ごっこ遊びがもたらす効果とは?年齢別に楽しめる特徴についても紹介
ごっこ遊びとはどんなもの?発達に影響あり
ごっこ遊びは、何かの真似をしたり、なりきったりする遊びで、2歳前後から始まります。3歳ごろになると、絵本やアニメなどから想像して役になりきったり、4~5歳ごろになると、お友達と一緒におままごとやヒーローごっこをしたりと、遊びの中でなりきる役が増えていきます。ごっこ遊びをすることで、周囲との共通のルールや社会性が身につく、コミュニケーション能力が発達するなどの効果があり、子どもの発達を促すでしょう。
ごっこ遊びで身につく能力とは?ねらいについて
ごっこ遊びが子どもに与える影響について、詳しくみていきましょう。
コミュニケーション能力や社会性が養われる
ごっこ遊びをすることで、コミュニケーション能力や社会性が身につきます。たとえば、「お店屋さんごっこ」や「お医者さんごっこ」などの遊びを通して、社会活動を疑似体験することは、日常生活でのコミュニケーション能力などを身につけるチャンスといえるでしょう。
また、ごっこ遊びをする際は、友達同士などでイメージを膨らませて、自分の思い描いているものを他人に伝える場面があります。相手の気持ちを考えたり、気持ちを理解したり、意見が合わないときの解決策などを考えて伝えることで、コミュニケーション能力も自然と身につきます。言葉だけではなく、相手の表情・しぐさなど、状況を読み取ることも必要になるため、コミュニケーション能力を高め、社会性を養えるでしょう。
言語能力の発達が促される
ごっこ遊びをするときは、店員さんやアニメのキャラクターなど自分と違う役割を演じるため、普段使わない言葉が自然に口から出てきます。そうすることで語彙力がアップし、言語能力が発達していくでしょう。友達同士で楽しむときには、自分の考えを相手に伝えるために、言葉の選択や言い方なども選んで伝える必要があるため、子どもはごっこ遊びの中で人に理解してもらえる言い方や言葉の選択肢を広げられるのです。
心の発達や記憶力・想像力の向上も図れる
ごっこ遊びは、想像力を働かせて、自分以外の何かになるので、他人の状況や気持ちを考えるスキルが必要になります。想像力を働かせて、人の心の動きや違いがあることを理解し、人がされて嫌なことや嬉しいことに気づけるきっかけになり、一緒に遊ぶ友達の気持ちを思いやることで心の発達にもつながります。ごっこ遊びをするためには、以前見たり聞いたりしてきた記憶をたどって再現することも必要になるので、記憶力も養われますよ。
年齢別ごっこ遊びの特徴!何歳から楽しめるの
ごっこ遊びを年齢別にどのように楽しめるのかご紹介します。年齢別に適したごっこ遊びをパパやママが知っておくことで、子どもの発達をサポートできるので、参考にしてくださいね。年齢別の特徴や、具体例も紹介していきましょう。
2歳前後のごっこ遊びの特徴とは?
2歳前後のごっこ遊びは、生活再現遊びといって、日々の生活で見聞きしたものを再現することが多いでしょう。おもちゃの電話などを持って「もしもし」と電話をする真似をしたり、絵本の中の料理を食べる真似をしたりする様子がこのころ見受けられます。カバンを持ってお出かけするふりをしたりする、再現遊びがこのころに見受けられます。生活再現遊びが発展すると、犬や猫などの動物、救急車・パトカーなどの乗り物などになったつもりになって遊ぶ「つもり遊び」もするようになるでしょう。ぬいぐるみなどにご飯をあげる真似をしたり可愛がったりする「見立て遊び」で遊ぶこともありますよ。
3歳前後のごっこ遊びの特徴とは?
