英語学習は幼少期から始められる?英語学習の方法と正しい知識
英語教育が近年推し進められているワケ
文部科学省が公示した新学習指導要領によると2020年4月より小学校3,4年生で「外国語活動」というカリキュラム、小学校5,6年生で英語が「教科」扱いになり、成績評価も行われるようになりました。
私たち大半の親世代が受けてきた英語教育は中高の6年間です。6年間も学んだにもかかわらず、実用的な英語を使えているかといわれたら答えはノーですよね。
街で外国の方に道を尋ねられるシーンを想像してみてください。不自由なく流暢に説明できる自分の姿があまり見えてこないですよね。ジェスチャーを用いて片言でレフト、ライトと説明するのがやっとです。
我々が学んできた6年間は効果が薄く、これからのグローバル化に順応できない、日本の英語学習は他国と比較しても遅れているという課題が長年言われ続けてきました。
英語学習が前倒しで進められ、より力を入れるべき教科であるという傾向は素晴らしいものであり、未来の日本を担う子供たちを育てるには必要不可欠なことです。
必見!言語習得のプロセスをご紹介
日本で生まれ、日本で育った人の中で日本語のように自分の言いたいことを英語で十分に伝えることができる人はどれくらいいるでしょう。
ぱっと思いつく人があなたの周りにいますか?
第二言語と位置付けられる英語の習得は容易ではありません。
英会話スクールに通っているのに…
TOEIC高得点とったのに…
こういった方々でも、ネイティブを前にするとなかなか流暢に会話できないのが現実です。
母国語以外の言語を習得するにはプロセスが大切です。正しい知識の元、正しい努力を継続することで効率的に英語を習得することができます。
ここでは数ある第二言語習得のプロセスの研究を行う中でも代表的な専門家であるSusanM.Gassが提唱したモデルを簡単にご紹介します。
語学学習の4つのプロセス
Gassは、第二言語の学習者がインプットをアウトプットに転換するまでには4つのプロセスがあると提唱しました。
- 気づき(Noticed Input)
- 理解(Comprehended Input)
- 内在化(Intake)
- 統合(Integration)
この4つを経てアウトプットされます。
インプットした情報を最大限にアウトプットするために必要な4つのプロセスと言い換えることができます。
自分がこの4つのプロセスのどこに課題があるのかを見つけ、その課題を解決するためのトレーニングを強化することが重要です。
この4つのプロセスについて一つ一つ簡単に説明していきます。
① 気づき(Noticed Input)
人は毎日無意識のうちにあらゆる情報をインプットします。
この無意識的に起こるインプットから、学習対象に注意を向けて意識的にインプットを行うことで記憶は短期記憶として保持されます。注意を向けることで初めて「気づき」が生まれます。
② 理解(Comprehended Input)
短期記憶に保持されたインプットは第2プロセスへと進みます。
単に情報の意味だけを理解するのではなく、その情報の形式や機能といった構造まで理解する必要があります。
深く理解することで正確に情報を把握することができなくても推測し、仮説を立てることができます。
③ 内在化(Intake)
次のプロセスの「内在化」は理解したインプットを自身の中間言語へと取り込むプロセスとなります。
簡単に言うと、先ほど立てた仮説の検証のことを言います。
自身の立てた仮説が正しいかどうかを検証するプロセスを経てインプットを内在化していきます。
④ 統合(Integration)
最終段階である「統合」では取り込んだ情報を「長期記憶」に保持します。「気づき」の段階で短期記憶した情報は「理解」、「内在化」を経て忘れにくいものへとなり、アウトプット力を高めます。
この4つのプロセスを理解し、意識した学習を行うことが言語習得の近道といえるでしょう。
今回はSusanM.Gassの有名な4つのプロセスを簡単に紹介しましたが、興味がある方は自分で調べてみると面白いかもしれませんね。
幼少期に英語を学ぶメリット
「英語学習は早くから始めたほうがいい」
このような言葉を聞いたことはありませんか?
言葉を覚え、自身の思いを口から発するという行動は誰もが可能なものです。数学などの難しいものではなく、極めて単純な学問が「言語」です。
ではなぜこの単純に思われる言語習得が我々にとって難しいものであるのでしょうか?
答えは単純で、余計な情報が入ってくるからと考えます。
我々が英文を理解するとき、大半の人は1つ1つの英単語を日本語に訳すという作業を頭の中でします。
この作業が英語を習得する上で一番の障壁と言えます。これは英語に限らず。第二言語習得を目指し勉強している人すべてに当てはまるものです。
言葉は概念で理解するものです。我々が日本語を覚える際、無駄な前提知識なく、動きや行動、心情に合わせた言葉の使い方を徐々に理解していき、覚えていきます。
この時、先ほど説明した4つのプロセスを無意識に行い、インプットを最大限アウトプットにするプロセスを踏んでいます。
第二言語習得の際、母語を交えた学習は効率が悪いです。我々の大半が受けた中高の6年間の英語教育を思い出してみてください。英単語を対応する日本語で覚えていましたよね。この作業が英語の理解を浅くし、英語をペラペラ話すことができる人が少ない理由なのです。
こういった前提の母語がまだ完全に自分のものになっていない幼少期は第二言語習得におけるゴールデン期間といえるでしょう。「英語を英語のまま理解する」という一見単純なようでとてつもなく難しい学習は幼少期がぴったりです。
現に、幼いころから英会話スクールに通っていたり、英語に日常的に触れていた子供は中学生から勉強を始めた子供と比較すると圧倒的に英語を使いこなすことができます。
具体的な英語学習方法
私の経験上、幼児が英語学習をする上で最も大切なポイントが一つあります。
それは「興味を持たせること」です。
我々が日本語を覚える際、周りの人が日本語で会話し、テレビからは絶えず日本語が聞こえてくるという何もしなくても自然と日本語に触れられ、そういった環境で育つことで言葉を覚えることができました。
英語はどうでしょう?
日本語に比べ、圧倒的に触れる機会が少ないのです。そうした状況の元、英語を学ばせようと思ったときに英語に触れさせる機会を増やすことが重要になります。
この時、英語を学ぶことは楽しくないから嫌いという認識を持ってしまうと失敗に終わるでしょう。
一方で、英語に触れることは楽しくて、もっと知りたい!というマインドになれば、進んで学習するでしょう。とりわけ幼少期の子供は自分の興味のあることにしか反応を示しません。子供の興味を引く工夫が大切になってきます。
私がおすすめする英語学習法はズバリ「海外のアニメを見せる(英語)」ことです。
この1点に尽きます。
幼児は動くものに興味を持ちます。
有料動画サービスなどではおさるのジョージやボスベイビーなどたくさんの幼児向けアニメが配信されていますのでそれらを活用することがいいでしょう。
海外アニメで英語に抵抗がなくなった段階で英会話教室などを検討することで効率が良く学習できます。
要するにプロセスが大事ということですね。
さいごに
今回、子供に英語を学ばせるか迷っている、興味があるという方向けに役に立つような情報をいくつかご紹介させていただきました。言語習得のプロセスを知り、正しい方法で学習させることが大切だということを理解していただけたのではないでしょうか。
私がご紹介した学習方法はすぐにでも始められるものですので、ぜひ、ご活用ください。英語が大好きなお子さんが増えることを心から望んでおります。