子どものお子どものお手伝いの効果とは?年齢別おすすめのお手伝いと注意点
子どものお手伝いの効果
子どもにお手伝いをしてもらうと、さまざまな効果が期待できるといいます。具体的にどのような効果があるのでしょうか?
生活能力を育む
料理や掃除、洗濯といった家事は、将来子どもが生活していくうえで必要になるものですが、日々の積み重ねを通して少しずつ身に付けられていくものでしょう。学校でも家庭科などの授業で教わることがありますが、短時間ではなかなか身につかないことも多いはずです。
お手伝いで生活能力を育むことは、子どもの生きる力を培うことにもつながりそうですね。
脳の発達を促す
水に濡らしたぞうきんをしぼったり、玉ねぎの皮をむいたりと、しっかりお手伝いをする中で、子どもの視覚や触覚などの五感を刺激することができるでしょう。そうした刺激は脳の活性化につながるともいわれています。
また家事を上手にこなすためには、手や指先を器用に使う必要がありますよね。初めのうちはあまり上手にできないかもしれませんが、繰り返し練習をすることによって、子どもの手先の器用さが育まれていくでしょう。
手は第二の脳ともよばれる脳との関係が深い部位なので、手先を動かすことは脳へも良い刺激を与えてくれるかもしれません。
段取り力が育つ
家事をスムーズにこなすためには、先の見通しを立て、段取りよく作業をこなさなくてはなりません。お手伝いに慣れるまでは効率まで考えるのは難しいでしょうが、経験を重ねるうちにより効率の良い方法を模索していけるはずです。
そうした段取り力は、子どもの効率的な学習にもつながるかもしれません。
自信がつく
お手伝いは、子どもの成功体験の積み重ねとしても役立ってくれることでしょう。繰り返しお手伝いをする中でどんどんできることが増えると、子どもは達成感を得られるはずです。そうした達成感は、子どもの自信にもつながりそうですね。
また家事のお手伝いをすることで「家族の役に立った」という実感を得られると、子どもの自己肯定感も培われていくのではないでしょうか?またお手伝いという形で自分の仕事に責任感を持って取り組む経験は、社会生活でも大いに役立ってくれそうですね。
考える力を培う
お手伝いに慣れていない子どもにとって、大人と同じように家事をこなすことは難しいですよね。しかしどうすれば大人のように上手にできるのか試行錯誤する経験は、子どもの思考力を伸ばしてくれることでしょう。
親子のコミュニケーションになる
お手伝いのやり方を教えたり、いっしょに家事をしたりすることは、親子の良いコミュニケーションになることでしょう。普段忙しくてなかなか子どもとの時間を作れないという人も多いですが、いっしょに家事をしながらだと親子の会話も増やせそうですね。
またお手伝いを通して、ママやパパの日頃の苦労を子どもが感じ取ってくれるかもしれません。家事の大変さは、実際に経験してみないと想像しづらいもの。細々とした家事を日々積み重ねることで、家族の生活が成り立っていると知ることで、子どもの家族への感謝の気持ちや自立心を伸ばしていけるかもしれません。
年齢別おすすめのお手伝い
子どもにお手伝いをしてもらいたいと思っていても、どんなことをお願いすればいいのか悩む人も少なくないでしょう。ここからは、子どもの年齢別におすすめのお手伝いをご紹介します。
ただし子どもの成長や発達には個人差があるので、あくまで目安程度に考えてくださいね。
1~2歳
1~2歳頃の子どもにお手伝いをお願いするときは、子ども自身の生活にまつわるものをおすすめします。おもちゃの片付けや、食事の際の箸並べ、洗濯物運びなど、子どもが無理なくできそうなお手伝いを選んではいかがでしょうか?
まだ指先などを自在に動かすことが難しい年齢なので、怪我の危険の少ないものだと安心ですね。
3~4歳
3~4歳頃になると、手先も器用になってくるので、本格的にお手伝いをしてもらいやすくなるでしょう。玉ねぎの皮むき、卵の殻割りなどの簡単な調理の手伝いや、玄関の靴並べや洗濯物畳みなど幅広いお手伝いに挑戦してもいいですね。
また植物やペットの世話をお願いすると、責任感を持って取り組みやすいかもしれません。子どもの洗濯物を自分で畳んでもらったり、子どもの使った場所の片付けや掃除をお願いしたりすると、子どもの自立にもつながるのではないでしょうか?
好奇心旺盛でいろんなことに挑戦したがる時期なので、一つのことにこだわりすぎず、子どもの興味のあるお手伝いにチャレンジさせてみるのもおすすめです。筆者の4歳の息子も最近いろいろなお手伝いをしたがるので、できる限りのことはお願いするようにしています。
簡単な洗濯物を干したり、料理の乗ったお皿を運んだり「難しいだろう」と思っていたことを意外と器用にこなすようになっていて、子どもの成長を実感しています。
5~6歳
このころになると、子どもも心身ともに成長し、難しいお手伝いにも挑戦できるようになってくるでしょう。お風呂掃除や包丁や火を使う調理など、怪我のないよう見守りながらやらせてみてもいいかもしれません。
ほかにも洗濯物を干したり、畳んだ洗濯物を片付けたりと幅広いお手伝いにチャレンジしてもらってもいいですね。
子どもにお手伝いをしてもらうときのポイント
子どもにお手伝いをお願いするとき、どのようなポイントを意識すればいいのでしょうか?
