幼稚園での子どもの1日の過ごし方や年間行事【タイムスケジュール例あり】
そもそも「幼稚園」とはどういう施設?
幼稚園は、どういった目的を持った施設なのか理解していますか?幼稚園について、基本的な情報を解説します。
幼稚園の法律上の定義
幼稚園は、学校教育法によって定義されている、文部科学省管轄の「学校」です。小学校以降の生活や、その後の学習の基盤を培うために、子どもの心身の成長を助ける環境作りを目的としています。そのため幼稚園にいる先生は、幼稚園教諭という教員資格を持っています。
幼稚園の対象年齢
幼稚園に入園する年齢は、一般的に、満3歳になってから小学校入学までの3年間です。満3~4歳児を年少、満4~5歳児を年中、満5~6歳児を年長と学年分けしています。
ただし入園期間は、必ずしも3年間と決まっているわけではありません。以前は年中・年長の2年保育が主流な時代がありました。しかし現在は、年少~年長の3年保育が一般的です。中には地域の子育て支援として、2歳児からの4年保育を実施している園もあります。
公立幼稚園と私立幼稚園の違い
幼稚園には、国や都道府県などの自治体が運営する「公立幼稚園」と、学校法人や宗教法人、個人などが運営する「私立幼稚園」があります。
公立幼稚園の先生は公務員で、幼稚園間で転勤する場合があるのが特徴です。私立幼稚園は、園によって雰囲気はさまざまです。遊びだけでなく、小学校受験を目指して早期教育に力を入れている園や、自然保育を取り入れている園、宗教教育を行っている園、モンテッソーリやシュタイナーなど特定の教育法に基づいている園などがあります。
幼稚園と保育園・こども園の違い
幼稚園と同じ年齢の子どもが通う施設として、ほかに「保育園」や「こども園」があります。保育園は、幼稚園のように教育を主旨とする施設ではなく、児童福祉法が定める保育施設です。保護者が働いている場合などに、代わって子どもを保育することを目的としています。そのため市町村によって必要性が認められなければ、利用できません。
こども園は、保育園と幼稚園の機能を併せ持った施設のことをいいます。地域や保護者のニーズに応えるために、内閣府によって近年普及が進められている施設です。
幼稚園の1日のタイムスケジュール例
子どもたちの幼稚園での過ごし方について、タイムスケジュール例を紹介します。
7:30 早朝の預かり保育
8:30 通常登園
9:00 自由遊び
10:00 朝の会(ホームルーム)
10:30 午前の活動
12:00 お昼ごはん
13:00 午後の活動
14:00 帰りの会(ホームルーム)
14:30 降園
19:00 延長保育
早朝や夕方の預かり保育を利用しない場合、9:00~14:00の5時間ほどが、子どもが幼稚園に滞在する時間です。その間に、遊びやさまざまな活動を行っています。
一般的に幼稚園では、お昼寝の時間はありません。3歳頃まではお昼寝をする子どもが多いため、年少児などでは、降園後に自宅でお昼寝をする場合もあるようです。遅い時間にお昼寝すると、夜眠れなくなる可能性もあるため、家庭によって生活リズムを考える必要があるでしょう。
幼稚園での1日の過ごし方
子どもたちが幼稚園でどのようなことをしているか、1日の流れをより詳しく紹介しましょう。
登園
決められた時間までに、徒歩・自転車・車・園の送迎バスなどで登園します。送迎バスを利用する場合は、決められた時間までに集合場所に行かなくてはなりません。もし間に合わなかった場合は、保護者が幼稚園まで子どもを送る必要があります。バスを待つ間は、幼稚園の保護者同士で、いろいろな情報交換をするという人も多いようです。
登園した子どもたちは、クラスに分かれて、朝の会が始まるまで提出物を出したり、先生や友達と自由遊びをしたりします。
朝の会(ホームルーム)
各クラスで、朝のホームルームが行われます。ホームルームでは、出席・体調の確認や、歌、先生のお話などがあります。行事の日や月に何度かは、全クラスが合同で行う場合もあるようです。
午前の活動
活動のプログラムは、園によってさまざまです。園の特色が現れる部分といえるでしょう。例えば以下のような活動が行われています。
- 外遊び
- 屋内遊び
- 学習(ひらがな・算数・英語など)
- 工作
- 音楽
- 運動
- 料理
全員で活動する時もあれば、自由遊びの時もあります。夏は水遊びをしたり、運動会やお遊戯会の前などは、行事に向けた練習を行ったりしています。
お昼ごはん
お昼ごはんが給食かお弁当かは、幼稚園によって異なるところです。給食がある幼稚園も、週に1~2回はお弁当という場合もあるでしょう。テーブルの配置をしたり、ランチョンマットやコップを準備したり、給食の場合は配膳したりなど、食事の準備も子どもたちが協力して行います。お昼ごはんは、子どもたちが食事のマナーを学ぶ機会になるでしょう。
