他の子どもと比べてない?親が子どもを「比べる病」!もたらす影響とは?
こんなときに他の子どもと比べてしまう
他の子と比べてはいけないとわかっているのに、気づいたら友達の赤ちゃんや、親戚の子どもと比べている自分に気づく。これは、どんなお母さんでも一度は経験があるのではないでしょうか。まずは、世のお母さんたちがよくやってしまいがちなケースから見ていきましょう。
ケース1.同じ月齢の子と比べてしまう
我が子の成長具合が気になり、どれくらいの成長が標準なのか、とインターネットで検索してしまうことはよくありますよね。生後6カ月の子はどんなことができるのか、1歳6カ月になるとどれくらいおしゃべりできるのか…。子どもがどんな風に成長するのかを期待する半面、「あれ?うちの子はまだできていないな?」「あの子はもうできているのに、我が子の発達は遅れているのかな?」と不安になってしまいネットサーフィンが止まらない!という経験があるお母さんもいるはずです。近くに同じ月齢の子がいれば、なおさらその子と比べてしまうでしょう。
ケース2.公園に来た他の子と比べてしまう
1歳をすぎ歩けるようになると、近所の公園に遊びに行く機会も増え、公園で会ったお友達と一緒に遊ぶことも多くなります。公園では、滑り台を繰り返しする子や、追いかけっこが好きな子、ひたすら砂場遊びに熱中する子、と遊び方はさまざまです。そんな公園遊びでも、「あの子はちゃんとみんなにニコニコできるのに」「うちの子だけ落ち着きがない」など、ついつい気になって比べてしまうお母さんは多いようです。
ケース3.兄弟と比べてしまう
2人目、3人目の子どもになると、1人目の子どもと成長を比べてしまうこともよくあるケースです。思えば、「1人目の出産は意外とスムーズだったけど、2人目はなかなか出てきてくれなかった!」と出産直後から比べてしまっているというママもいるはず。そして母子手帳を見ながら、お兄ちゃんより体が小さい、おしゃべりが早い、歩き始めるのが遅い、なんて比べた経験があるという方は多いのではないでしょうか。
ケース4.SNS上の他のだれかと比べてしまう
今や子育て世代の情報源の1つでもある、TwitterやInstagramなどのSNSツール。月齢などのキーワードを入力して検索すれば、同じ学年の子どもや同じような境遇の子ども、さらに同じ悩みを抱える親も簡単に見つけられます。SNSはコミュニケーションツールですが、その投稿を見て我が子と比べてしまうということも多いケースです。知らないだれかの「今日は○○ができるようになりました」「塾で良い成績をもらって帰りました!」といった投稿を見ては、「どうして自分の子どもだけ…」と感じて悩む親も多いのです。
ついついやってしまう「比べる病」子どもへの影響は?
さて、ここまでよくある子どもを比べてしまうケースについて紹介していきました。ついつい誰もがやってしまうことですが、頻繁に比べてしまうと子どもに良くない影響が出てしまいます。過度な「比べる病」が子どもにもたらす影響についてまとめました。
自己肯定感が持てなくなる
比べるだけでなく、「どうしてあなただけできないの!?みんなきちんとできてるでしょう!」「お兄ちゃんはちゃんとできているでしょう。見習いなさい!」と叱ってはいませんか?子どもは自分が他の誰かと比べられていることに気づくと、自分でも比較するようになってしまいます。そして、「自分はダメな子なんだ」と感じてしまい、自分を否定してしまうように。これが連続すると、自分に自信がなくなり、自己肯定感が持てなくなってしまいます。
子ども同士の仲が悪くなる
人と比べられることが続くと、自分と比較対象になっている子どもを恨んでしまう心が芽生えることもあります。「この子がいなければ自分は比べられないのに」「パパやママは、自分よりあの子のほうが好きなんだ」と思って、その子と距離を置いてしまったり、不仲になってしまったりもします。実際に、兄弟間で過度に比べられて、思春期を迎えて以降、口をきかなくなってしまったというケースもあります。
人と比較することが幸せと感じる大人になってしまう
常日頃、人と比べられていると、人と比較して評価されることが幸せと感じ、それ以外では幸福を感じられなくなってしまいます。自分が優位に立っているうちはいいかもしれません。しかし、人よりもできないことが多いと感じると、劣等感ばかりを感じてしまう大人になる可能性があります。
比べることによる親への悪影響