子どものやる気を尊重する
小さな子どもがお手伝いをしたがっても「まだ難しいだろう」「危ないかもしれない」などと理由をつけて断りたくなるかもしれません。しかし子どもが意欲的にお手伝いをしたがる時期は、あまり長く続かないといいます。
子どもがやりたがってもやらせずにいると、子どもはお手伝いへのやる気を失ってしまう可能性があります。そのため、なるべく子どものやりたい気持ちを尊重し、できる限りやらせてあげてはいかがでしょうか?
ただし毎回子どもに付き合うのは、ママやパパにとって負担が大きいですよね。忙しくて時間がとれないときや、大きな怪我につながりかねない場合など、やむを得ず断る場合は、きちんと理由を説明してあげるといいでしょう。
また別の機会にお手伝いをお願いしたり、危険の少ないお手伝いを提案したりすることも大切かもしれません。
具体的にお願いする
子どもにお手伝いをお願いするとき、漠然と「お手伝いして」などと伝えると、子どもは何をすればいいのかわからずに混乱してしまうかもしれません。そのため、具体的にどんなことをしてほしいのか説明してからお願いするといいでしょう。
またいきなり難しいことをお願いしてしまうと「どうせできないから」と子どもが消極的になってしまうかもしれないので、無理なくこなせそうな簡単なことからお願いし、少しずつステップアップしていってもいいですね。
子どもの成長・発達に合った手伝いを提案する
子どもの成長や発達には個人差があるため、それぞれ「できること」「できないこと」は異なります。難しすぎるお手伝いをお願いすると、子どもの自信を損なってしまうことが憂慮されるので、注意が必要です。
子どもの興味のあるお手伝いをお願いする
子どもにお手伝いをお願いするときは、子どもの興味や関心のある分野を選ぶといいかもしれません。きっと、モチベーションをより高められるはずですよ。また大人がお手伝いの内容を決めてしまうよりも、子どもに何をするのか選ばせた方が自主的に取り組みやすいかもしれません。
子どもの興味のありそうなお手伝いを複数候補として提案し、その中から子ども自身にやりたいものを選んでもらってはいかがでしょうか?
お手伝いしやすい環境を整える
いくら子どもがお手伝いにやる気を出していても、お手伝いしやすい環境が整っていないと上手くいかず、すぐにさじを投げてしまうかもしれません。そうならないよう、子どもの使いやすい道具や踏み台を用意するなど、子どもがお手伝いに取り組みやすいよう準備してあげるといいですね。
見守りに徹する
子どもにお手伝いをお願いするときは、まず何をどうするのか、わかりやすい言葉で説明したりお手本を見せたりしてあげましょう。その後は、基本的に余計な手出しや口出しはせずに、見守りに徹することをおすすめします。
子どもの作業をみていると、ついサポートや助言をしたくなるかもしれませんが、子どもが自分の頭で考えながら頑張ることに意義があるといいます。子どもの成長の機会を損なわないよう、時間がかかっても待つことを意識するといいですね。
また子どもが上手にできずに助けを求めてきたときは、代わりにすべてやってあげるのではなく、ヒントを出すなど適度なサポートに留めましょう。
毎日続けることを重視する
気が向いたときだけ、たまにやるだけではお手伝いの効果は十分に得られないといいます。小さなことであっても毎日コツコツ続けることは、子どもの継続する力を育てることにもつながるはずです。
感謝を伝える
子どもがお手伝いをしてくれたら、きちんと言葉や態度で感謝の気持ちを伝えてあげてくださいね。そうして「家族の役に立った」と実感できることで、子どもは次からもお手伝いを頑張ろうと考えられるかもしれません。
子どもにお手伝いをしてもらうときの注意点
子どもにお手伝いをしてもらうときは、下記の点に注意することをおすすめします。
叱らない
子どもがお手伝いに失敗してしまっても、叱らないように気を付けましょう。大人でも経験したことのないことを初めから上手にるこなすは難しいもの。失敗したからと叱られてしまうと、やる気や自信をなくしてしまうかもしれません。
「失敗は成功のもと」というように、失敗から学び成長できることは多いもの。できなかったことではなく、一生懸命やろうとした努力に目を向けて褒めてあげると、次も頑張ろうと考えられそうですね。
上達までのペースは人それぞれなので、焦らず子どもの成長を見守ってあげてはいかがでしょうか?
比較しない
子どもの友だちやきょうだいなど「ほかの子はできるのに」とつい比較してしまうママ・パパも少なくないでしょう。しかしそうした比較は、子どもの自己肯定感を下げてしまう危険があるといいます。
あくまでも子ども自身の成長に目を向け、ほかの子どもと比べないように気を付けてくださいね。
安全を重視する
家事の中には、アイロンがけや包丁を使った調理など、大きな危険につながるリスクがあるものも少なくありません。子どもの発達に合わせて、お手伝いをお願いする内容を考慮し、子どもが安全に取り組めるようにしてあげてくださいね。
また「危険なものを扱うときは目を離さない」「正しい道具の使い方を教える」などといった対策も徹底しておくといいでしょう。
さいごに
小さな子どもにお手伝いをさせると、余計に大人の手間が増えて苦労するケースも多いですよね。確かに子どものお手伝いを即戦力として期待するのは難しいですが、子どもの成長とともにきっと大きな家事の助けとなってくれるはずです。
子どもが前向きにお手伝いを続けられるよう、多少の失敗には目をつむってあげてはいかがでしょうか?もしやり直しが必要な場合は、子どもの目につかないように配慮してあげると、やる気を損なわずにすみそうですね。