人気を集めるアーバンスポーツ|子どもの習い事としておすすめの理由は?
アーバンスポーツとは何か?
アーバンスポーツとは、都市に存在する、広場やストリートなどを舞台に繰り広げられ、専用の競技場がなくても、身近にある環境でおこなえるのが魅力です。
今でこそ、オリンピックで認知度が高まったアーバンスポーツですが、本来は勝ち負けを重視するよりかは、技を磨いたり、思い描くスタイルを確立したりすることを楽しむスポーツです。また、ファッションや音楽との融合で、遊びやカルチャーとしての側面もあわせもっています。
子どもにおすすめのアーバンスポーツ4選!
アーバンスポーツには、BMXやボルダリング、スケートボードなどさまざまな競技があります。まずは、子どもにおすすめのアーバンスポーツを4つ見ていきましょう。
スケートボード
板の前後に車輪がついたスケートボードを使い、コースを自由に滑ったりジャンプや回転などのトリックに挑戦したりする競技です。2020年東京オリンピックで競技として正式に採用され、注目を浴びました。
最近では、公園にコースが併設されるところも増えて、気軽にチャレンジしやすい環境に。ボードを足で押し進める「プッシュ」といわれる基本動作は、家の庭でも簡単に練習できます。まずは、片足を板に乗せてバランスをとる動作にチャレンジしてみましょう。
練習できる環境にこだわる必要がないため、練習時間も自然と増え、子どものチャレンジマインドにも火がつくでしょう。
BMX
専用のバイクを使い、ゴールまでの速さを競ったり、技の出来栄えを競ったりする競技です。バイク1台あればどこでも練習可能で、気軽に始められます。
自転車に乗る練習としてもおすすめです。自転車に乗れるようになったら、立ち漕ぎや8の字に走るなどの基本的な動作にチャレンジ。
基本動作をマスターしたら、公園に併設されている施設やスケートパークに子どもと足を運んでみるのもいいでしょう。同じように競技に取り組む仲間の走りやトリックを見せてあげることで、子どもの「やりたい!」という気持ちを引き出すことができますよ。
スラックライン
スラックラインは、まっすぐ伸びたベルトのうえで、ジャンプしたりポーズをとったりするスポーツのことを指します。バランス感覚や集中力を鍛えるのにぴったりのスポーツです。
その他にも、反応能力やリズム能力、状況に応じて素早く自分の動き方を判断できる変換能力などが身につきます。
ラインベルト付きの台を用意したり、木にベルトを巻き付けたりして遊ぶことができます。ベルトを張る高さや長さによって難易度を挑戦でき、子どもはもちろん大人も楽しめますよ!
ベルトの上に立つのは簡単そうに見えて実は難しい!簡単にはできないからこそ、できた時の達成感は子どもの自信につながるはずです。
スポーツクライミング
スポーツクライミングはひとことで説明すると、壁をよじ登る速さや高さにチャレンジするスポーツです。スポーツクライミングの一種にボルダリングがありますが、子どもにはこちらがおすすめです。
ボルダリングは身体をロープで補助しながら低めの岩を登っていきます。指先や足だけでなく、全身の筋肉をバランスよく使うのが特徴です。また、壁に取りつけられたホールドの位置を考え、登っていくコースを自分で考えるため、思考力も鍛えられるのも魅力のひとつです。
公園に、壁をよじ登れる遊具が設置されているところがあれば、まずはそこからチャレンジ。子どもに「もっと高い壁を登りたい」という気持ちが出てきたら、専用のジムに行くのもいいでしょう。
アーバンスポーツで鍛えられる力をチェック
続いて、アーバンスポーツで子どもが身につけられる力について解説します。身に付くスキルは大きく分けて「非認知能力」と「コーディネーション能力」の2つ。それぞれの能力がどのようなものなのかをみていきましょう。
非認知能力を養える
アーバンスポーツを通して、自分の達成したい課題に試行錯誤して取り組むことで、非認知能力を育むことができます。アーバンスポーツで養える非認知能力には具体的になにがあるのか、ここでは5つ取り上げて説明していきます。
自制心
自制心は、自分の感情に振り回されずに冷静に対処できる力です。感情の波を一定に保つ力で、目標達成に集中するために欠かせないものといえます。自分自身をコントロールできることで、目先の誘惑にも惑わされにくくなります。
アーバンスポーツの技に挑戦する過程では失敗がつきもの。できないこと対して感情的にならず、失敗の原因を冷静に考える思考力が身につきます。
忍耐力や集中力
スケートボードやスラックラインは、ボードやベルトに立つという基本動作が高難易度。ひとつの動作に神経をと尖らせるため、集中力が鍛えられます。また、何度落ちたり転んだりしても諦めずに粘り強く取り組むことで、忍耐力の向上にも役立ちます。
自己肯定感
