に国旗は色彩豊かで覚えるのが楽しい様子。「どの国旗のデザインが好きか」「それはなぜ?」など親子での会話も弾みます。
日常的にカードゲームをすることで、娘の記憶力にも効果があるのか、確実に強くなってきて、大人が負けることも増えてきました。どんどん新しいことを覚えていくのが楽しそうな娘で、これからの成長がとても楽しみです。
4歳男の子のママ
年少の息子は、幼稚園で体験したフラッシュカードがきっかけで、国旗に夢中になりました。とても楽しかったようなので、自宅でもできるように幼稚園で使用しているものと同じものを購入しました。幼稚園から帰宅すると、「今日はアジアを勉強した」「今日はアフリカだったよ」と毎日自分から復習する姿に驚きです。
また、お出かけしたときに国旗を見つけると「この国旗はどこの国でしょうか」とクイズを出してくるようになり、大人も勉強になっています。子どもが自分から興味を持ち、好きなことなので、楽しみながら国旗を覚えてどんどん記憶力を高めていると感じる毎日です。
国旗以外でも、日常生活で見たものや聞いたことをしっかりと覚えており、子どもの記憶力には驚かされてばかりです。
さいごに
子どもの記憶力アップは、脳の仕組みによるベストなタイミングを活かすことが大切です。その際に子どもの目にも魅力的に映る「国旗」を使い、記憶力とともに言語能力や海外への興味も高めていきましょう。子どもが楽しく学べるツールはたくさんありますので、ぜひ子どもが好きなやり方を見つけてみてください。
参考サイト
- くらしスタイル研究所|【国旗と子ども①】なぜ?子どもが国旗を覚えるのが好きな理由 (https://osoujihonpo.com/lab/kids/post-10345/ )
- HMJ BLOG|「国旗カード」にそんな効用が!その3つの効用とは(https://www.hmj-blog.com/flag-card/ )
- 学研 保育用品Webカタログ|テトロン万国旗連結式ワイド (https://catalog.hoikucan.jp/item/60-71400-019 )
- Hiromu CANTERA|幼児期に仕込んだ記憶力は、小学生以降で発動する(https://note.com/hiromu_cantera/n/n77ea4c7b8e32#8b3e0948-bc2b-4610-8acb-8be8709baa77 )
- SMART BLUE|日本国旗の由来を知っていますか?(https://smartblue.jp/nihonnkokkiniyurai/ )
- 東京都立図書館|バングラデシュ人民共和国(https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/area_studies/index/bangladesh/index.html )
- 外務省|なるほど発見! 南西アジア(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100490370.pdf )
- 内閣府|「国旗・国歌」について(https://www8.cao.go.jp/chosei/kokkikokka/kokkikokka.html )
- レファレンス協同データベース|世界の国旗や日本の国旗の由来を書いた本がありますか? (https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?page=ref_view&id=1000027885 )
- NOVAKID|子供の記憶力を高める:脳のメカニズムを活用して記憶力アップ!(https://www.novakid.jp/blog/no-no-mekanizumu-o-katsuyo-shi-kodomo-no-kioku-ryoku-o-takameyou/ )
- NHKエデュケーショナル|子どもの発達~基本のき(記憶の発達)(https://www.sukusuku.com/contents/12090 )
- YAHOO!ニュース|【3歳までは特に意識して】後付けでいい!子どもをプラス思考にできるママ【子育ては記憶作り】(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8caf2a82ed93e5d7d3255998d0196c8602748875 )
- 公益財団法人テルモ生命科学振興財団|脳の不思議を考えよう(https://www.terumozaidan.or.jp/labo/class/index02.html )
- ソニー生命保険株式会社|子ども脳も大人脳も「好奇心」で成長する 脳に効く習い事 (https://cs.sonylife.co.jp/lpv/pcms/sca/ct/special/topic/index1708.html )
- たまひよ|ドーパミンが「もっと知りたい!」気持ちを作る!子どもの知的好奇心を育てるには【脳医学者】(https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=172139 )
- PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)|脳の8割が完成"5歳まで"にやるべきこと ドーパミン・サイクルを養う方法 (https://president.jp/articles/-/22851?page=1 )
- 寺崎クリニック|子どもの脳の発達(脳の乳幼児期~学童期へ)(https://terasaki-nsc.com/brain_tumor/child-brain-tumor/272/ )
- せかいく|なぜ”6歳”か ~人間の脳は6歳までに90%完成する~ (https://sekaiku.com/why0_6/ )
- 城南進学研究社|子どもの能力を左右する決定的な時期 「臨界期」と「敏感期」(https://edu-biz.johnan.jp/education-info/brain-science/info20220112-7/ )
- 厚生労働省|e-ヘルスネット ドパミン(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-047.html )
- 医療法人社団 平成医会|ドーパミンを増やすことで得られるメリット (https://heisei-ikai.or.jp/column/dopamine-benefit/ )
- ダイヤモンド・オンライン|【最新脳科学と“学び”の科学】やるだけでドーパミンがあふれ出る集中力・記憶力同時アップ学習法とは?(https://diamond.jp/articles/-/307185?page=2 )
- へーグル|3歳の記憶力はどのくらい?記憶力を各段に向上させるコツとは?(https://www.hegl.co.jp/heglnews/travel-tips/3sai_memory/ )
- 株式会社 瞬読|右脳と左脳の違いとは?左右両方の脳をバランスよく鍛えるコツ (https://syundoku.jp/speed-reading/right-left-brain#%E5%B9%BC%E5%85%90%E6%9C%9F%E3%81%AE%E8%84%B3%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%81%94 )
- 戸田デザイン|国旗のえほん(https://toda-design.com/?pid=106818734 )
- グッドブックス|世界の国旗「つながり」図鑑 (https://good-books.co.jp/books/3484/ )
- 早稲田大学 オリンピック・パラリンピック事業推進室|国旗の専門家として、4度目のオリンピック・パラリンピックに臨む 吹浦忠正さんインタビュー (https://www.waseda.jp/inst/tokyo/news/2020/04/06/2426/ )
- エポック社|世界の国旗大図鑑(https://puzzle.epoch.jp/kids/picture-puzzle/details/25-227/ )
- KUMON SHOP|世界の国旗カード 1集(https://shop.kumonshuppan.com/view/item/006001000076 )
- 東京都教育委員会|乳児期を大切に(https://www.syougai.metro.tokyo.lg.jp/sesaku/pdf/document/shidoshashiryo2.pdf )(11P)