子どもの想像力を育む方法とは?家族ができることとおすすめの遊びをご紹介
「想像力」とは考えを生み出して膨らませること
「想像力」とは、実際に目で見る・耳で聞くといった体験をしていないものに関して、自分の頭の中で考える力を指しています。頭の中にある自由な発想を広げていく「想像する」という行為は、さまざまなものを生み出す原点になるのです。豊かな想像力は、まわりにいる人との関わりの中で育まれていきます。
想像力が最も発達しやすい時期は、幼児期から学童期のあいだです。家族や友達、幼稚園や学校で関わる人々とコミュニケーションをとる中で、想像力を伸ばす工夫を取り入れていくとよいでしょう。
想像力を身につける3つのメリット
幼少期に想像力を身につけておくことには、大人になってからも役立つ多くのメリットがあります。子どものうちに想像力を伸ばしておくメリットを3つご紹介しましょう。
「創造力」を向上させるために役立つ
「想像力」と似ている「創造力」ですが、この2つの言葉の意味合いは異なります。「創造力」は、頭の中で発想したことを独自の方法を駆使して実際に創りあげること。高い創造力をもっていることによって、自分で生み出した手段によって具体的な問題解決に取り組めます。創造力を向上させるためには、原点となる「想像力」が必要です。また、自分で考えて生み出すことは、さらなる発想を広げることにもつながります。
社会生活で必要不可欠な2つの能力を向上させるためにも、まずは豊かな発想のもととなる想像力を高めておくといいでしょう。
豊かな心と健やかな身体を育むことにつながる
想像力は、まわりにいる人々との関わり合いの中で向上します。相手の気持ちを想像する機会が増えるため、まわりにいる人の気持ちを理解しやすくなるのです。相手の立場に立って考え、自分自身の判断で主体的に行動を移せることは、良好な人間関係の構築にも役立ちます。また豊かな心は、健やかな身体を維持するためにも大きな役割を果たすのです。
成長の過程でより多くの人と関わる必要がでてくるため、想像力は社会生活を営むうえで非常に重要な能力といえるでしょう。
社会的な自立の基礎を培う手助けとなる
想像力を高めることは、相手の気持ちを理解して良好な人間関係を構築するために役立ち、自分の考えを形にする「創造力」を高めることにもなります。この2つの力を備えておくことは、社会的な自立の基礎を培うために重要な役割を果たすのです。
幼いころから子どもの意思を大切にし、感性や表現力とともに想像力を高められるようサポートしてあげるといいでしょう。
子どもの想像力を向上させる3つの遊び
子どもの想像力は、普段の遊びの中でも伸ばすことができます。子どもの想像力向上に役立つ3つの遊びをご紹介しましょう。
「お絵描き」思い描いたものを表現できる
頭の中で思い描いていた想像を絵にかいて形にするお絵描きは、想像力を養うためにぴったりな遊びです。このとき、子どもがつくる作品に対して指摘や否定をしないよう注意しましょう。子ども自身がもっている自由な発想に任せることが大切です。
「ゾウさんのお鼻はどんな形だったかな?」「ネコさんのお耳はどんな形?」など、想像を膨らませる手助けとなる声かけも試してみるといいでしょう。
「ごっこ遊び」人間関係の構築に役立つ
お店屋さんごっこやおままごとなどのごっこ遊びは、自由自在な子どもの想像力を駆り立てやすい遊びです。現実では起こりえない子どもならではの世界観があるかもしれませんが、子どもの発想を壊してしまわないように気をつけましょう。
外で遊ぶ鬼ごっこでは、友達といっしょに役割を決めて遊ぶため、人間関係の構築に役立ちます。自分や相手の役割をイメージしながら遊ぶことで、広い視野をもった人間へと成長できるでしょう。
「砂場遊び」自由な発想と社会性を向上させる
お絵描きと同じく、何もないところからスタートして自分の想像を形にしていく砂場遊びは、自由な発想を育てることに役立ちます。砂場では、大きな山や泥だんご、穴をつくることも可能です。
さらに、砂場で使う道具を近くで遊ぶ子ども同士でシェアする場面も多くあります。自分だけでなく、周りにいる友達とも交流できる砂場遊びは、社会性を身につけることにも役立つでしょう。
子どもの想像力を伸ばすために家族ができる5つのこと
子どもの想像力を伸ばすためには、子どもが想像力を働かせやすい環境を用意してあげることも大切です。子どもの想像力を伸ばすために家族ができる5つのことについて解説しましょう。
1.子どもがのんびりと想像できる時間をつくる
子どもがゆったりと自分の時間をもっているときには、想像力も働きやすくなります。大人のスケジュールに合わせていると、子どもが自由に遊ぶ時間も少なくなってしまいがちですが、ときには広々とした公園や芝生のうえでゆったりと過ごす時間をとってみましょう。
何もない場所であっても、子どもにとっては想像力を膨らませる絶好のスポットとなるのです。
2.遊ぶための時間と空間を用意する
子どもの想像力を高めるためには、遊ぶことが最も有効な手段といえます。想像力が発達しやすい幼児期や児童期には、できるだけ多く遊ぶ時間を与えてあげましょう。
また、遊ぶための空間づくりも大切です。ボールを使ったスポーツをする、自然豊かな公園へ行ってみるなどちょっとしたひと工夫を取り入れてみると、いつもの遊びもさらに想像を膨らませやすくなります。
3.子どもの興味や言葉に耳を傾ける
子どもが興味や関心を持っていることに対しては、できるだけ寄り添って耳を傾けることが大切です。子どもが気になっていることへの質問を投げかけてみてもいいでしょう。答えを言わずに質問することで、感じていることをより深く想像するための手助けとなります。
せっかく想像を膨らませていたところを中断してしまう行為は、できるだけ避けてあげてください。
4.子どもの社会的なネットワークづくりをサポートする
想像力は、ピアノやダンス、演劇などの習いごとでも身につきやすくなります。絵や粘土などの見える形で表現することや、言葉で伝えることが苦手であれば、音で表現するピアノを試してみるといいかもしれません。またダンスや演劇は、チームで活動することによって人間関係の形成やコミュニケーション能力を向上につながります。
子どもがさまざまな人と関わりがもてるよう、興味をもった習いごとにはなるべく参加させてあげてサポートできるといいでしょう。
5.自己表現したいことを発表する機会を設ける
幼稚園や学校、習いごとなどで出来上がった作品を子どもが見せてきたら、しっかりと寄り添って耳を傾けましょう。このときには、善し悪しの評価なしで表現できたことのありのままを受けとめてあげてください。
自己表現したことをしっかりと受け入れてもらえることで、今後のさらなる想像力向上にもつながるでしょう。
さいごに
子どものうちに想像力を伸ばしておくメリットとおすすめの遊び、家族ができるサポート方法をご紹介しました。独自の発想で生み出す力や、良好な人間関係の構築にも役立つ想像力は、幼児期から児童期のうちに育んでおくことが大切です。将来、社会で自立していくためにも、遊びの中から想像力を高めておくといいかもしれませんね。