子どもに教えたい5つの食事マナー!年齢ごとの特徴・適したマナーの学び方も
小学校入学までに身につけておきたい5つの食事マナー
国や地域によっても食事のマナーは変わり、作法もさまざまです。すべてを一気に伝えると子どもも混乱するため、まずはマナーの専門家が提唱する基本の心がけを5つご紹介します。
1.食べ物に感謝する気持ちを大切に
普段の食事に感謝ができる気持ちを養っていくことは、多くの専門家たちが推奨する食事マナーです。食材を育てた人や料理を作った人など、たくさんの人のおかげで食事ができることを想像できるようなサポートが有効でしょう。
家族の食事づくりを一緒に行ったり、農業体験などを通して生産者と出会う機会を設けてみたりと、さまざまな立場を経験させると、食べ物に感謝する気持ちが育まれていきます。
2.食べる姿勢に気を配ろう
食べているときには、良い姿勢が保てるよう気を配ることも大切です。
もし食べる姿勢が崩れているときには、机や椅子がお子さんのサイズに合っているかを確認してみましょう。小さな身体で食卓に座る子どもにも、快適に使えるような道具を揃えておくことは、マナーを教える上でも有効です。
3.まずは箸の扱い方から
フォークやスプーンなど、食事によって使うカトラリーは変わりますが、まずは箸の扱い方を学んでおくと、箸以外の食器にも応用がききやすくなります。
食事をともにする相手を不快にさせないような箸の扱い方や正しい握り方などを、日常生活から伝えていきましょう。
4.食事中はデリケートな話題を避けよう
言葉が自由に使えるようになってきた子どもには、食事中はみんなが楽しい雰囲気で話せるような配慮が必要であると伝えることも推奨されています。
相手の身体的特徴に関することやデリケートな話題などが万が一会話の中に出てきた場合は、配慮について伝えてみると良いでしょう。
5.できるだけ音は立てないように
食べ物が口に入っているときにはしゃべらない、くちゃくちゃと音を立てて食べない、など食事中に気になるクセには注意が必要です。食事中の細かな配慮は、周囲への気配りへとつながることをイメージさせてあげることが大切です。
食事のマナーは小学校受験にも影響する
小学校受験のシーンでも、食事のマナーは重要です。たとえ、直接食事をとる必要がなかったとしても、何気ない所作のひとつひとつから、日頃の姿を想像されることがあります。
当たり前かもしれませんが、小学校受検では節度ある態度ができる子どもほど高い評価を得ます。一朝一夕では身につかないスキルのため、年齢に応じた教育は重要だと言えるでしょう。
年代ごとの特徴と適したマナーの学びとは
マナーは各年代の特徴に合わせて教えていくことが大切です。ここでは、世界で毎月930万人に読まれている育児雑誌「Parents」で紹介されている方法を参考にしながら、年代ごとの特徴と適したマナーについてお伝えしていきます。
【1~2歳】思いやりの心を育む
1歳~2歳の幼児には、食事中の「椅子に座っている時間」が重要です。
その時間がたとえ10分~15分と短いものであっても、子どもの集中力を養う時間となります。また、「食べ物を投げ始めたら食事を終わりにする」など、子ども自身がとった行動を、その後の結果へと結びつけて学ばせるタイミングとしても有効です。
子ども自身が使用しているジェスチャーをいただきますやごちそうさまなどの挨拶と結びつけ、真似させることもマナー学習の第一歩です。
【3~4歳】マナーに興味を持ち始める
3~4歳頃は「基本的な食事のマナーを伝えるのに良い時期」です。
この頃になると、箸やスプーンなどのカトラリーも使えている子どもも多いため、口を閉じて食事をすること、姿勢を正して座ることなどの、細かな動作に目を向けていけるでしょう。
1回のアドバイスは、1つから2つまでの行動に集中できるように伝え、子どもを圧倒しないことも大切です。礼儀正しいお茶会など、ごっこ遊びを通して楽しみながらマナーを学べる環境づくりがおすすめです。
【5~6歳】より丁寧なマナーにチャレンジを
基本的な食事マナーを会得し「より細やかで丁寧なマナーを伝えていける」時期が5~6歳の頃です。
テーブルに肘をつかないことや、何か使いたい道具があった場合には「取ってください」のように、自分の願いを言葉で相手に依頼することなども、食事マナーのひとつとして伝えていくと理解がスムーズでしょう。
友達やクラスメートが気になる年齢でもあるため、他の子どもが礼儀正しい行動をしたときにその良い点をほめることも、子どもにとっては刺激のひとつになります。
効果的な食事マナーの教え方
意外に難しいと感じる人も多いのが、実際に食事のマナーを教えるときの伝え方ではないでしょうか?効果的なマナーの教え方についてご紹介していきます。
シチュエーションを設定してロールプレイを行う
外食のシチュエーションなどと仮定して、必要なマナーをロールプレイして客観的に子どもに見せる方法です。
大人は「これから間違ったマナーをすること」を伝えた上で、その間違ったマナーがどれなのか、子どもから指摘させます。
子どもが言葉にできたら、それがなぜ間違っているのかを伝えていくと、より子どもの心に届きやすくなるでしょう。
食事マナーが学べるおすすめの本
食事のマナーは食卓の場以外でも、本を通して学ぶことができます。食にまつわるおすすめの本にはどのようなものがあるのでしょうか?
