夫婦の会話は子どもへどんな影響を与える?親が気を付けること
子どもは夫婦の会話をしっかり聞いている
いつも何気なくしている夫婦での会話。実は親たちの会話を子どもはしっかり聞いています。そして、子どもは無意識に親たちの会話から多くのことを学んで、学んだことは子どもの人間関係に反映されているのです。大人はまだ子どもが小さいうちは、何を話しているのか理解できないだろうと思うこともあるでしょう。確かに、言葉そのものの意味は理解できていないかもしれませんが、会話をしている親たちの表情や言葉の響き、会話の仕方を日々吸収し覚えているのです。
夫婦の会話は子どもにどのような影響を与えるのか?
ここからは、夫婦の会話が子どもにどのような影響を与えるのかご紹介します。
相手を思いやる気持ちや尊重することの大切さを学ぶ
日ごろから夫婦で「ありがとう」や「○○しようか?」と相手を思いやる会話をしていると、子どもも自然と相手を思いやることができるようになります。ときには、夫婦喧嘩をすることもあるかもしれませんが、その際は仲直りをするところまで子どもに見せてあげましょう。子どもは親が仲直りをする過程を見て、喧嘩をした後の解決方法を学んでいます。夫婦喧嘩をしているところを子どもに見せるのはあまりよくありませんが、仲直りする過程を見せ、お互いに理解し合えた姿を見せることが大切なのです。
また、意見や考え方が違ってぶつかることがあっても、話し合い相手の意見を尊重しつつ、納得のいく解決策を探している姿を見せましょう。そのような親の姿を見ることで、子どもは相手を尊重する大切さやコミュニケーションの方法を学びます。
夫婦で明るい会話をしていると子どもの情緒が安定する
夫婦の仲がいいことは、子どもにとって嬉しいものです。感謝の言葉を伝えたり、お互いを認め合ったりしている姿を見ると、子どもはリラックスできます。お互いの不満から暗い会話をしてしまうケースも多いため、生活スタイルや家事分担などを見直して、明るい会話ができるような家庭環境を作ることが大切なのです。
子どものコミュニケーション能力にも影響する
子どものコミュニケーション能力にも、夫婦の会話が影響している場合が多いです。ママとパパが楽しそうに会話をしていたり、挨拶の大切さを教えられたりなど小さいころから人と楽しく触れ合えた子どもは、コミュニケーション能力が自然と身につくのです。まずは、夫婦で楽しく会話をしている姿を見せ、人と接する楽しさを教えてあげましょう。
夫婦での会話で気をつけたいこと
夫婦の会話が子どもに大きな影響を与えることがわかりました。ここからは、どのような会話をすれば、子どもにいい影響を与えられるのかご紹介します。
相手を認める会話をしよう
日ごろの不満が溜まっていると、冷たい対応をしてしまう方も多いかもしれませんが、相手の言動を前向きに受け止め、相手を認める会話をするようにしましょう。
例えば「仕事で疲れた」という夫に対して、「育児はしていないのに」と思うこともあるかもしれません。しかし、そのようなときには「いつも仕事頑張ってくれてありがとう」と感謝の言葉を伝えるといいです。反対に夫は妻に「毎日ご飯を作ってくれてありがとう」など、家事や育児に対する感謝を伝えましょう。
相手を非難する言葉や頭ごなしの否定はやめよう
お互いに不満があっても、否定したり非難したりする言葉は使わないようにしましょう。子どもはそのような会話もしっかり聞いているため、家族やお友だちとコミュニケーションをとっているときに、悪気なく否定的な言い方をしてしまう恐れがあります。その結果、喧嘩につながったり相手を傷つけてしまったりすることもあるのです。どのような言葉で伝えたらいいのか客観的に考え、冷静に気持ちを伝えられるようになるといいでしょう。
子どもの前で愚痴を言うのは避けよう
子どもの前でお互いがお互いの愚痴を言いあっていると、子どもは「ママとパパは仲良くないのかな」と不安になることがあります。もちろん子どもの愚痴を言うのもやめましょう。子どもの愚痴を親が言っているのを見ると、子どもは日常を楽しめなくなってしまいます。しかし、まったく愚痴を言わないというのは難しいでしょう。もし、愚痴を言いたくなったら、内容や言い方に気をつけましょう。
平日は30分未満?夫婦の会話は減少傾向にある
ソフトブレーン・フィールド社が行った「夫婦のコミュニケーション」に関する調査では、平日の夫婦での会話時間が10~30分未満と回答した人が27.3%と一番多く、次いで10分未満が26.7%という結果がでています。半数以上の夫婦が、平日の会話時間が30分未満であるということがわかりました。
共働きでお互いに忙しく、家を出る時間や帰宅する時間が違うことが原因で夫婦での会話時間が少なくなってしまっているのかもしれません。家庭内で夫婦の会話がなくなってしまうと、子どもにどのような影響があるのかみていきましょう。
