子どもが朝なかなか起きない!その原因やスムーズに目覚めさせる方法は?
まずは確認!子どもの睡眠時間、足りている?
朝起きられない原因は、単純に睡眠時間が足りていないから。そんなケースも少なくないようです。まずは、子どもの睡眠時間がしっかり確保できているかどうかを確認してみましょう。
幼児から小学校低学年の子どもなら、確保しておきたい夜の睡眠時間は10時間。ベストな睡眠時間には個人差があるので、9~11時間と考えるといいでしょう。
ちなみに、この時間は夜間だけの睡眠時間。昼寝をしているからといって、「合算して10時間前後寝ているから大丈夫!」というわけではありません。昼寝は含めず、夜だけで10時間前後の睡眠が必要です。
10時間前後の睡眠時間が確保できていないなら、朝起きれないのも無理はありません。朝7時に起きる場合、10時間の睡眠を確保するためには、夜9時に寝る必要があります。
「毎日夜10時以降に寝ている」という場合は、就寝時間を早めるようにしましょう。
睡眠時間は十分!なのに起きられないのは睡眠の質が悪いのかも
深い眠りで心との疲れをしっかりリセットできていれば、朝すっきり目覚めることができるはず。睡眠時間はしっかり確保できている、なのに朝起きられない…!
その場合は、睡眠の質が悪い可能性もあるかもしれません。
子どもが熟睡できず夜中に何度も起きる、なんてことはないですか?睡眠の質が悪くなる原因をいくつか見ていきましょう。
原因1:夜ごはんの時間が遅い
食事を消化するのにかかる時間は、3時間程度。寝るまでに消化しきれていないと、寝ているのに胃腸が活動しているため、熟睡できません。寝る時間の3時間前には食事を終えているのが理想的です。
原因2:寝る前にパソコンやスマホを見る
パソコンやスマホのブルーライトは、脳を覚醒させます。そのため、深い眠りに必要となるメラトニンの分泌が抑制されてしまい、眠りが浅くなるという側面が。
寝る1~2時間前にはスマホやテレビ、パソコンなどの液晶画面から目を離し、リラックスする時間にしましょう。
本を読んだり1日の話を聞いたりと、親子のコミュニケーションの時間に充てるのがおすすめです。
原因3:毎日寝る時間が異なる
1日の体内リズムも、睡眠の質に影響を及ぼします。
ベストは眠りにつく時間と起きる時間がいつも同じくらいの時刻で、なおかつ1度寝たら朝まで起きないこと。体内リズムが乱れてしまうと、夜中に何度も目が覚めてしまうなど、質の良い睡眠時間となりません。
平日も休みの日も寝る時間と起きる時間を一定にしておき、体内リズムを整えましょう。
朝すっきり起きるためのコツ
睡眠時間の確保はもちろんのこと、朝すっきり起きるためには、どのような工夫ができるのでしょうか。試して欲しいコツをご紹介します。
早起き・早寝を意識する
よく耳にするのは「早寝早起き」という語順。しかし、おすすめなのは、「早起き早寝」です。徹底するためのポイントは、無理にでも朝早起きにすること。
頑張って早起きした日は自然と早く眠たくなるため、早起き早寝のサイクルを作ることができます。
「早く起きるために早く寝なさい」というのではなく、とにかく早く起きることに重点を置き、早起き早寝の習慣をつけていきましょう。
まずはカーテンを開け太陽の光を取り込む
体内時間の調整には、太陽の光を浴びるのがベストです。睡眠の状態から起床の状態へ、体と心を切り替えてくれる効果があります。
寝る場所は太陽光が差し込みやすい東の方角がおすすめです。あえて遮光カーテンをやめ、自然と朝の光が差し込むようにしておくのもいいかもしれません。
雨やくもりの日は、部屋の電気をつけて明るくしてあげると、目覚めやすくなるでしょう。
子どもの好きな音楽を流す
目覚ましの音で起きない子どもには、音楽を流すのもひとつの方法。音楽は心や体を刺激する効果もあります。子どもの好きな音楽を流せば、ご機嫌で起きてくれる可能性も。
