子どもに日にち感覚が身につくのはいつごろ?体験談やおすすめグッズもご紹介
過去・現在・未来を区別できるようになるのはいつ?
5歳ごろになると「昨日・今日・明日」の違いが理解できるようになります。明日の予定が一日たつと今日の予定になり、さらに一日たつと昨日のできごとになるという経験から、連続する時間の流れがわかるようになるでしょう。また、「一昨日」や「明後日」が使いこなせるようになるのは、おおむね6歳ごろとされています。
東京学芸大学がおこなった、5歳児の未就学児7名と6歳の小学生8名を対象にした研究によると、「明日・昨日」については5歳児の約7割が、6歳児は全員が理解できていることがわかりました。一方で、「一昨日」の正解率は6歳児で62.5%、5歳児で28.6%に。「明後日」の正解率は6歳児で87.5%、5歳児で57.1%という結果になしました。このことからも、小学校に入学した6歳頃を境に時系列をより正しく理解し、伝えられるといえます。
子どもの発達と日にち感覚が身につくまでの過程は?
子どもたちは日にち感覚をどのようにして身につけるのでしょうか。年齢別に解説します。
3歳
3歳頃は記憶力が発達し、楽しかったことや怖かったことなど印象が強いできごとを覚えていられるようになります。また、遊びや生活のなかで数を認識し始めます。
日にち感覚の点では、現在と過去の区別がつくように。ずっと前のできごとでも過去のことをすべて「昨日」と言ってしまうのもこの時期の特徴で、時間を現在と過去の二つに分けて捉えています。無理に訂正することはありませんが、会話のなかでパパママが「一昨日」や「先週」を自然に使うといいでしょう。
4歳
手先が器用になる4歳頃は、箸を使って食事ができるようになったり、歯磨きを自分できるようになったりと生活面での能力が向上する時期です。集団生活では、周囲の人に興味を持って関わることが増え社会性が身につくことで、「順番を守る」「友達を遊びに誘う」という行動が増え始めます。
さらに、一日の生活の流れや経験したことの時系列が理解できるように。「昨日は〇〇をしたよ」と前日のできごとや、その時の気持ちを記憶して自分の言葉で伝えられるようになります。日にちを理解するのはまだ難しい年齢ですが、「昨日とは何か」が感覚でわかるようになるでしょう。
5歳
5歳頃は歯磨きや入浴など身の周りのことができるようになり、友達と複雑なルールの遊びをすることが増えてきます。日付や曜日を少しずつ理解できるようになり、次の日の約束といった「未来の話」ができるようになる子もいるでしょう。先述したように「昨日・今日・明日」の時間の流れが理解できるのもこの年齢の特徴です。
また、数の概念がわかり、読み書きができるようになってくるので、今日が何日なのかを伝えられるようになってきます。
6歳
6歳になると他人の気持ちが理解できるようになり、道徳心や公共のルールがわかるように。また、カレンダーを読んで曜日が7つあること、一日ずつ順番で回ってくること、日付が〇月〇日で構成されていることが理解できるようになるでしょう。さらに、家族の誕生日やイベントを伝えると記憶できるようになる子も。楽しみな予定まであと何日なのかを数える力もついてきます。
日にちや曜日感覚を身につけるために家でできることとは?
日にちや曜日を理解できるようになると、予定を立てられるようになり自己管理能力の向上につながります。日にち感覚を身につけるために家でできる方法をご紹介するので、参考にしてみてくださいね。
パパママと一緒に毎朝カレンダーを見る
今日は何月何日なのかを毎朝確認してみましょう。毎日続けることで、カレンダーを確認して今日の予定をイメージするのが習慣に。お家で手軽に始められるので、毎日のルーティーンに取り入れてみてくださいね。
毎日の予定をカレンダーに記録する
幼稚園に行く日や、発表会、運動会などのイベントをカレンダーに記録するのがおすすめです。文字がまだかけなくてもシールを貼るだけで簡単にスケジュール管理ができます。一週間分の予定を書き込むことで、自己管理のスキルも身につくでしょう。
「土曜日は青色・日曜日は赤色」と曜日ごとに色分けされているカレンダーなら、色と曜日を結び付けて覚えやすいです。
イベントまであと何日かカウントダウンをする
クリスマスや誕生日など、楽しみな予定があるときは、当日まであと何日なのかをカウントダウンをしてみましょう。例えば、明後日が誕生日なら「あと2回寝たら5歳だね」というように、具体的な数字で伝えるとイメージしやすいですよ。
日にち感覚を理解するのにぴったり!おすすめの絵本2選
日にち感覚を身につけるのにぴったりの絵本をご紹介します。図書館や本屋さんで見つけたときには手に取ってみてくださいね。
風濤社「きのう きょう あした」
3日後に人形劇を見に行くベーテルとノーラのものがたりです。一日たつと明後日は明日になり、そして明日が今日になる。一日の区切り方がレトロな絵とともに描かれています。
徳間書店「きのうをみつけたい!」
楽しかった昨日に戻りたい男の子が空想を膨らませるお話です。タイムマシーンを作るのか、宇宙にある不思議な穴に入るのか…。そんな男の子におじいちゃんは「楽しい一日は昨日だけじゃなくてこれからもいっぱいある」と語る、未来への希望が詰まった一冊です。
日にち感覚を養うのにおすすめのカレンダー2選
ここからは、おすすめのカレンダーをご紹介します。子どもにぴったりのアイテムを厳選したので、チェックしてくださいね。
くもん出版「なぜなぜカレンダー」
発売から40年以上たつロングセラー商品で、一日一問クイズがついたカレンダーです。クイズは子どもにぴったりの難易度なので、毎日飽きずに楽しめるのが嬉しいですね。専門家が監修した多種多様なジャンルのクイズが、子どもの興味を広げてくれるでしょう。
アートプリントジャパン「ちずでぐるり! 世界地図カレンダー」
カレンダーと一緒に世界各国の特徴が描かれています。毎月変わるポップでカラフルな絵は、子どもの心をつかむこと間違いなし!世界遺産や食べ物、現地の人の様子も一緒に学べますよ。
【体験談】日にち感覚が身についてきたと感じたのはいつ?
