子どもが勉強する場所はどこが一番?子ども部屋のメリット・デメリットも
子ども部屋はいる?いらない?
少し古い資料になりますが、2015 年に437人を対象(子どもの年齢は、未就園児37%、園児22.5%、小学生18.9%、中学生4.0%、高校生17.6%)にインターネット調査をしたところ、以下のような結果になりました。
子ども部屋を用意するきっかけは「引っ越したから」、「子どもに自立してもらいたいから」、「小学校に入学する(した)から」ですが、やはり、小学校1年生で子ども部屋を用意しようと思っているご家庭が多いようです。
しかし、実際はリビングで勉強する子どもが多いことも事実です。
そこで、勉強部屋として子ども部屋・リビング、それぞれのメリット・デメリットをあげてみましょう。
子ども部屋のメリット・デメリット
子ども部屋は、一人でじっくり勉強できる場所で、家族から邪魔されず、長時間集中できる場所ですね。
次のグラフは子ども部屋を用意したことでのメリットを示しています。
子ども部屋のメリット
子ども部屋を用意したことでのメリットは「自立心が芽生えた」「プライバシーが保たれるようになった」「勉強するようになった」が上位でした。
子ども部屋のデメリット
子ども部屋を用意したことで「子どもの様子が分からなくなった」が15.5%、「部屋にこもるようになった」11.2%、「会話が減った」10.8%、「片づけをしなくなった」10.2%など、気になる結果が出ています。
散らかったり、兄弟げんかが増えたり、勉強をしなくなったという子どももいたようですが、これでは元も子もありませんね。
理由は、子ども部屋は自分一人の空間で、自由がある点、緊張感が少なく、集中力も下がりやすい場所だからでしょう。
子ども部屋の注意点・工夫
子ども部屋のデメリットを少しでも減らすために、以下のような工夫が考えられます。
- 子どもの様子がよく分かるよう、リビングの隣を子ども部屋にする
- リビングを通って子ども部屋に行く道順にする
- ぶつかってもけがをしないように、角を作らないようにしたり、棚を低くする
- 学習中の子どもの姿が見えるように、机を配置。
- ドアは開けておく
- ときどき部屋をのぞいて様子を確認する
- 多少散らかっていても、ガミガミ言わない
- 扉に鍵を付けない
- 自分の部屋にこもりきりにならないよう、テレビを置かない
リビング学習のメリット・注意点
子ども部屋があっても小学校低学年の子どもの勉強場所は、「リビングダイニング」が76.4%というアンケート結果がでています。リビング学習が圧倒的に多い理由は何なのでしょうか?
リビングのメリットは?
・安心感
リビングは子どもがリラックスできる安心感がある場所です。家族が周りにいるので適度な緊張感もあります。
・わからないことをすぐ親に聞ける
親が近くにいるため、分からないことがあったらすぐに親に聞くことができます。
・集中力がつく
話し声や料理の音などが聞こえる環境で勉強することに慣れると、少しの雑音では乱れない集中力をつけられます。
このように見てくると、小学校低学年の子どもがリビングを学習場所に選ぶことも頷けますが、特に、ウイズコロナの今は家族の在宅時間が長いので、気が散るようであれば、食卓ではなく、リビングの隅など子どもだけのスペースを作ってあげると、子どもだけでなく家族のメンバーも快適に過ごせるのではないでしょうか。
リビング学習の注意点
- リビング学習では以下のような点に注意しましょう。
- テレビやラジオは消す
- 勉強に適した照明の工夫をする
- 足がブラブラしていると集中できないので足置き台などで椅子を勉強できる高さに調節する
- 整理整頓を徹底して行えるように、子どもと話し合い、ルールを決める
リビング、散らかっていませんか?
確かにリビングは居心地がいいですよね。とはいえ、リビングが散らかると、突然の来客などに戸惑うこともあります。
子どもたちは園や学校から様々なプリント類をもらってきますが、読者の皆さんのお宅では、どのように整頓していますか?
そこで子どもと相談しながら次のような工夫をしてみてはどうでしょうか。
カラーボックスとファイルボックス
子どもたちにカラーボックスを一つずつと、ファイルボックスを二つずつ用意しましょう。
カラーボックスには各自の文房具品、本、園バッグ、スクールバッグなどを自分で収納してもらいます。
プリント類は、園児なら親が仕分けをする必要がありますが、小学生なら自分用と保護者用に別けることができるので、それぞれをファイルボックスに納めます。
カラーボックスと自分用ファイルボックスの置き場所は、子ども部屋があればそこへ、なければリビングの隅っこに作った子どもスペースに置きましょう。
保護者用ファイルボックスは、ママやパパが一番便利な場所に置くといいですね。そして、不要になったプリント類は、その都度処分するようにすると、整頓がつきます。
さいごに
以上、子どもの勉強場所についてお伝えしました。
一時期、リビング学習という言葉が頻繁に話題に上りました。「東大生の多くがリビングで勉強していた」と聞かれた読者も多いことでしょう。
東大生にはリビング学習経験者が多かったから、リビング学習をすればかしこくなるというのは勘違いですね。
小学校低学年の子どもが過ごす環境でもっとも大切なのは、「安心感」です。家族がそばにいることで心が安定し、勉強や遊びに集中して取り組むことができます。
とはいえ、リビング学習をしていた子どもも、小学校高学年や中学生になると、自分の部屋で静かに勉強したがるかもしれません。
いつまでリビング学習をさせるかは、年齢ではなく子どもの性格や好みに合わせ、柔軟に判断しましょう。
このように、子ども部屋でもリビングでも、子どもが安心して過ごせる場であれば、どちらでも使い分ければよいのですが、ウイズコロナの今、子どもだけでなく親の居心地も考慮しなくてはなりません。
四六時中テーブルの上が散らかっていたり、常に子どもが動き回っていたり、話しかけてくると、親の方が精神的に疲れてきます。
家族間で適度なスペースを保ち、ルールを決めて整理整頓をすることも重要ですね。是非、子どもと相談して、カラーボックスとファイルボックス利用を始めてみませんか?