絵本で分かりやすく「テーブルマナーの絵本」
和・洋・中のテーブル作法がイラストつきでふんだんに盛り込まれているのが「テーブルマナーの絵本(高野紀子著)」です。
可愛らしい動物たちが登場しながら、お箸の持ち方や食器の並べ方などを解説してくれます。言葉だけでは伝わりにくいマナーも、絵があるため子どもにもわかりやすく伝わりますよ。
食卓に置いておき、気になるマナーがあったときに見せているというご家庭もあるのだそうです。大人が読んでも役立つマナーがたくさん掲載された本です。
全国で10万部突破「いのちをいただく」
食べ物への感謝の気持ちを養いたいときにおすすめなのが「いのちをいただく(内田美智子著他)」です。
「いつか辞めよう」と思いながらも食肉センターで牛を「解く」仕事をする男性のもとに女の子と1頭の牛がやってくることから物語がはじまります。本作の単行本は全国で10万部を超えるロングセラー商品で、その後「紙しばい いのちをいただく」が発売となると、紙しばいとしても異例の売り上げを記録した作品としても知られています。
子どもにも見やすい絵本のため、食事を考える際に一読の価値がある本です。
大人のマナー復習に「私のテーブルマナー本当に大丈夫?」
普段何気なく行っている食事やマナーでも、いざ子どもに伝えるとなると不安になることもあるのではないでしょうか。
「私のテーブルマナー本当に大丈夫?(森下えみこ著)」は、大人が正しい箸の持ち方や焼き魚の食べ方などを学べる本です。それぞれのストーリーは漫画で描かれているため、忙しい日々の中でも楽しみながら読み進められます。
子どもと一緒に改めて食事マナーについて考えてみたい人にもおすすめです。
子どもが食事マナーを学べる講座にはどのようなものがある?
親以外の存在が子どもの成長を促すことは少なくありません。ときにはマナーの専門家を頼ってみてはいかがでしょうか?どのような方法があるのかまとめてみました。
子どもと受講可能!マナー講師によるレッスン
未就学児を対象にしたマナー講座は、さまざまな場所で開講されています。指導には元客室乗務員など、サービスの第一線で活躍してきたマナーのプロがあたることが多くみられます。
気になった方は、インターネットなどでお住まいの地域のマナー講座情報をチェックされてみてはいかがでしょうか。
面接対策も!オンラインマナーレッスン
お住いの地域の近くで講座が開設されていないときには、オンラインのマナーレッスンを検討してみるアイデアも。小学校受験を検討されている場合は、面接の対策まで行ってくれるスクールを選ぶ方法もありますよ。
ホテルで開催!テーブルマナー講習に参加する
ホテル内のレストランで、子ども向けのマナー講座を行っているところもあります。夏休みなどの長期休暇にイベントとして開催されるケースもあるため、シーズンごとに確認しておくと良いでしょう。
日常とは異なる空間で食事をする体験は、子どもにとっても良い刺激になるかもしれませんね。
さいごに
食事のマナーは、日々の積み重ねで身に着けていく所作であるため、根気のいる教育です。すぐに上達しなかったとしても、日々できることが増えていく楽しみとして見守り続けることで、子どもの成長へとつながるかもしれませんね。
ときには、プロや専門家に委ねることで、親も肩の荷を下ろしましょう。良かったら、お子様の成長にお役立てくださいね。