英語脳とは?子どもが鍛えるメリットや方法、注意点も紹介
英語脳とは?
「英語脳」とは、英語を日本語に訳さずに英語のままで理解する状態のこと。脳の種類として、英語脳というものが存在するわけではありません。
英語脳は必要?
母国語のように英語を話すためには、英語脳が必要です。科学的にも、母国語と英語を話せる人は、脳の活性領域が異なることが証明されています。
日本語で生活する環境で成長すると、英語を聞いたときに日本語に直す習慣が付いてしまいがち。脳内で日本語に訳さずスムーズに英語でコミュニケーションを取るには、英語脳を育む必要があるでしょう。
英語脳が育つのは何歳?
2009年に発表された「脳科学から見た効果的多言語習得のコツ」によると、言語習得の臨界期を迎えるのは5~6歳であるとされています。
そのため、完全に2か国語を話せるようになるためには5~6歳までの言語習得が重要であり、それ以降の習得能力は低下していくと考えられているのです。
英語脳を鍛えるメリット
それでは、英語脳を鍛えるメリットを2つ紹介します。
英語を理解するスピードが高まる
英語脳がない場合、英語を日本語に訳して考えてから言いたいことを英語に翻訳するという過程が必要です。英語を理解するのに時間がかかるため、最初は聞き取れていてもそのうち追い付かなくなっていき、会話の流れが悪くなってしまうでしょう。
英語脳を鍛えることで英語を聞いたり読んだりするときに素早く意味を理解できるようになり、英語での会話も途切れることなくスムーズに続けることができます。
スピーキング力が向上する
英語脳を鍛えれば、言いたいことを英語に訳す手間がかからないため、スピーキング力のアップにもつながります。
日本語で考えて英語に訳すのではなく、英語で考えて英語で表現するため、日本語で直訳したような不自然な言い回しにならず、自然な英語のフレーズを選択して話せるようになるのです。
また、たくさんスピーキングをすることでイントネーションや発音も向上し、キレイな英語を話せるようになるでしょう。
英語脳を鍛える方法
では、英語脳はどうやって鍛えればいいのでしょうか?英語脳を鍛える方法を5つ紹介していきます。
多読
多読はやさしい英文を訳さずに読むトレーニングのこと。英語の語順に慣れることで、リスニング力やリーディング力のアップにつながります。
子どもの英語力に合わせた多読本を用意し、読むときは訳すことを意識せず読み進めます。分からない単語があっても、辞書を引かずに前後の文脈から推測するようにしましょう。
多聴
多聴は理解できるレベルの英文をたくさん聞くトレーニングのこと。これは言語習得で大切な「インプット」にあたり、英語のままストーリーの内容を掴む能力を鍛えることが可能です。
子どもの興味が持てる内容で音源が付いているものを用意しましょう。音源はなるべく止めないようにし、理解できなかった部分のみ聞き直すようにします。さいごに、英文を読み内容を理解するようにしましょう。
音読
音読は英文を声に出し読む方法のこと。スピーキング力のアップに加え、文法の基礎も覚えることができます。
音源付きの英文を用意し、英文の構造や意味を意識しながら音読します。音読が終わったら分からなかった単語を調べて、正しい発音を音源で確認しましょう。英文の意味や発音を理解したうえで、音読を繰り返していきます。
音読では、分からない部分をそのままにせず、手本となる音源でしっかり聞くことが重要です。
シャドーイング
シャドーイングは、聞こえた音声のあとを追って発音していく方法のこと。リスニング力や語彙力のアップに効果的です。
子どもの英語力に適した音源付きの英文を用意。英文を見ずに音源を再生し、1~2語遅れて発話します。
シャドーイングでは文章の意味を考えるとともに、発音のイントネーションも意識することが大切です。聞き取りと発話を同時に行うむずかしいトレーニングのため、1日10分を目安にすると良いでしょう。
リピーティング
リピーティングは、英文を見ない状態で聴いた英文を同じように声に出して言うトレーニングのこと。頭のなかで文章を組み立てながら英文を聞く力を鍛えます。
子どもの英語力に応じた、音源が付いている英文を用意します。音声を聞いて、英文を見ずに発話していきます。文の区切りごとに音声を止めて、聞こえた通りに繰り返しましょう。分からない部分は英文を見て確認します。
リピーティングはシャドーイングよりも、丁寧に音声を聞くことができるため、リスニング力を確認したいときにおすすめです。
親子でできる英語脳を鍛える遊び
ここでは、親子でできる英語脳を鍛える遊びを2つ紹介します。
物語ゲーム
