幼児期の友達とのトラブル対応はどうする?4つの注意点とは
幼児期の友達とのトラブルの原因
幼児期の子ども同士のトラブルの原因はさまざまなですが、具体的にどのようなケースが多いのでしょうか?
おもちゃの取り合い
子ども同士のおもちゃの取り合いは日常茶飯事ですが、相手に遠慮して自分の子どもに我慢をさせることを選ぶママ・パパも少なくありません。しかしただ一方的に我慢を強いられても、子どもは納得することが難しいでしょう。
とくに2歳以降の子どもは、違うおもちゃや遊びに気をそらそうとしても上手くいかないことも。子どもの遊びたい気持ちに寄り添ったうえで、友達と順番を守って仲良く遊ぶことの大切さを教えてあげられるといいですね。
攻撃された・攻撃した
小さな子どもにとって、自分の気持ちを言葉で上手く表現することは難しいため、自分の思い通りにならないことがあると、感情任せに相手を叩いたり噛んだりしてしまうことがあります。
またその一方で、嫌なことがあってもそれを主張できず、黙り込んでしまう子どもも。そんなタイプの子どもは、何をしてもやり返してこないからと、周囲の子どもから攻撃を受けやすい傾向があるそうです。
「暴力はいけないこと」だと厳しく教えるのはもちろん、子どもがほかの子どものターゲットになっているときは、逃げるよう促すのも選択肢のひとつです。
友達の輪に入れない
昨日まで仲良く遊んでいた友達に急に仲間外れにされたり、今まで喧嘩ばかりしていたのにある日突然仲良くなったりと、子ども同士の関係が大きく変化するのはよくあることだといいます。
子どもが友達の輪に入れない状態が続いて悩んでいる場合は、先生に相談してみたり、違うグループの子どもと遊ぶことを提案してみたりしてもいいでしょう。また子どもを輪にいれてくれない友達相手に、ママやパパが「いつも○○と遊んでくれてありがとう」と登園時などに声掛けするのもおすすめです。
「うちの子に意地悪しないでね」と責めるより、相手の罪悪感を刺激しやすいといいます。
友達とのトラブル”6つの対応法”
我が子が友達とトラブルになったら、親としてどのように対応すればいいのでしょうか?
1.見守る
子ども同士のトラブルには、基本的に余計な口出しや手出しはせず、見守ってあげることをおすすめします。どうすれば友達と仲良く遊べるのか自分で考えて行動することは、子どもの成長につながるはずです。
子どもが必要としていないのに親が介入してしまうと、子どもが気持ちの整理をつけられず、根本的な解決につながらない可能性も。トラブルに悩む子どもを見ているのは、親としてつらいものですが、子どもを信じてあげることが大切なのかもしれません。
そのうえで子どもが助けを求めてきたら、適切なサポートをしてあげてくださいね。
2.普段通り接する
子どものことが心配だからと、普段と様子の違う子どもに対して過剰反応してしまうと、子どもはより精神的に追い詰められてしまうかもしれません。ママやパパが普段通り子どもと接することで、子どもの心が軽くなり、冷静にトラブルに向き合えることでしょう。
3.子どもの話を聞く
子どもが友達とのトラブルに思い悩んでいるようなら、じっくりと話を聞いてみてもいいかもしれません。このとき、話の途中でママやパパの意見を押し付けたりせず、最後までしっかりと話を聞いて、気持ちに寄り添ってあげることが大切です。
自分の話をきちんと聞いてもらえることで、子どもは安心することができるのではないでしょうか?ただし、子どもは自分に都合の悪いことを隠すことも多いもの。子どもの話だけを鵜呑みにせず、真実を見極めることが必要です。
子どもの話を無条件でなんでも信じてしまうと、子どもは「バレなければ悪いことをしても大丈夫」だと認識してしまうかもしれません。
4.周囲の話を聞く
子どもだけでなく、先生や子どもの友達・保護者など周囲の話も聞くようにすると、客観的にトラブルの状況を把握することができるでしょう。とくに先生に相談という形で話をしておくと、その後園での様子を気にかけてもらえるかもしれません。
また子どもの話だけを聞くと深刻そうなトラブルも、周囲の話を聞くと実はそうでもなかったというケースもあります。例えば、子どもは「○○ちゃんがいっしょに遊んでくれないの」と悲しんでいるので先生に話を聞いてみたところ、一日のうちに何度も喧嘩と仲直りを繰り返しているといった具合に。
子どもの話を鵜呑みにすると、ママやパパも不安が膨らんでしまうかもしれませんが、周囲の話を聞くことで心配も軽減されるかもしれませんよ。
5.相手の友達・保護者に謝罪する
もしも自分の子どもは友達に怪我をさせてしまったら、たとえ相手に非があったとしても謝罪するようにしましょう。子どもにとって、親の謝る姿を目の当たりにするのはショックが大きいもの。だからこそ「どんな理由があっても相手を傷つけてはいけない」ということを強く印象付けられるかもしれません。
ただし、園の方針によっては子ども同士のトラブルが起こった場合、トラブルになった相手の名前は告げられないことがあります。園で起こったことはあくまで園の責任であり、保護者間のトラブルを防ぐために相手を知らせないことを選択するケースが多いようです。
6.相手の気持ちを想像させる
子ども自身に、トラブルになった友達の気持ちを考えさせるのも、おすすめの方法です。相手の気持ちになることで、自分のどんなことがいけなかったのか、どうすればよかったのか考えられることでしょう。
もしもそれが難しければ、ぬいぐるみなどで同じ状況を再現してみてもいいですね。「大変!くまくんがうさちゃんに噛まれて泣いているよ。くまくんはどんな気持ちかな?」などと問いかけてみてはいかがでしょうか?