3歳前後では、想像力やイメージする力が育ってきているので、より本格的にごっこ遊びを楽しむのが特徴です。子どもがパパやママになりきったり、アニメやヒーローになりきってポーズを決めたりといったこともあります。なりきるだけではなく、オリジナルストーリーのごっこ遊びを行うこともあるでしょう。このころはまだ友達と役割を共有して遊ぶことが難しいため、同じ空間にいても一人一人がごっこ遊びを楽しんでいるという状況になりがちです。
4歳前後のごっこ遊びの特徴
4歳前後では言語能力がかなり発達し、周囲の友達とも意思の疎通ができるようになっているため、集団でのごっこ遊びを楽しめます。1人で遊んでいたころに比べて、友達とルールを決めながら遊べるようになっているでしょう。同時に、子ども自身の自我が芽生え、互いの意思がはっきりすることにより対立が起きることもあります。友達の気持ちを考えたり、解決策を考えたりする力が身につくので、パパやママは口出しせずに静かに見守り、困ったときは仲介に入るなどの手助けをしてあげましょう。
5歳前後のごっこ遊びの特徴
5歳前後は、手先がかなり器用になるころです。ダンボールや画用紙などの身の回りの物を使って、ごっこ遊びの道具を作るのこともおすすめです。パパやママがサポートすることで、子どもは道具の適切な使い方を学ぶこともできますよ。
ごっこ遊びの事例や種類
ごっこ遊びにはどんなものがあるのでしょうか。子どもの数だけごっこ遊びの種類はありますが、代表的な事例をみていきましょう。
【おままごと】日常を切り取るごっこ遊びの定番!
ごっこ遊びの初期に行われる代表的なものが、日々の家庭内での生活を真似る「おままごと」です。おままごとといえば、パパになりきって料理をしたり、ママになりきって出かけたりと家族の日常を切り取ったようなシーンが浮かぶことでしょう。おままごとを通じて、「料理は女の子、仕事は男の子」といった古いイメージを覆し、これからの時代にあった価値観を教えていけます。
【ヒーローごっこ】好きなアニメになりきり!
子どもは、好きなアニメのヒーローになりきって、戦いや変身などを楽しむことが多いでしょう。自分の世界観を楽しめるヒーローごっこは、発想力が広がります。ヒーローの真似をするだけではなく、劇遊びのようにストーリーや役の設定をパパやママが軽く作る手助けをしてあげると、子どもの柔軟な発想力からどんどん想像の世界が広がっていくかもしれませんね。保育園や幼稚園などの、お遊戯会や演劇の練習にもつながりますよ。
【お店屋さんごっこ】いつもいくあのお店の真似っこ
お店屋さんごっこは、お客さんと店員さんになりきって、買い物を楽しむところを再現するごっこ遊びです。よく行くスーパーなどの再現をすると、子どもが観察したり、店員さんの気持ちになったりするきっかけになるでしょう。店員さん側だと、商品を並べたり会計したり、お客さん側だと、商品を選んで財布からお金を出して買うなどの日常動作の体験ができます。大好きなパパやママがしている動作は、子どもにとっては新鮮で楽しいでしょう。
子どもがごっこ遊びを最大限楽しむためにパパママができること
子どもが、ごっこ遊びを楽しむためにパパやママは一体何ができるのでしょうか。ここでは、子どもが最大限ごっこ遊びを楽しむために、親ができるサポート方法を伝授します。
ごっこ遊びをする環境を整える
ごっこ遊びをするための環境を整えるのが大切です。お店屋さんごっこなら、商品になりそうなものを手づくりしたり、レジに見立てたものを準備したり、お金を紙で作ったりと作成から子どもすると、親子で楽しめますよ。
子どもの世界観に入り込む
子どもの描いている世界観に入り込むことが最も重要なポイントです。子どもは、アドリブを楽しみ、イメージを膨らませながら遊びます。その世界観を壊さないようにしながら、ストーリーを発展できるようにパパやママがサポートしてあげてくださいね。
さまざまな体験をさせてあげる
いろんな体験をさせてあげることで、子どもの中の発想力は広がるでしょう。例えば、電車に乗ったり、キャンプに行ったりすることで、臨場感をもってその人の立場や気持ちを感じられるので、ごっこ遊びのネタには最適ですよ。
さいごに
ごっこ遊びには、社会性やコミュニケーション能力など、他にもさまざまな発達を促してくれる効果があります。ごっこ遊びをするための環境を整えるところから、子どもと一緒に行えば、ハサミやのりなどの道具の使い方を覚えられるいいチャンスになるかもしれませんね。また、さまざまな体験をさせてあげることも、子どもにとっていい刺激につながります。年齢や子どもの発達にあわせたごっこ遊びについて正しく理解して、親も楽しみながら子どもサポートしてあげましょう。