【絵本収納のポイント】探しやすく片付けやすい収納方法とは?
読みたいときにすぐ手に取れる絵本収納を目指そう
子どもにとっての読書とは、「言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである」とあります。(引用:子どもの読書活動の推進に関する法律:文部科学省(「子どもの読書活動の推進に関する法律」第2条より抜粋 https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/hourei/cont_001/001.htm)
子どもにたくさん本に触れてもらうためには、親が本の収納の仕方を工夫しなければなりません。子どもが取り出しやすく、すぐに本に触れられるような環境を作ることが、子どもを読書好きにするポイントであるともいえます。子どもが本を読みたいときに、すぐに手が伸ばせる環境を整えておきたいですよね。そのために、子どもが自分で簡単に本が取り出せて片づけられる絵本収納を目指しましょう。
取りやすい&片付けやすい絵本収納のポイント
子どもが自分で簡単に本を取り出せる絵本収納を作るために大切なポイントを3つご紹介します。
ポイント1:動作が少なく導線が短くなるように配慮する
大人も子どもも、目的にたどり着くまでの動作が多いととても億劫です。
例えば、ギュウギュウに押し込まれた本は、読みたい本がどこにあるのか探すのにも時間がかかり、本を取り出すときも、力を入れて引き抜かないといけません。
積み上げられた本の一番下に読みたい本があれば、上の本を下ろすことから始めないといけません。
読みたい本が届かない高さに置かれていたら、イスを使って登り高いところに手を伸ばしたり、大人を呼んで本を取ってもらったりと、手にするまでに手間がかかります。
目的にたどり着くまでの動作が多いと、くじけてしまうかもしれません。
しかし、子どもが自分の手が届く高さの棚に、取りやすいかたちで本が並んでいれば、「読みたい!→手に取る→読む」これだけです。
また、読む場所の近くに絵本棚があれば、「本を取り出す→読む」「読み終わる→片付ける」と導線がスムーズになり、片付けもしやすいでしょう。
ポイント2:絵本の指定席を決める
自分で簡単に片づけられることも大切です。
しまう場所が決まっていないと、どこにしまえばよいか分からず、絵本が迷子になる原因になります。
絵本の場所が決まっていれば、探すときも片付けるときもスムーズ。探すのにかかる時間を短縮できます。
ポイント3:絵本収納の見直しは子どもと一緒に行う
子どもが使いやすい環境に整えるためには、主役のお子さんと一緒に取り組むことが大事です。
子どもが使う部分の収納を、親の常識や価値観で勝手に進めると、なかなかうまくいきません。
子どもにインタビューをしたり、絵本の出し入れをする普段の様子を観察したりして進めましょう。子どもが自分でモノを管理する練習の機会にもなります。
子どもの方からこうしてみたら?などナイスアイデアが出てくるかもしれませんよ。
探しやすい&片付けやすい絵本収納のプロセス
ここからは、絵本収納を進める手順を見ていきましょう。
少し手間に感じる部分もあるかもしれませんが、ご紹介するプロセスを経て完成した収納は、リバウンドしにくく、良い状態を保ちやすいおすすめの方法です。
参考にしてみてくださいね。
プロセス1:家における絵本の量・絵本との付き合い方を考える
ギュウギュウで絵本が取り出しにくい。下の絵本が取れない。という状態では、子どもが自分で出し入れできません。
まず、本の量について考えてみましょう。
家の収納スペースが広ければ、図書館のように絵本をずらりと並べられますが、実際は、そこまで多くは持てません。おもちゃや服など、他のモノとのバランスも考える必要もあります。
おすすめの絵本の量は、「本棚に収納できるだけ」を目安にするとよいでしょう。
絵本が溢れてしまっているという場合でも、「思い出深い絵本を捨てるのは気が引ける」「子どもの興味はころころ変わるし、また読むかも」「今は読まれていないけど、下の兄弟のために取っておきたい」など、絵本を手放す事に気が進まない方は多いと思います。
