「子育ての悩みを聞いてもらいたい」地域子育て支援センターってどういう所?
子育てにおいて孤立感を感じるか?
厚生労働省の出した情報によると、「子育てにおいて孤立感を感じるか?」という問いに対し、次のような回答が寄せられています。
【母親(専業主婦)】
53.5%(よくある・14.4%、ときどきある・39.1%)
【母親(パート)】
48.9%(よくある・11.0%、ときどきある・37.9%)
【母親(共働き)】
46.6%(よくある・9.3%、ときどきある・37.3%)
【父親】
19.8%(よくある・3.2%、ときどきある・16.6%)
「よくある・ときどきある」と答えた人は、半数以上に上っています。女性の方が、子育てにおける孤立感や孤独感を多く感じていますね。特に専業主婦は社会的なつながりを持ちにくい立場です。
財団法人子ども未来財団の資料を基にまとめられた厚生労働省の資料(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1029-11c_0002.pdf)には、母親が孤立感を解消するために求められることとして、次のような回答がありました。
- 育児から解放されて気分転換する時間:54.2%
- 話したいときに話せる相手(メール・チャットなども含む):48.8%
- 子育てについて相談できる相手:41.6%
- パートナーが子育てにもっと時間をとって実際に関わるようになれば:40.6%
- パートナーが子育ての喜びや大変さ、自分の孤独感を受け止め、共感してくれれば:37.6%
- 仕事や自分のしたいことができれば:36.3%
- 子連れでも行ける場所が増える社会になれば:36.1%
- 子育てがうまくいけば:26.6%
- 子育ての苦労を周りの人が理解してくれれば:21.8%
参考:地域子育て支援拠点事業実施状況 平成29年度実施状況|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/kyoten_kasho_31.pdf)
アンケート結果から、育児から解放されて気分転換する時間や相談したり、気軽に話せる相手、バートナーの子育ての関わりが孤立感を解消するために求められていることがわかります。
コロナの影響でリモートワーク・テレワークが増えたことで、パートナーからの協力が少しは改善されたでしょうか?
地域子育て支援センターとは?
地域子育て支援センターとは、厚生労働省がすすめている「地域子育て支援拠点事業」の一つです。
地域で子育て家庭を支え、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供しています。
自治体が保育所を指定して実施していたり、医療施設に経営を委託するなどして、公共の施設や個人宅を利用して運営されています。
子育て支援センターでは何ができるの?
子育て支援センターでは、主に乳幼児とその保護者が、他の親子と交流したり、育児についての相談をしたり、情報を交換しあったり、講演会の開催など、さまざまな子育てのサポートを受けることができます。具体的に例を挙げてみましょう。
1.子育て中の親子の交流の場の提供
子育て中の親子が、気軽に自由に交流を深める取り込みを実施しています。
- 折り紙・土遊びなど遊具・玩具を使った遊び
- 絵本読み聞かせ
- 音楽リズムの会
- 赤ちゃんのふれあい遊びの会
- 図書館職員によるおはなし会
- 動植物とのふれあい
- リトミック
- 園芸
2.育児相談ができる
保育士や看護師、嘱託医などの専門家が、利用者一人一人の育児データに基づいた面談や発達相談、子育て全般に関する不安や悩みの相談に乗ってくれます。
診察はありませんが、医療系の悩みを相談することもでき、近隣の医療機関を紹介してくれたりします。
- 離乳食など、栄養全般に関する栄養士相談
- 育児全般に関する看護師相談
- 病気や感染症、発育に関する嘱託医相談
- 出産に関する助産師相談
3.地域の子育て関連情報の提供
子育て中の親子が必要とする身近な地域の様々な育児や子育てに関する情報の提供をしています。
- 地域行事
- 出張子育て支援
- 子育て通信による育児情報の発信
4.子育ておよび子育て支援に関する講習などの実施
子育て中の親子や、将来、子育て支援に関わるスタッフとして活動することを希望する人を対象にした講習などを実施しています。
- プレパパママ向けのセミナー
- 子育て教室
子育て支援センターのメリット
次に、乳幼児を持つママが子育て支援センターを活用することのメリットをまとめてみましょう。
- 子育ての悩みを聞いてもらえる
- 保育士や看護師が常駐していて、専門家の指導が受けられる
- 家ではできない遊びができる
- 天候を気にせず遊べる
- 子供同士の交流ができる
- ママ友と知り合える
子どもの一時預かりがあったり、高齢者など世代の違う人との交流や伝統文化行事の実施等があったり、地域や子育て支援センターによって具体的な取り組み内容は違ってきますので、近くのセンターか自治体の担当窓口でお確かめください。
子育て支援センターを利用するには?
利用できる年齢は、基本的に0歳から未就学児までで、ほとんどの子育て支援センターでは利用料金がかかりません。ただし、初回利用時に登録が必要なセンターもあるので、事前に確認しておきましょう。
近所に子育て支援センターがない時には子育てサロン(ひろば)へ
近所に子育て支援センターがない時は、近くの「子育てサロン」を探してみましょう。子育てサロンとは、子育て支援センターと同様に、厚生労働省がすすめる「地域子育て支援拠点事業」の一つです。
活動内容は主に情報の交換や、子育て相談などで、気軽に参加しやすいのが特徴です。また、集会所や個人宅などに出張を行っているケースもあるようです。コロナ禍の中でも、オンライン広場を提供している所もあります。
さいごに
保育における子どもの発達支援にかかわる相談活動全般を”保育相談支援”といい、近年その必要性が高まっています。
その背景には、女性の社会進出や核家族の増加、子どもの預け先の問題をはじめ、育児の相談相手が身近にいないことによる育児不安の増加など、子育てに関するさまざまな問題が増えている現実があります。
この記事では、主に乳幼児を対象とする支援のご紹介をしましたが、幼稚園や保育園での保護者支援や、インターネット上の相談支援もありますので、一人で育児の悩みを抱え込まず、気軽に相談してみてください。
コロナで休園になった状況下でも、遊びのオンライン発信や、「オンライン相談室」で専門家による相談受付をしている子ども園もあることを知り、大変頼もしく思いました。
「大変なのは自分だけではない」ということを覚えておきましょう。乳幼児の子どもと二人きりの毎日に行き詰まったら、悩みを一人で考え込んでしまう前に、気軽に地域子育て支援センターや子育て支援センターに足を運んでみてください。