友達とのトラブルを減らす方法
できるなら、子どもの友達とのトラブルを減らしてあげたいものですよね。そんなときは、下記のような方法を試してみてはいかがでしょうか?
「いや」という気持ちを伝える練習をする
おもちゃをとられたり、順番を抜かされたりと、嫌なことをされてもとっさに反応できずに固まってしまう子どもも少なくありません。そうすると、子どもの嫌な気持ちが周りの友達に伝わらず、嫌なことをしても大丈夫な子だと認識されてしまう可能性があります。
そうならないよう、嫌なことは嫌だときちんと意思表示する練習をしてみてはいかがでしょうか?また明確に嫌だと伝えることができると、近くにいる先生もフォローがしやすいはずですよ。
「どうぞ」の練習をする
友達といっしょに遊ぶときは、順番を守ることが必要になります。園や公共の場のおもちゃや遊具を独り占めしてしまうと、友達が使いたがったときにトラブルに発展してしまいかねません。
そんなトラブルを防ぐため、まずはママやパパと「どうぞ」の練習をしてみてはいかがでしょうか?ただし「順番を変わりなさい」と命令をしたり、譲りたがらない子どもを責めたりしないように注意してくださいね。
実際に子どもが友達と遊ぶときのように、ママやパパが子どもが使っているおもちゃを「貸して」とお願いしてみましょう。そのうえできちんと「どうぞ」ができたらしっかりと褒め、できなかった場合は「どうして?」「お願い、貸して」などと引き下がってみてくださいね。
そうして遊び感覚でトレーニングすることで、子どもも楽しみながら「どうぞ」を身に付けることができることでしょう。そうして「どうぞ」に慣れておくと、遊びたいおもちゃを友達に譲ったあとも、気持ちを切り替えて違う遊びを楽しめそうですね。
幼児期の友達とのトラブル”4つの注意点”
子どもが友達とトラブルになったとき、注意したほうがいいポイントをご紹介します。
頭ごなしに叱らない
子どもが友達とトラブルになったとき、自分の子どもが一方的に悪いように見えても、頭ごなしに叱りつけないようにしましょう。子どもには子どもの言い分や気持ちがあるため、それを無視せず、まずはしっかりと子どもの話に耳を傾けましょう。
親の価値観だけを押し付けるのではなく、子どもの意見も尊重してあげてくださいね。
根気強く対応する
トラブルが解決したと思っても、子どもは何度も同じトラブルを繰り返すことも少なくありません。「またか」とイライラしてしまうかもしれませんが、子どもを突き放さずに根気強く対応するようにしましょう。
そうしたトラブルを繰り返す中で、子どもは人間関係の築き方を学んでいけるはずですよ。
日頃から様子を気に掛ける
子どもは、トラブルを抱えていてもママやパパに内緒にしてしまうことも多いもの。しかし子どもは普段通りにしているつもりでも、元気がなかったり食欲がなかったりと普段と様子の違う部分も出てくることでしょう。
そうした些細な子どもの変化を見逃さないよう、日頃から子どもの様子を気にかけてあげてくださいね。日常的に子どもと向き合い、コミュニケーションをしっかりととっておくと、本当に困ったときにきちんと相談してくれるはずです。
相手の保護者に直接抗議しない
子どもが友達とトラブルになっている話を聞いたからといって、相手の保護者に直接抗議をするのはおすすめできません。子ども同士は喧嘩をしても意外とすぐに仲直りできることが多いですが、保護者間のトラブルに発展してしまうと、その後関係を改善するのが難しくなることも。
園などでトラブルが起こっているようなら、相手の保護者ではなくまずは先生に相談してみてはいかがでしょうか?きっと双方の子どもにとって良い形で対応してもらえることでしょう。
筆者の子どもも、幼稚園に入園したばかりのころ、隣の席の友達と喧嘩ばかりしていました。「お友だちが蹴ったり、嫌なことをしたりしてくるから幼稚園に行きたくない」と娘に言われたときは驚き、しばらくたっても続いていたため担任の先生に相談することにしました。
先生はすぐに対応してくださり、席替えをして例の友達と離れた席にしてくれたので、その後喧嘩の回数は飛躍的に少なくなったようでした。当時から2年が経った今では、仲良しの友達の話の中に当時喧嘩していた友達の名前が頻繁に上がるようになり、安心しました。
また当時の娘は自分の被害ばかりを訴えていたのですが、よく話を聞くと娘のほうからちょっかいをかけたり、やり返したりしていたこともあったのだとか。子どもの話を鵜呑みにしてはいけないというのは本当だと実感させられた出来事でもありました。
さいごに
子どもが友達とトラブルを起こしていると心配になってしまいますが、そうしたトラブルを通じて子どもは人間関係について学んでいくもの。子どもの成長の機会を奪わないよう、必要以上の介入はしないように注意しましょう。
ママやパパは見守りに徹し、必要があれば先生などと協力しながら子どもの精神的なケアをしてあげるといいですね。