ありのままの自分を受容し、自己の存在を肯定できる力です。自己肯定感が高いと、他人と比較することなく、自分の弱みも含めて自己を受け入れることができます。また、自分の主張に自信を持てるのはもちろん、他者の意見も尊重できるのが特徴です。
アーバンスポーツで子どもの技が決まったり、記録更新できたりすると、成功体験ができ自己肯定感の構築につながります。挑戦していたことがクリアできた時に、親が子どもをしっかりほめてあげることが重要です。
向上心
楽しみながらアーバンスポーツに取り組むことで、好奇心が刺激され、さまざまなことにチャレンジしようとする力が育まれます。向上心の高い人は、失敗することを恐れずに、自分の達成したい目標に向かって積極的に進んでいきます。
コミュニケーション能力
アーバンスポーツは、年齢や性別の隔たりをこえたコミュニケーションを楽しめるため、他者との意思疎通がスムーズにできるようになるところも魅力です。子どもからプロまで同じ場所で練習に取り組む風通しのいい環境が、コミュニケーション能力の育成にぴったりです。
コーディネーション能力を鍛えられる
2つめの能力として、コーディネーション能力の向上が挙げられます。コーディネーション能力とは、目的に合わせた体の動きを円滑に行えるよう脳からの指示と動きを調節する力のことです。
大きく分けて7つの能力があるので、詳細をチェックしましょう。
リズム能力
音やタイミングに合わせてうまく動ける能力です。スポーツするうえでは、タイミングよく動けることが欠かせません。
スケートボードで技を決めるにもタイミングが重要。ボードを蹴り上げるタイミングやジャンプするタイミングが合っていなければ技は成功しません。
バランス能力
体が倒れないようにうまく体勢を整える能力です。転びそうになった時や、不安定な場所で体を支えるのにバランス能力が必要になります。
スラックラインは、不安定なベルトに立ってパフォーマンスをするため、まさにバランス能力が鍛えられます。また、BMXも自転車に乗り倒れないように前に進む動作が必要なため、バランス能力が不可欠です。
変換能力
急な状況の変化に対応して、体の動きを変えていく能力のこと。人やものの動きを先取りして予測し、自分の身体をどう動かすかを判断していく力です。
反応能力
素早く反応する能力が反応能力です。反応能力が高い人は、反射神経がいいとも例えられます。「よーいドン!」でスタートダッシュが早い人をイメージすると、分かりやすいでしょう。
連結能力
連結能力は、動きをつなげていく能力のことを指します。連結能力を育てることで、スムーズな体の動きができるようになります。
定位能力
動いているものと、自分との距離感を把握する能力です。人やものとの距離感を掴み、自分が動く速さや方向を判断し、位置関係を調整できます。
識別能力
手足を使い、ものを操作する時に必要な力が識別能力です。視覚からの情報をもとに道具を適切に使いこなしていきます。スケートボードや自転車を使いこなすアーバーンスポーツでも鍛えられる能力です。
アーバンスポーツをするうえでの注意点
アーバンスポーツを始めるにはいくつか注意点があります。ここからは気をつけたいポイントをチェックしていきましょう。
アーバンスポーツをする場所に気をつける
アーバンスポーツは、どこでも気軽に楽しめるのが魅力のスポーツですが、人通りの多い場所や、交通量が多い道路の近くでおこなうのは避けましょう。近くに専用のパークがある場合はそこを利用するのが安全です。また、専用施設を利用する際は、パークのルールをしっかりと守りましょう。
アーバンスポーツをする時には装備も必要
スケートボードやBMXなどスピードの出る乗り物を使ったり、高いところに登ったりするアーバンスポーツでは、ケガの危険と隣り合わせです。大きなケガにならないように、ヘルメットやプロテクターをしっかりとつけましょう。
子どものアーバンスポーツに関する体験談
最後に体験談を紹介します。
子どものチャレンジする姿に感動!(3・5歳/男の子のママ)
子連れのお出かけで、山梨県のアドベンチャーパークに行きました。アドベンチャーパークにはBMX専用のコースが併設されていて、息子が「やりたい!」と言ったため挑戦させました。息子は普段から自転車に乗るのが好きで、公園や自宅の庭で乗り回していましたが、専用のコースは初めて。坂道やデコボコ道など結構ハードな感じのコースでした。
しかも、「乗りたい!」と選んだのは補助輪がついていない自転車。つい最近、補助なしの自転車に乗れるようになったばかりなのに、と親は少し心配でしたが、息子はどんどん自転車をこぎ進めていきました。
途中で転んでしまいましたが、諦めることなく真剣な表情でゴールを目指す子どもの姿に親は感動。ゴールした後の息子は、少し誇らしげで達成感に満ちた顔をしていました。
個人競技ですが、ゴールした後にはイベント会場にいたスタッフや、上級生の子どもとハイタッチをするなどして喜びをかみしめているのも印象的でした!