参考文献:RECEIPO(レシーポ)|~夫婦のコミュニケーションについての主婦の意識調査~ 平日の夫婦の会話時間は“30分未満”の家庭が50%以上! 会話の時間は「増やしたい」が29.5%、「ちょうどいい」が67.1%(https://receipo.com/livelog/1265 )
夫婦の会話がないと愛着形成ができない可能性がある
夫婦間での会話がないと、子どもの愛着形成に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。愛着形成とは、「子どもが不安なときに、親など身近な人にくっついて安心しようとする行動」のことをいいます。赤ちゃんや小さい子どもは抱っこをすると安心します。大人でも不安なときや怖いときに誰かとくっつくと安心するでしょう。これこそが愛着形成なのです。
夫婦で想いあっている姿を見て成長した子どもは、愛着形成がしっかりと行われ、安心と自律の心が芽生えてきます。逆に愛着形成ができていないと、常に恐怖と不安を抱えた状態となり、怯えたりひどく泣いたりして手のかかる子だと勘違いされてしまいがちです。手のかかる子だと感じている方は、一度夫婦で会話をきちんとしているか見直してみるのもいいかもしれません。
夫婦の会話がないと子どもの心に傷ができてしまう可能性がある
一度でも夫婦での会話がある生活を体験した子どもにとっては、夫婦での会話がない状況を不自然に感じ、戸惑ってしまいます。「仕事が忙しいのかな」「自分が悪いのかな」と心の中で考えを巡らせている場合もあるでしょう。また、何とか夫婦での会話があったときのように戻そうと、いたずらをして気を引こうとしたり、わざとふざけてみたりすることも。しかし、このように気を遣う生活が続くとストレスが溜まり、家でリラックスできなくなってしまうのです。また、ストレスが原因で精神的に傷ついてしまう可能性もあります。心に傷ができると、社会に適応できなくなってしまう恐れもでてきます。早ければ、子どものコミュニティである幼稚園や小学校で、ほかの子どもたちとうまく会話ができなかったり、暴力をふるってしまったりということにもなりかねません。
このように、夫婦での会話がない環境が子どもに与える影響はいいものではありません。
夫婦での会話を増やして子どもにいい影響を与えよう
夫婦での会話が少ないと感じている方は多いでしょう。夫婦間の会話が少ないと、子どもに悪影響を与えかねません。夫婦での会話が少ないと感じている方は、生活リズムがすれ違っていないか見直してみるといいでしょう。お互いに忙しくて顔を合わせる時間がない場合は、3食のうち1食だけでも一緒に食べたり休みの日は一緒に出かけたりなど、顔を合わせる時間を増やす工夫をしましょう。また、相手の興味をひく話をしてみるのも一つの手です。人は自分が好きなことは「人に話したい」と思っているもの。まずは相手の興味がある会話からはじめて少しずつ会話を増やしていくといいでしょう。
さいごに
夫婦の会話が子どもに与える影響には、いいものも悪いものもあります。夫婦で会話をする際には、相手を傷つける言葉を使わないようにしたり、乱暴な言葉を使わないようにしたりと注意が必要です。また、夫婦での会話がまったくないと子どもに悪影響を与えてしまいます。「最近夫婦であまり会話をしていないな」と感じている方は、少しでも夫婦の会話が増えるように工夫してみるといいでしょう。
参考サイト
- 伸芽'Sクラブ|夫婦の会話が子どもに与える影響は大きい。親が気をつけるべきこととは? - 子育て&教育ひと言コラム - 伸芽’Sクラブ - 受験対応型託児所 –(https://www.shinga-s-club.jp/column/ )
- 一般社団法人日本恋愛結婚コンサルテーション協会|夫婦の会話なしによる子供への4つの大きな影響(https://love-consultation.jp/medias/detail/80 )
- 法律の悩みを解決するメディア|リーガルモールbyベリーベスト法律事務所|夫婦の会話がない状態を解決する!今日からできる3つのこと(https://best-legal.jp/couple-conversation-14587/ 7/ )
- 単身赴任持ちのママ|夫婦の会話と子供への影響、大切なのは会話の「量」より「質」(https://tanshin-mama.jp/couple-conversation-children/ )
- Smartlog|夫婦で会話がないのを改善するコツとは|会話なしで離婚を防ぎたい方必見! (https://smartlog.jp/192824 )
- 夫婦生活の悩み解消法|全く会話のない夫婦の離婚率と子供にあたえる影響とは?(https://married-life.jp/fight/1388#i-4 )