校長先生は、東京農業大学の副学長で、植物病理学を専門とされていらっしゃいます。研究テーマは「熱帯・亜熱帯産植物ウイルスや菌類の診断法開発と多様性の解析」で、つまり“緑のお医者さん”のようなことをやられているとのことです。

「農業大学」というと、どうしても「農業」のイメージが先行するかもしれませんが、自然のことや食のこと、そして地球環境のことなどと、日々の生活に身近なもの・人が生きていくために大切なことを幅広くとらえテーマとしています。既に運営されている東京農業大学の教育・研究資源を小学校の教育に活かしていくことを考えられています。

校舎は東京農業大学第一高等学校に隣接しており、近くには馬事公苑があります。駅からは少し遠いですが、近くにバスが通っておりバス停からは非常に近いです。低学年のお子様には経堂駅まで歩くのは少し難しいかもしれません。2019年6月時点でスクールバスはない一方、駅から遠い立地条件もあり、学校側ではオプションで最寄りの駅やバス停へのスタッフによる随伴下校も実施しているようです。

校庭は人工芝で、広さは8,907平方メートルとなっています。大人のサッカーのコートの面積が7140平方メートルなので、それよりも少し大きいくらいの大きさです。

また、防犯カメラ、警備員配置、入校証、緊急メールシステム、登下校通知、緊急地震速報、災害時用備蓄、災害時マニュアル等を設置しており、安全面への配慮はかなり行われています。

新設校だけあって、教室内の設備も充実しており、「冷暖房」はもちろんのこと、電子黒板やタブレットなどICT教育面が充実、さらにアフタースクールや英語教育などソフト面でも充実しています。

教育理念である「冒険心の育成」を具現化するため、「冒険心」を形成する「３つの心と２つの力」に着目し、これらを育成することを教育方針としていると公式ホームページに記載しています。

3つの心は「探究心」「感性」「向上心」という要素で作られていて、2つの力は「コミュニケーション力」と「体力」としています。それぞれをさらに詳細にご紹介します！

知的好奇心を大切にし、学ぶことへのモチベーションを高め、生徒たちにとっては未知なものごとへの興味関心を育みながら、自分なりの物事の見方や考え方を養うこととしています。不確実性の高い現在においては、非常に重要視されている要素ですね。

課題や事象を鋭く観察し、自身の経験にとらわれず物事を広い目で見て深く考える力、また鋭い洞察力、失敗を含めた自分の取り組みにしっかりと対峙する省察力を育成することを大切にしています。子どもに対して前向きな失敗をさせて、それらにしっかり向き合わせるということは、科学的にも成長につながることが証明されているため、稲花小学校では子どもたちの成長を中長期的に見ているのだと思われます。

子どもたち自身で目標を設定し解決していくという「課題発見解決型」の能力、また常に自分を高めていこうとする意識と粘り強く取り組む態度を重要な心としています。公式ホームページ上では「実行力」と記載があります。何かを成し遂げる際に必要な「胆力」が身に付きそうです。

自己意識と他者意識を向上させるという記載があり、メタ認知スキルを高めることを目指していると考えられます。また豊かな人間性を養うために、「言語力」「柔軟な対応力」「深くて広い思考力」を身に着けることを方針としています。

健康に日常生活を送るうえでの体力に加え、運動や様々な活動を行う上での体力の育成も目指しているようです。

2019年新設学校なので、まだ卒業生はいないため実績でのご紹介は難しいです。ただし、公式ホームページ上では、隣接する東京農業大学第一高等学校中等部（農大一中）へ、一定数が内部進学することを想定しているとのことです。また、進路先として外部の中学校を選択することも可としていますが、学校内で中学校受験に特化したサポート体制はないようです。農大一中自体も偏差値は高いため、小学校からの内部進学者が対等な能力になるよう、内部進学の際にも一定の学力基準を設けることを検討しているようです。

出願期間：10月１日（火）～３日（木）

事前面接期間：10月９日（水）～29日（金）

試験日（ペーパー・行動観察）：11月１日（金）～11月３日（日）、11月 9日（土）～11月10日（日）

 

また、2019年8月31日(土)には、年長を対象とした学校説明会もあるようなので、公式ホームページをチェックすることをお勧めします。