その場合は無理に手放さずに、衣類の衣替えをするようなイメージで、定期的に本の入れ替えをするのがおすすめです。
本棚には子どもが現在興味のある本や、季節にぴったりの本を一軍として並べ、その他の絵本は、二軍としてシーズンオフの衣類と同じく収納庫に入れてしまいましょう。
また、図書館をうまく活用して借りる絵本、所有する絵本の量を決めるのもおすすめですよ。
プロセス2:家の絵本を全部出して・集めて・仕分けする
絵本の収納を見直す時には、まず家にある全ての絵本を出して一ヵ所に集めてみましょう。
集めると総量が把握できる他、「同じような種類の絵本がたくさんある」、「この絵本はこの頃全然読んでない」と子どもの興味や成長を改めて認識したり、「この本があることを忘れていた!」と発掘したり色々な発見があります。
絵本は購入する以外にも、人からプレゼントでいただくなど増える機会が多いアイテムです。片付けをするときは、次のように4つ仕分けしてみましょう。
- 「気に入ってよく読む・お気に入りの絵本」→本棚に並べる
- 「時々読んでいる絵本」→本棚に並べるor二軍として収納庫に待機
- 「現在は読んでいないけど手放したくない絵本」→二軍として収納庫に待機
- 「ボロボロになっている・もう読まないなど手放す絵本」→寄贈、寄付、処分
4つに仕分けをした中から、一軍として絵本棚に並べるのは「1.よく読む・お気に入りの絵本」、「2.時々読んでいる絵本」となります。
次の項で1,2をさらに分類して分かりやすくしていきます。
プロセス3:絵本を分類してさらに分かりやすくする
4つに仕分けた本の中から「1.よく読む・お気に入りの絵本」と「2.時々読んでいる絵本」をさらに分かりやすくするため分類します。
「本の大きさ別」「持ち主別」「ジャンル別」など色々な分け方がありますが、本が選びやすく、片付けやすければ分類方法は何でもOKです。細かくなくざっくりとした分類で大丈夫。絵本棚は、絵本を読む子ども達がパッと見て分かりやすいことが一番重要です。
ちなみに本棚をすっきり見せるには、本の背の高さを揃えて並べるのがおすすめです。分類の仕方に迷ったらとりあえず本の背の高さを並べてみましょう。
毎日はちょっと大変という方も、来客などがあるときにササッと背を揃えるだけでも印象がスッキリするので是非、覚えておいてくださいね。
本を図書館などで借りてくるご家庭は、自宅にある本と混ざらないように、借りて来た本の置き場所を別に作っておくとよいでしょう。
プロセス4:子どもが分かるように本と棚にラベルを付ける
次に、分類した本のグループごとに印を付けましょう。
図書館の本は、本の背の下部分にどのジャンルの本か、どこの棚に収める本かが分かるようにシールが貼られていますよね。それをそのままお手本にした方法です。
本のジャンル別に分けた場合だと、乗り物=赤、動物=黄、音が鳴る本=緑、といった感じでグループごとの印をつけます。子どもの年齢や文字、図形の理解度に応じて、イラストやカラーシールなどで、マスキングテープを貼ってラベルにするのもおすすめです。
また、棚から全部の絵本が出払った場合にも、迷わずに戻せるように、棚の手前あたりにも、収めるグループの絵本と同じ印を貼っておきましょう。片付ける場所がパッと見て分かれば、お片付けのハードルが低くなります。
また、視覚的に分かりやすくすることで「この絵本を黄色シールの棚に収めてくれる?」というように、子どもに対して具体的な声かけができます。
プロセス5:絵本が倒れないように仕切りを使って絵本を入れる
棚の中で絵本が倒れてしまうと出し入れが困難になるため、しっかり立てられるよう仕切りを活用しましょう。ファイルボックスを使うと小さな絵本の収納に便利です。
スーっと絵本が取り出せるように、ボックスの背面部分を床面に置き、寝かせて使用するのがおすすめ。
本を仕切るといえば、ブックエンドが思い浮かぶ方も多いと思いますが、絵本を出し入れするうちに意外とズレやすいので、連結タイプのブックスタンドもおすすめです。
さいごに
今回は、子どもがいつでも自分で絵本を取り出せるようにするための絵本収納をについてご紹介しました。「探しやすい・取りやすい・片付けやすい」環境になると、きっとより絵本が身近になりますよ。ぜひご自宅でも取り入れてみてくださいね。