アップテンポな曲がおすすめです。「この音楽が聞こえたら朝!」という意識づけができれば、音楽が鳴る=自然と深い眠りから浅い眠りになり、目が覚めるきっかけにできるかもしれません。
子どもの好きな食べ物を用意する
朝の楽しみを作り、気持ち良く起きてもらうのもいいでしょう。「朝は必ずデザートが食べられる」「朝ごはんに子どもの好きなメニューを一品入れる」など、朝の楽しみを作ることで、サッと目覚められるかもしれません。
成長期の子どもにとって、朝ご飯は重要なエネルギー源。元気いっぱい活動してもらうためにも、朝ごはんは不可欠です。朝の目覚めも良くなり、さらに朝ごはんもしっかり食べてくれるなら、これ以上のことはありません。
ごはんでつられない子どもなら、朝限られた時間だけテレビが見られる、早起きできたらシールが貼れるなど、朝に何かひとつ楽しみを作るのが効果的。子どもに有効なご褒美を用意しましょう。
グダグダしてしまうときは甘えさせてあげるのも〇
朝起きて子どもが不機嫌……ということもありますよね。そういった場合、自分の気持ちを分かってもらいたいというのが根底にある理由。そのため、叱ったり怒ったりするのは逆効果です。
本当に時間が厳しいときは難しいかもしれませんが、「まだ眠いね」「一緒に5分だけごろんとしようか」など、子どもの気持ちに寄り添ってみるのもひとつの方法。気持ちを理解してくれたことに満足して、スムーズにその後の準備に進めるかもしれません。
朝起きれない理由が病気ということもある!
朝起きられないのは、もしかすると病気が原因の場合もあります。どんな病気なのか、詳しく確認していきましょう。
朝起きられない原因は起立性調節障害の可能性も
朝起きられない原因は、起立性調節障害という可能性もあります。起立性調節障害とは、自律神経の調節が上手くいかない病気。発症率が高いのは、小学校高学年~中学生の思春期と言われており、健康な子どもであっても発症する可能性があります。朝どうしても起きられないため、不登校につながってしまうケースも少なくないようです。
自律神経は交感神経と副交感神経がバランス良く働くことで、心拍や呼吸数が一定に保たれるのですが、起立性調節障害の場合、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできません。
そのため、朝起きようとすると立ちくらみや動機、頭痛などの症状が出て、どうにか起きたとしても、全身がだるく食欲もないといった状態になります。
こんな症状があれば起立性調節障害かも!
起立性調節障害のチェック項目をみてみましょう。
- 立ちくらみやめまいがある
- 立ち上がったときに気分が悪くなることがある
- 入浴時に気分が悪くなることがある
- 動機や息切れがある
- 朝なかなか起きられない
- 顔色が悪い
- 食欲がない
- 体がだるい
- 頭痛がある
- 乗り物酔いしやすい
上記のチェック項目のうち、3つ以上該当し、他の病気の可能性がないのであれば、起立性調節障害かもしれません。
対処方法は?
病気が原因だった場合、気合で何とかなるわけではありません。上記のチェック項目で該当するようであれば、まずはかかりつけの小児科に相談することから始めましょう。
起立性調節障害を専門としている医師を紹介してもらえることもあります。起立性調節障害と診断されれば、生活指導や内服薬の処方で症状を和らげていくこととなるでしょう。病気とはいえ怠けのように感じてしまうパパママもいるかもしれませんが、それは間違い。朝起きられなくて一番辛いのは本人なので、パパママは病気を理解し、寄り添ってあげることが大切です。
さいごに
朝の目覚めは、1日の最初のステップ。まずは十分な睡眠時間と質の良い眠りのために、1日のタイムスケジュールを見直してみることからスタートです。さらに、すっきり目覚めるためのコツを加えて、新学期からの生活に備えましょう。