さいごに
アーバンスポーツは気軽に楽しめるうえに、非認知能力やコーディネーション能力が養える魅力的なスポーツです。子ども達の好奇心を刺激しながら、自由な発想で取り組むことができ、大人も一緒にのめり込むこと間違いなし。
うまくいった時もそうでない時も、親子で感情を共有し、一緒に成長することができますよ。アーバンスポーツにはさまざまな種類がありますが、子どもが夢中になれそうなものを見つけてあげてくださいね。
参考サイト
- 広告お役立ち情報メディア ウリアゲガンバ PLUS|オリンピックにも採用されるアーバンスポーツと、企業のマーケティング活用
(https://plus.uriageganba.jp/content_0082)
- 文部科学省|アーバンスポーツの定義とアーバンスポーツツーリズムの可能性について
(https://www.mext.go.jp/sports/content/20201124_stiiki_000011080_05.pdf)
- 文部科学省|アーバンスポーツツーリズム推進に向けた論点整理
(https://www.mext.go.jp/sports/content/20210407-spt_stiiki-000014050_1.pdf)
- Sports for Social|【3分解説】アーバンスポーツとは?その意味をわかりやすく解説!
(https://sports-for-social.com/3minutes/urban-sports/)
- Seiko HEART BEAT Magazine|都市で行うアーバンスポーツとは?~種類&代表的な選手を解説~
(https://www.seiko.co.jp/magazine/article/00041.html)
- SPOPITA(スポピタ)|スケートボード 競技紹介
(https://spopita.jp/sport/skateboard/)
- パラサポWEB|子どもの習い事で人気! プロの指導者に聞いたスケートボードの教育的メリット
(https://www.parasapo.tokyo/topics/106995)
- 文部科学省|中央教育審議会 初等中等教育分科会 幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会
(https://www.mext.go.jp/content/20210901-mxt_youji-000017746_2.pdf)
- SukuSuku English Preschool|非認知能力とは?概要や認知能力との違いをわかりやすく解説
(https://sukusuku-ep.com/what-is-non-cognitive-ability/)
- CARPEDIA|東大生が解説!「非認知能力」って何? 具体的な能力と伸ばし方!
(https://carpe-di-em.jp/media/1777)
- 文部科学省|アーバンスポーツを活用したスポーツ実施率向上のための実証実験
(https://sportinlife.go.jp/pdf/offer_final/12_1.pdf)
- 入間市の体操教室・リバティスポーツプラザで楽しく運動|バランス力のトレーニングならスラックライン!
(https://libespo2021.jp/lessons/20211114122829/)
- Sany TOMI|スラックライン
(https://sanytomi.com/blog/school_slackline/)
- のりもの・運動遊具メーカー|アイデス公式サイトコーディネーションとは?7つの力を育み “運動が得意!になろう
(https://www.idesnet.co.jp/magazine/excerciseplay-coordination/)
- 埼玉のこども整体・スポーツ整体『越谷BASE』|コーディネーション能力とは
(https://www.koshigayabase.com/blog/20738/)
- Whythetrick|生理学的に効果的なオーリーのタイミングとは
- JOY RIDE|最も発達する時期にチャレンジさせたい、未来をはぐくむ自転車