小学校の土曜日授業が復活しているって本当?土曜日授業のメリット・デメリット
土曜日授業廃止までの流れ
土曜日授業が廃止されてから長い時間が経ちましたが、そもそもなぜ、どのように廃止されることになったのでしょうか?
廃止された背景
現代の日本では週休2日制が広まっていますが、昔は週に6日仕事をするのが一般的でした。そのため、学校も週6日授業が行われていたのでしょう。しかし1980年代後半ごろになると、週の休みを2日設ける企業が少しずつ増えていきました。それによって教員にも休日が必要だという流れになり、土曜日授業が廃止されるようになったそうです。
またそれとあわせて、子どもへの詰め込み教育が問題視されるようになり、年間の授業時数を減らすことになりました。それにともない、土曜日授業も廃止の流れになったのでしょう。
廃止までの経緯
土曜日授業の廃止は、一度に行われたわけではないといいます。1992年ごろに授業時間を減らす試みの一つとして、毎月第2土曜日が休日になったそうです。その後1995年から第4土曜日の授業がなくなり、土曜日授業は隔週になりました。
そして2002年から土曜日の授業がすべて廃止され、週5日平日だけの授業が一般的になったといいます。
小学校の土曜日授業が復活しているって本当?
2002年にすべて廃止された土曜日授業ですが、実は近年土曜日授業を取り入れる小学校が増えているといいます。それでは、土曜日授業はどのように実施されているのでしょうか?
いつから?
土曜日授業が行われるようになった時期は自治体や小学校によって異なりますが、公立小学校の場合2012年にはおよそ8.8%、2013年には約15%、平成30年には26.3%と年々土曜日授業を行う学校が増えているようです。
ただし以前のように毎週、あるいは隔週で土曜日授業が行われることはほとんどなく、年に2~4回程度の頻度で行う学校が主流で、多いところでも月に1回程度なのだとか。
なぜ?
詰め込み教育を避けるために土曜日授業は廃止されましたが、授業時間の減少は子どもの学力低下の一因となってしまったと考えられています。実際、経済協力開発機構(OECD)の実施している国際的な学習到達度調査「PISA」の2003年および2006年の結果において、日本の順位が著しく低下していたことから、当時のゆとり教育が見直されることとなりました。
2013年には脱ゆとり教育のため学習指導要領が改訂され、土曜日授業の必要性が見出されることになったようです。
どこで?
土曜日授業はすべての小学校で行われているわけではなく、実施しているかどうかは自治体や学校によって異なります。しかし近年は新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休校などが相次いでいることから、臨時休校の振り替えや授業時数の調整などのため、土曜日授業を取り入れる学校も増えているのかもしれません。
どのように?
土曜日授業は平日と同様に朝から授業が始まりますが、3時間目で終わることが多く、給食もない学校がほとんどだといいます。また運動会や学習発表会などの学校行事が土曜日授業として割り当てられることも珍しくありません。
筆者の子どもの通う小学校でも、年に1度、土曜日授業の一環として授業参観が行われています。普段の授業参観は平日に行われますが、仕事の都合をつけるのが難しい家庭も少なくありません。土曜日なら仕事が休みで予定が調節しやすいと、働くママたちに好評です。
また土曜日授業が実施される日は、学童保育を利用できる学校もあるといいます。
再廃止される場合もある?
土曜日授業を再開する学校は増えていますが、一方で再開した土曜日授業を再び廃止する学校も珍しくないのだとか。土曜日は習い事などで都合がつかず、欠席する児童が多いことから授業を進めづらくなる可能性がある点、また教職員の振替休日の確保が難しい点などが問題となっているようです。
土曜日授業を廃止した学校の中には、始業日を前倒しにすることで授業時数を維持するところもあるといいます。
土曜日授業のメリット・デメリット
小学校の土曜日授業には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
共働き家庭の増加などにより、平日の学校行事に参加することが難しい家庭も増えているといわれているため、土曜日授業として学校行事を行うことで保護者の負担を軽減できるかもしれません。
また授業時数が増えることで、教員も余裕を持って授業の調整ができる点も、メリットの一つといえるでしょう。また子どもたちにとっても、土曜日授業は午前中で終わるため、放課後友だちと遊ぶなど有意義に時間を活用しやすそうですね。
デメリット
土曜日授業を行うと、学校自体の休みが日曜日だけの週ができるため、教職員は土曜日の振替休日を取得することになります。しかし平日は通常通り授業が行われるため、調整がうまくいかないケースも少なくないのだとか。
また習い事をしている子どもの場合、土曜日にレッスンが入っていると出席自体が難しくなることもあるといいます。さらに土曜日に授業が入ることで、家族で過ごす時間が少なくなってしまう可能性も懸念されます。
さいごに
土曜日授業への取り組みは自治体や学校によって大きな差があり、定期的に行うところもあれば年に数度しか行わないところもあります。子どもの習い事などを検討している場合は、小学校の土曜日授業の有無も考慮したうえでレッスンの日時を決めてもいいかもしれませんね。