子育て中のママに、子どもに日にち感覚がついたと感じたエピソードを聞いてみました。
家族の誕生日を覚えたことをきっかけに月日の流れがわかるように
年始にカレンダーをたくさんもらい、余った壁掛けタイプのものを2つほど娘用にしました。当時娘は3歳半だったので、おえかき帳として裏面を使うかなと思っていましたが、パパが紙をめくりながら1月2月……と教えてみることに。
そのなかで、1月はおばあちゃんの誕生日だよ、2月はパパの誕生日だよ、とセットで教えるのが効果的だったのか、あっというまに月と家族の誕生月は記憶できました。保育園でも毎日朝の会で「今日の日付と曜日」を確認しているようで、多少日にち感覚のベースができていたのもあるのかもしれません。そこから徐々に、今日は何曜日?何日?などと聞いてくるようになりました。
また、週末に楽しい予定があるときは、あと何回保育園行けば遊びに行けるのかを頻繁に聞いてくるので、少しずつ未来のことがわかってきたのかなと思います。しかし、過去のことはまだ整理できないようで、すべてのできごとや思い出を「昨日」と言います。(一児のママ)
取り入れたのは一日の振り返りと、カレンダーのシール貼り
もうすぐ5歳になる娘は、やっと最近昨日・今日・明日・明後日あたりまで理解できてきたように感じます。それまでは、昨日のことも明日と言っていて、未来と過去が混同していました。
連絡帳のカレンダーにシールを貼る作業や、一日の終わりに今日あったことを振り返るのは毎続けています。また、「明後日はじいじとばあばの家に行くよ」と先の予定を伝えると、「あと2回寝たら明後日?」と聞いてくるので、明後日と二日後が同じだとわかってきたようです。(三児のママ)
カウントダウンができるようになりました
5歳の長男は、幼稚園で数のお勉強や、毎朝その日の日付を確認しているためか、日付や数の概念が少しずつ身についてきているのかなと実感しています。
週末にお出かけの予定があると、その日までのカウントダウンがスタート!朝起きるたびに「あと何回寝たらお出かけ?」と毎日のように質問されます。「あと〇日だよね!」と前日の日数から一日減らした数を自分から伝えてくることも。明日の幼稚園の予定を楽しそうに教えてくれることもありますよ。(二児のママ)
カラフルなカレンダーのおかげで曜日がわかるように!
3歳8か月の子どもが通う保育園では、毎朝「今日は〇曜日です」と先生から伝えてくれているようです。そのおかげか、子どもから「ママ、今日は何にち?」とカレンダーを見ながら日付や曜日を確認するようになりました。カレンダーを見ながら「1週間のうち5回先生の所へ行くこと」と「青と赤の日がお休み」というのがわかってきているようです。
「今日は何が楽しかった?」と聞くと「おえかきが楽しかった」「明日は〇〇ちゃんと遊ぶのが楽しみ」と答えることが増えました。(二児のママ)
さいごに
子どもが日にち感覚を理解できるようになる目安をお伝えしてきました。日にち感覚は、年齢ごとに段階を踏んで身につくことがわかりましたね。「うちの子は日にちを理解できていないかも…」と不安に思うパパママは、絵本や子ども用のカレンダーを使ってみてください。
参考サイト
- 「子育て県かがわ」情報発信サイト|4歳児・5歳児の発達について 4ページ目
(https://kagawa-colorful.com/app-def/S-102/colorfulex/wp-content/uploads/tebiki0005.pdf) - 株式会社明治|2歳~3歳のお子さまの発育と発達(https://www.meiji.co.jp/baby/club/category/study/grow_child/st_grow_child57.html)
- 東京学芸大学|幼児における日付けや季節に関する言葉の理解 6、7ページ目
(https://www2.u-gakugei.ac.jp/~scsc/bulletin/vol18/18_06.pdf) - 風濤社|海外の絵本
(https://futohsha.co.jp/cate/kaigai/page/2/) - 徳間書店|きのうをみつけたい!(https://www.tokuma.jp/book/b494083.html)
- おもすく|【2024年】知育カレンダーおすすめ10選!日めくり型や無料で手作りできる方法も紹介
( https://omosuku.co.jp/media/chiiku-calendar/) - くもん出版|くもんなぜなぜカレンダー(https://www.kumonshuppan.com/product/nazenaze-calendar/)
- ソラジョブ保育士|4歳児の発達の特徴やできること、保育のねらいや接し方のポイントを解説
(https://solasto-career.com/hoiku/media/17123/) - NTTドコモ|自立心が高まる6歳児の発達の特徴とは?小学校入学に向けた準備や親の接し方について解説!
(https://comotto.docomo.ne.jp/column/00000229-2/)