脳の発達を育む遊びで楽しく脳を鍛えよう!年齢別の発達具合も解説
6歳までに90%が完成!?脳はどこから育つ?
脳の形成は、赤ちゃんがまだお腹の中にいるころから始まり、1~3歳ごろにかけて急速に成長します。平成21年度に文部科学省幼児教育課が発表した「幼児教育の無償化の論点」では、なんと脳の神経ネットワークは6歳までに90%が完成するということが判明しました。また、「1~3歳の時の記憶・感情は普段は忘れているが、脳の中には残っていて、ある引き金が引かれると動き出すという説もある」と記載があり、脳の発達において幼少期の経験が重要であると論じられています。
生後すぐから2歳ごろにかけては、視覚や聴覚、言葉の理解などに携わっている後頭葉や側頭葉が主に発達し、その後は触角を司る感覚野、体の運動能力に関わる運動野が順に発達していきます。
【参考サイト】
- 文部科学省幼児教育課|教示教育無償化の論点(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/049/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2009/05/27/1267501_1.pdf)
- 寺崎脳神経外科|子どもの脳の発達(https://terasaki-nsc.com/brain_tumor/child-brain-tumor/272/)
- 学研教室|子どもの脳を生き生き育てたい!脳を鍛える遊び5選(https://www.889100.com/column/column031.html)
- ベネッセ|子どもの脳は3歳までに約90%ができあがる⁉【0〜6才まで】脳の発達時期に合わせたかかわり方(https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=114116)
短い時間でもOK!遊びの選び方のポイント3つ
幼少期からぐんぐん育つ子どもの脳。小さいころに体験したことがその後の知能や人格を決めるといっても過言ではありません。年齢による脳の発達具合に適した遊びで将来の可能性を広げたいですね。ここでは、子どもの脳の発達をサポートする遊びのポイントを解説します。
子どもが楽しいと思える遊び
いくら脳の発達を促せる遊びでも、子どもが楽しいと思わなければ意味がありません。まずは、楽しい体験や嬉しい体験をたくさんすることが大切です。「できた!」「またやりたい!」という気持ちを繰り返すことで好奇心や探求心が育まれます。子どもが自ら取り組みたくなるような楽しい遊びを心がけてみてくださいね。
五感を刺激する遊び
五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚のこと。赤ちゃんは生まれた時からぼんやりとした五感を持っていますが、その後は外からの刺激によって発達します。日常的に刺激は発生しますが、さらに親からの働きかけが加わることでより発達を促すことができます。
対象年齢に合った遊び
脳の発達を促したいあまり、対象年齢に合わない遊びをさせるのはNG。その遊びをするのに必要な能力が備わっていないと、子どもにとっては遊び方がわからず、興味を失ってしまう原因になってしまいます。伸ばしたい能力を適切に伸ばせないだけでなく、最悪の場合事故に繋がってしまうケースもあります。
親子で一緒に楽しめる遊び
子どもは、親の行動を真似してさまざまなことを習得します。「○○をして遊びなさい」と言われただけでは、子どもも戸惑ってしまうでしょう。まずは親が楽しんで遊び、どうやって遊んでいるかを見せることで、子どもの「自分もやりたい!」という気持ちを引き出せます。
どんな遊びがいいの?年齢別 楽しく脳を発達させる遊び
幼少期に脳の発達を促す遊びをした方が良いのはわかったけど、具体的にどんな遊びをすればいいのかわからない、といったパパママも多いのではないでしょうか?ここでは、脳の発達を意識した遊びを年齢別に解説します。
0~1歳の遊び
まだ言葉の通じない子どもと遊ぶのは案外難しいものです。しかし、0~1歳は視覚・聴覚・触覚など脳の土台となる感覚が育つ大切な時期。積極的にスキンシップをとるようにしましょう。
・いないいないばあ
一見単純な遊びに見えますが、視覚の発達を促すだけでなく、「一度した体験を覚え、次に起こるのを期待して待つ」という記憶力のトレーニングにもなります。最初は頭の中に記憶を留められませんが、徐々に覚えることができるようになります。手で顔を隠すだけでなく、ものに隠れてみたり、ガーゼなどの軽い布を子どもの顔にかけてみたりと、色々なバリエーションのいないいないばあを親子で楽しんでみましょう。
・積み木遊び
物を掴めるようになったら積み木で遊んでみましょう。手の神経は、思考や記憶を司る大脳と密接に繋がっており、手や指先を使う遊びは脳の発達に効果的です。積み木同士を叩いて音を鳴らして遊ぶことで聴覚が養われ、積み木を組み立てて遊ぶことで創造力やバランス感覚が養われます。
・絵本の読み聞かせ
まだ文字が読めない0~1歳児にも絵本はおすすめ。原色のようなはっきりとした色を使った絵本は、低月齢の赤ちゃんでも認識しやすく視覚を鍛えることができるため、カラフルな絵本を選ぶと良いでしょう。ページが厚い紙でできている絵本なら、月齢が進むと子どもが自分でページをめくるようにもなることも。
抑揚をつけて読んであげることで、聴力や好奇心の発達にも繋がります。「しましまぐるぐる」は、イラストのコントラストがはっきりしていて初めての絵本にもおすすめです。イラストのしましまやぐるぐるを大人が指でなぞりながら読んであげると、より視覚を鍛える効果が期待できますよ。
2~3歳の遊び