午後の活動
午後にも午前と同じく、全員での活動、あるいは自由遊びの時間があります。行事前の時期は、午前も午後も練習という場合もあるようです。
帰りの会~降園
14時頃になると、クラスで帰る前のホームルームが行われます。先生の話があり、本の読み聞かせや歌、帰る準備をして、降園です。保護者へのお手紙がある場合は、この時に配布されます。
降園後・預かり保育など
降園は、保護者が園までお迎えに行く場合と、バスで帰る場合があります。共働き世帯の場合は、延長保育として、そのまま幼稚園で預かってもらうことが可能です。延長保育の時間は、17時までや19時までなど、園によって異なります。保育料もさまざまです。
また幼稚園によっては、課外プログラムとして、園内でさまざまな習い事を受講できたり、提携するスクールに連れて行ってくれたりする園もあります。保護者が送迎をしなくていいため、習い事をしたい家庭にとってはメリットがあるでしょう。
幼稚園で行われている年間行事や長期休暇
幼稚園では、日本の伝統行事など、年間を通してたくさんの行事が行われています。以下は、幼稚園で行われている行事やイベントの例です。
4月:入園式・1学期始業式、新入生歓迎会、健康診断、個人面談(家庭訪問)
5月:遠足・親子遠足
6月:参観日、歯科検診、プール開き
7月:夏祭り(七夕まつり)、1学期終業式
8月:夏休み、お泊まり保育
9月:2学期始業式、敬老の日(祖父母参観)、バザー
10月:運動会
11月:遠足、芋掘り、作品展、参観日
12月:お遊戯会、クリスマス会、2学期終業式
1月:冬休み、3学期始業式、餅つき大会
2月:節分(豆まき)、生活発表会(劇・合奏)
3月:ひなまつり、卒園式・謝恩会、3学期終業式、春休み
ほかにも多くの園では、毎月お誕生日会が行われます。宗教系の幼稚園であれば、礼拝や日曜学校など、独自の行事があるところもあるでしょう。
また幼稚園は小学校などと同じように、学期の間には長期休暇があるのが一般的です。長期休暇中は、預かり保育を実施している幼稚園もあります。
幼稚園に親はどのくらい関わる?
幼稚園では、行事や保育に関して、保護者が関わることが基本です。年間でさまざまなイベントが行われますが、その準備段階から、保護者の参加を求められることもあるでしょう。場合によっては、打ち合わせや準備などで、何度も幼稚園に行く必要があるかもしれません。幼稚園の行事は子どもだけのことではなく、保護者の行事でもあると思っておくと良さそうです。
またPTAや保護者会など、保護者のみでの活動がさかんな幼稚園もあります。PTA総会をはじめとして、親睦会やスポーツ大会など、年に何度も保護者主体の行事がある園もあるでしょう。保護者会関連の行事が多いと、幼稚園に度々足を運ぶことになります。大変な面もありますが、子どもや幼稚園の様子をよく知ることができる点は、メリットといえるでしょう。
なお共働きの世帯などは、頻繁に幼稚園を訪ねることができません。最近は幼稚園にも共働きの家庭が増えているため、園によっては、行事の日程などに配慮しているところも増えています。
さいごに
子どもたちは幼稚園で、遊びを中心としながら成長し、生きる力の基盤を身に付けていきます。時間が決められた生活を送るのに慣れるまでは、子どもも保護者も、心身が疲れやすいかもしれません。なるべくしっかり睡眠がとれるように心がけるとよさそうです。毎日同じようなタイムスケジュールで過ごすことで、徐々に生活リズムや習慣を身に付けることにつながるでしょう。子どもも保護者も一緒に楽しみながら、幼稚園生活を送れるといいですね。
参考サイト
文部科学省|幼稚園教育要領(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/you/you.pdf )
文部科学省|第2節 幼児教育の意義及び役割:文部科学省(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1395402.htm)
内閣府|認定こども園概要: 子ども・子育て本部 - 内閣府(https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/gaiyou.html )
内閣府|よくわかる「子ども・子育て支援新制度」: 子ども・子育て本部 - 内閣府(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html )
ベネッセ教育情報サイト|幼稚園の年間行事は何があるの?学期ごとで見る行事と保護者の服装のススメ(https://benesse.jp/kosodate/202103/20210323-3.html )