比べることは、どんな親でもしてしまうことです。ですが、それが習慣になってしまうと、自分の子どもより優れている子が羨ましく思え、子どもの劣っている点ばかり目に付くようになってしまいます。そして、我が子が「できない子」「劣等生」に見えてしまうのです。毎日、「どうしてうちの子だけができないの?」というストレスを抱え続けていると、次第に苛立ちに変わり、その想いを我が子に分かってほしいと思いが生まれ、直接気持ちをぶつけて叱ることになってしまいます。人と比べて我が子を叱ることは、子どもに大きなストレスを与えるだけでなく、親自信の大きな自己嫌悪にもつながるのです。
比べる病をしないために心掛けたいこと
人と比べることをやめれば、将来の子どもへの影響を心配することもなくなりますし、親も子もストレスから解放されますよね。では、人と比べることをやめるためにはどうしたらいいのでしょうか。我が子を人と比べないために、日頃から心がけたいことをまとめました。
1.比較対象は他人ではなく過去の本人と比べよう
人と比べていることに気づいたら、過去のその子自身に目を向けましょう。子どもは、毎日成長をしています。今日できなかったことも、明日、明後日になればできるようになっているのが子どもなのです。半年前や1年前の子どもと比べれば、たくさんできるようになったことがあるはず。下の子の面倒を見てくれるようになった!気づいたら率先してお手伝いをしてくれるようになった!嫌いだった○○を食べられるようになった!など、ささいなことから子どもの大きな成長を感じられることは多いものです。他人ではなく、以前の子ども本人と比較して成長過程を感じられれば、比べてしまうという悪習慣から抜け出せるきっかけになります。さらに、親から成長を褒められて、子ども本人が自分自身の成長に目を向けることで、大きな自信と自己肯定感を抱くことにもつながるのです。
2.絶対評価したうえで褒める
子どもにはそれぞれその子の性質があります。どんなに優れた子どもでも、不得意なことやできないことがあるのは当たり前です。それでもその子の“できない”を改善したい場合には、「私はあなたが大好き。生まれてきてくれて本当に幸せ!」とその子の価値を絶対評価しながら、「ここを直したらもっと素敵だよ!」といった声かけをするとよいでしょう。そして、過去の子どもに目を向けて「この間はできなかったのにできるようになったね!やったね!」とできるようになった喜びを子どもと一緒に分かち合いましょう。そうすれば、次のステップも自然にやる気をもって頑張れる子どもへと成長できるはずです。
3.広い視野と大きな心を持つ
我が子を他人と比べるとき、日常にあるささいなことを気にして比較してしまってはいませんか。子どもにとってできないことの大半は、大人になれば自然にできてしまうことばかりです。昔は、無事に育ってくれたら、結婚して家を継いでくれたら、と、望むことも現代に比べて少なかったものです。これからずっと続くであろうその子の人生に目をやれば、比較していたほとんどのことが本当に小さなことばかりだったことに気づくはずです。広い視野と大きな心をもって子どもと向き合えば、子どもを比べることがいかに不要で無駄なストレスだったか、ということに気付けるでしょう。
4.できないことも個性の1つとして受け入れる
親は、ついついできる子のデフォルトを作ってそれを目指してしまいがちです。いつも笑顔で親の言うことをよく聞いて、勉強もスポーツもなんでもできる子、なんてこの世にはいないのではないでしょうか。親の言うことに意見するのは、親の言うことをきちんと理解したうえで自分の意見を言えるから。勉強は得意ではないけど、スポーツが得意でリーダーシップが取れる。体を動かすのは不得意だけど、相手の動きを観察して、戦略を立てることができる…など、不得意なことがあるからこそ得意なことに磨きがかかり、その子らしさが際立ってくるものです。できないことを個性と受け入れ、できることに注目すれば、子どもの得意分野を伸ばして自信をつけてあげられるでしょう。
さいごに
子どもを他の子や兄弟と比べることをやめれば、子どもへの弊害を避けるだけでなく、親の子育てのストレスも減るはずです。まずは、お子さんのありのままを受け入れ、その子の好きなことやできることに目を向けてみませんか。自分を受け入れてもらい、褒められればお子さんの自信にもつながりますよ。これをきっかけに比べることをできるだけやめて、のびのびと子育てを楽しんでください。