言語を習得して少しずつ自分の意思を言葉で伝えられるようになる2~3歳は、好奇心や探求心、集中力を伸ばす遊びがおすすめ。さまざまなことに興味を持つようになるので、そのチャンスを活かして遊びに繋げてみましょう。
・外遊び
外の世界は子どもにとって新鮮なものが多く、外遊びは好奇心が出てきた2~3歳にぴったり。近くの公園にお散歩するだけでも、虫や花を見つけたり、砂の感触を味わったりと五感が存分に刺激されます。多くのものが気になるあまりに思わぬ行動をすることもあるので、安全対策に万全の注意を払ってお出かけするようにしましょう。
・リズム遊び
音楽に合わせて体を動かすリトミックは、表現力や音楽的なセンスの発達が期待できると注目を集めています。楽器を使うことで、「この楽器はこんな音が出る」「この箱を叩いたらどんな音が出るかな」という探求心にも繋がります。また、英語の歌などで母国語以外の言語に触れるのも良いでしょう。YouTubeには、大人も一緒に楽しめるようなキャッチ―な英語の歌が豊富にあります。中でも「Baby Shark - Pinkfong Kids’ Songs & Stories」チャンネルは、大人も馴染みのあるメロディがポップな映像と一緒に楽しめておすすめ。カラフルな世界観に子どもも釘付けです。
・お絵かき
お絵かきは、子どもの表現力や創造力を養うのにぴったりな遊びです。指先を使うので脳に刺激を与える効果も。また、集中力や空間把握能力、観察力が鍛えることにも繋がります。ポイントは、「もっとこうしたらいいよ」と先回りをしたり子どもの絵を否定したりしないこと。また、「上手だね」という誉め言葉はよく使われがちですが、使いすぎると子どもが上手に描くことばかりを意識するようになってしまい、表現力や創造力が阻害されてしまいます。絵自体を評価するのではなく、「たくさんの色を使ったんだね」「力強く描けたね!」など絵の色合いや構図に着目したり、「ここを工夫したんだね」など子どもの気持ちを汲んだ言葉をかけると良いですね。
4~6歳の遊び
4~6歳は運動能力も発達しており、体を動かすことで脳の発達に良い影響もありますが、骨格や筋肉は未熟です。激しい運動ばかりをしてしまうと身体的な成長を阻害してしまうことも。また、4歳になると幼稚園などの集団において、他人とコミュニケーションをとり始めます。社会性や自主性、集中力などを育む遊びを心がけると良いですね。
・ごっこ遊び
おままごとなどのごっこ遊びは、言語能力やコミュニケーション能力の発達にもってこいの遊びです。また、「○○だったらこんなときどうやって行動するだろうか」と、役割に応じて臨機応変な行動を考える集中力や、それを役柄に沿って行う実行力が育まれます。初めは親が子どもにごっこ遊びのやり方を教えてあげると良いですね。慣れてきたら子どもを主役にしたり、子ども同士でごっこ遊びをさせたりすると、よりコミュニケーション能力の向上に繋がります。
・ボードゲーム
4~6歳の遊びには、ボードゲームもおすすめです。ボードゲームにおいて、ルールを理解することは欠かせません。ルールを理解するための読解力や記憶力、勝つために作戦を考える集中力が発達します。数字の概念を学べるものや手先の器用さを鍛えられるものなどボードゲームによって育まれる力もさまざまなので、お子さまの興味や成長に合わせたボードゲームで遊んでみてくださいね。
さいごに
子どもの脳の発達の過程と脳の発達を促す遊び方を解説しました。脳の土台となる部分が大きく発達する幼少期は、遊びによって多くの効果が期待できるでしょう。今回ご紹介した遊びを取り入れて、子どもも大人も楽しみながら脳を鍛えてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
- 文部科学省幼児教育課|教示教育無償化の論点(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/049/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2009/05/27/1267501_1.pdf )
- 寺崎脳神経外科|子どもの脳の発達(https://terasaki-nsc.com/brain_tumor/child-brain-tumor/272/ )
- 学研教室|子どもの脳を生き生き育てたい!脳を鍛える遊び5選(https://www.889100.com/column/column031.html )
- ベネッセ|子どもの脳は3歳までに約90%ができあがる⁉【0〜6才まで】脳の発達時期に合わせたかかわり方(https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=114116 )
- 和光堂|五感を刺激する育児アドバイス(https://www.wakodo.co.jp/product/special/babyfood/babyfood/global/advice/article01.html )
- ベネッセ教育総合研究所|4~6歳は脳が最も発達する時期。心身のバランスを整えて入学を迎えよう!(https://benesse.jp/kyouiku/201102/20110215-1.html#:~:text=%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%99%BA%E8%82%B2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A6%E3%80%814,%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8F%E6%99%82%E6%9C%9F%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 )