英語の慣用句を書いた紙を50個ほど箱のなかに入れておき、親子で合わせて5~6枚の紙を箱から引き出します。そして、引いた慣用句を使って物語をつくっていきしょう。「Watch out!(気をつけて)」「「Don’t worry(心配しないで)」などを用いて、ひとつの物語をつくります。
どうしても慣用句が使えない場合は、再度引き直します。また、物語をつくるときは日本語を混ぜても大丈夫です。
English Wall
まず、「寝起きが悪い(wake up feeling bad)」「すっきり目が覚める(wake up feeling refreshed)」など、今日覚えたい表現を5つ決めます。これら5つの表現を画用紙に書いて、壁へ貼りましょう。
何回か音読して言えるようになるまで練習します。親子で普段の生活にそれらの表現を取り入れて、自然に使うことを意識してみましょう。
英語脳を育むときの注意点
子どもの英語脳を育むときの注意点を3つ紹介します。
日本語の習得をおろそかにしない
母国語の習得は子どもの創造性や社会性、思考力の発達に大きく関係しており、母国語を習得しなければ思考力の向上がむずかしくなります。
母国語の習得は英語脳の基盤となるため、英語脳を育むためには日本語の習得が必要です。英語脳を育てるためにも、まずは母国語である日本語の習得をおろそかにしないようにしましょう。
強制的に覚えさせない
英語への興味があるのかどうか、子どもの反応を見ながら親がサポートして子どもの英語脳を育んでいきましょう。子どもが英語の歌を聞くよりも日本語の歌を聞いているほうが気分がよさそうなときは、日本語の歌を選択すること。
テンションがあがらないほうを無理に聞かされれば、子どもの英語への興味が薄れてしまうかもしれません。
子どもの興味につなげて教える
子どもの英語脳を育むために、楽しく英語に触れるきっかけを増やしていきましょう。子どもの好きな英語の絵本や音楽がある場合は、それらを使った英語脳を鍛えるトレーニングを取り入れると良いかもしれません。
さいごに
英語脳を鍛えることは、スピーキング力の向上や英語の意味を素早く理解することに効果的です。日本で生活していても、さまざまな英語脳を鍛える方法があります。まずは、子どもの英語脳を鍛えるために、親が楽しく英語に触れられる機会をつくることが大切です。この記事を参考に、親子で楽しくトレーニングしながら英語脳を鍛えてくださいね。
参考サイト
- GLOBAL CROWN BLOG|英語脳の育て方とは。子どもに英語を身に付けてもらうトレーニング方法を紹介(https://www.global-crown.com/blog/english-teaching/how-to-create-english-mind#%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E8%84%B3%E3%81%AE%E8%82%B2%E3%81%A6%E6%96%B9%E3%81%A8%E3%81%AF )
- 【ECC外語学院】|英語脳を作るトレーニング8選!英語脳になる効果的な方法とは(https://www.ecc.jp/column/englishbrain )
- 小学生・幼児向け英語・英会話教室WinBe(ウィンビー)|英語脳の作り方は?効果的なトレーニング方法と注意点について解説!(https://www.winbe.jp/column/column_17/ )
- THE ENGLISH CLUB SINCE|英語の思考回路とバイリンガル脳が必要な理由と作り方(https://english-club.jp/blog/english-brain/#2 )
- EQWEL TIMES|幼児英語は何歳から始めるべき?英語学習の効果を年齢別に紹介(https://www.eqwel.jp/blog/what-age-should-children-start-learning-english/ )
- Bizmates Blog|シャドーイングの効果とやり方を初心者向けに徹底解説!挫折しないためのコツも紹介(https://www.bizmates.jp/blog/shadowing/#i-3 )
- Nature|ハイライト:バイリンガルになると脳の灰白質が変化する(https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/6673 )
- 植村研一|脳科学から見た効果的多言語習得のコツ(https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku/11/1/11_1_23/_pdf )