木育の効果とは?木や森は子どもの感性を研き、生きる力を育む
木育とは?
木と森と人間の良いかかわりを体験し、自然環境を守ることの大切さを伝えることを「木育」と言います。子どもたちが木の玩具で遊ぶだけでなく、大人と一緒に森に散歩に出かけることも立派な木育です。筆者は森林浴が大好きで、森を歩くと、思わず深呼吸をして、気分が良くなります。
なぜでしょうか?
これまでは明確な科学的な根拠は出ていませんでした。しかし、最近の研究では、リラックス効果が実証され、ガン細胞を防ぐナチュラルキラー細胞が増えるという科学的証拠が出てきています。(参考:(独)森林総合研究所の調査結果)
森林浴の効果
森林に入ると独特のにおいが漂いますね。”フィトンチッド”と言う、森林から発散されている成分のにおいです。人がこのフィットチッドを感知すると、精神が落ち着き、疲労回復に役立つという効果があります。
また、森の中にある小川や滝のしぶきなどにはマイナスイオンが満ち満ちています。
木々の枝や葉のざわめきは「1/fゆらぎ」を持っているので気持ちが安らぐと言われます。1/fゆらぎとは、「規則性の中の不規則性」と説明され、小川のせせらぎ、心拍や呼吸のリズム、打ち寄せる波、枝が触れ合う様など、自然界によくみられる現象です。
木育の楽しみ方
私たちには五感が備わっています。その五感すべてに木や森は作用します。森の中で、子どもたちの耳、目、鼻、手足、舌は何を感じるか想像してみてください。
風や木々のざわめきを聞き、森に咲く草花や芽吹きをとらえ、森や草のにおいを存分に楽しませましょう。
森の中では、是非、裸足になってみたり、寝ころんで見ると、子どもたちは体全体で森を感じ、生きる根幹となる力を身につけます。
子どもたちが森の中で体験する五感の刺激について、詳しくご紹介しましょう。
見る
子どもたちは四季ごとに変わる樹々(芽吹き、葉の色の変化、紅葉、落葉)を見たり、ドングリや木の実を見つけてくるでしょう。大人も子どもの低い目線になって一緒に探してみましょう。それは、タヌキやウサギなど小動物の目線でもありますね。けもの道が見つかるかもしれません。
聴く
森の中で、子どもたちに目を閉じるよう、提案してみましょう。静かな森の中で、耳をすませば、木立の葉が風に揺れる音や水の流れる音、小鳥のさえずりなどが聞こえてきます。
嗅ぐ
森の中で深呼吸して、新鮮な木の香りを嗅いでみましょう。山ゆずのように、山の植物には香りの強いものが多いです。
触る
ふわふわのススキを触ったり、チクチクのヒイラギの葉っぱを触ってみましょう。そして裸足になって、地面を歩いてみましょう。手の先や足の裏で地面や木の幹、葉を触ってみたら、次は森に寝っ転がってみましょう。巨木に抱きつくのもいいですね。
味わう
そして、最後は味覚。森には野イチゴや山ブドウなど、子どもも口にできる実がたくさんなっています。でも、子どもが口に入れる前に、お母さんが必ずチェックしてあげてくださいね。
さいごに
ここでは、山歩きともハイキングとも違う、森の楽しみ方について、お伝えしました。
「森林浴」は、“Forest Bathing”として、海外でも話題になっていて、“SHINRIN-YOKU”という単語まで見かけます。今では、森林浴が私たちにもたらす効果が科学的に実証され、「森林セラピ」として世界中に紹介されています。森の力、森のぬくもりと言った健康な環境で私たちを癒してくれる木々とのふれあい、子どもたちと早速始めませんか?