かんたんレシピで料理デビューしよう!子どもが自分でできるおすすめ料理本8選
子どもの料理で身につく力とは?
近年オンラインの子ども向け料理教室が増えており、人気を博しています。子どもはおままごとの延長のように、楽しみながら取り組める子が多いようです。料理は五感をフル活用する体験です。子どもたちは料理を通して、楽しみながら感覚を伸ばし、料理のスキルを向上させられます。ここからは料理で身につく力を解説します。
一生使える料理の技術が身につく
生きている間、人は食事を摂り続けなければなりません。外食や中食産業が発展した現代社会は、ひとりでも外食をするのは当たり前であり、スーパーやコンビニでもいつでも気軽にお弁当が購入できる時代です。しかし、栄養バランスを考えながら、家計にあった食事を作るスキルがあれば、大人になってからも食事に困ることはないでしょう。
五感を刺激して感覚を養える
料理は食材を見て、材料を触り、においをかいで、調理中の音を聞いて、味わいます。五感を同時に刺激することで、感覚が養われ脳が活性化すると言われています。実際に山下満智子氏の研究「脳科学的アプローチによる調理をすることの効果に関する研究」では、調理を通して脳が活性化したという結果が報告されています。親子で料理をする機会を持つ家庭では、調理習慣により前頭前野機能を向上させ、子どもの脳機能に良い影響を与えられると考えられるのです。
日本調理科学会誌 Vol. 47,No. 1,1~8(2014)〔総説〕| 脳科学的アプローチによる調理をすることの効果に関する研究| 山下満智子
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/47/1/47_1/_pdf )
段取りを考える思考力が育まれる
料理をするには何を作りたいか、材料は何を使うか、道具はどれか、段取りはどうするかなど、さまざまなタスクをこなす必要があります。そのため、順序だてて物事を考える思考力が養われるのです。これは現代社会を生き抜くために必要な問題解決能力にもつながると考えられます。社員研修などにチームで料理をする課題を取り入れる会社もあるほどです。
食べることへの興味関心が湧く
自分で料理を作ると、食べることへの興味関心を育てられます。子どもたちは料理を通して食材に触れ、料理にはどのようなものが含まれているか理解するでしょう。ふだん偏食のある子も、自分で楽しく作った経験からおいしく食べられることも多く、偏食の改善も期待できます。
また食材や食べ物がより身近に感じられるようになります。食材の種類や調理法から食文化への興味が湧いたり、スーパーで売られている食材の価格の変動に気づいたり、日常生活から学ぶ範囲を広げられるでしょう。
自己肯定感・自己効力感が育つ
子どもが料理をすると「玉ねぎの皮むきができた」、「野菜を切れた」、「ご飯を炊けた」といった成功体験を積めます。一つ一つは小さな取り組みであっても、積み重なることで「私は料理ができる、目標を達成できる」といった、自己肯定感や自己効力感を高められるのです。
おすすめ!子ども向け料理本8選
ここからはネット書店で人気の、子どもがひとりでも挑戦しやすい調理本を紹介します。小さなうちは保護者と一緒に、成長したらひとりで挑戦してみるのがおすすめです。
5さいからのかんたんごはんづくり|大瀬由生子 (著)
こちらは写真やイラストがふんだんに使われており、5歳くらいの子どもでも絵本のように楽しく読めるレシピ本です。火や包丁を使わないレシピ、お湯を使うレシピ、レンジを使うレシピ、火を使うレシピ、とかんたんなものから徐々に難しいものに挑戦できる構成です。工程のひとつずつを写真で紹介しており、子どもにも読めるひらがなやカタカナで書かれているうえ、解説もわかりやすく、やる気を引き出してくれるでしょう。料理に興味を持った子どもへの最初の1冊として、プレゼントにもおすすめです。
秀和システム|5さいからのかんたんごはんづくり|大瀬由生子 (著)
人気料理家で、キッズ向けのオンラインクッキングスクールも手掛ける栗原心平氏による子ども料理本です。料理の前にお手伝いをしてもらうことから始まり、子どもの「作ってみたい」、「やってみたい」という意欲を引き出します。収録メニューはかんたんなドレッシングづくりや、ひとりで作る朝ごはんメニューに加え、おかずや一品料理、副菜に汁物まで網羅。料理にそれほど興味を示さない子どもには、この本で紹介されているようなお手伝いからのステップアップを試してみてはいかがでしょうか。
世界文化社|栗原心平のキッズ・キッチン|栗原心平(著)
よくできました! 一生役立つ! はじめてのこどもキッチン|鈴木薫(著)
「よくできました! 一生役立つ! はじめてのこどもキッチン」は、火や包丁を使わないかんたんなレシピから、家庭料理の定番レシピまでステップアップできる内容です。ご飯を炊くところから始まり、レタスやハムのサラダ、ゆで卵、豚の生姜焼きやカレーライスなど34のレシピが掲載されています。料理の工程や使う道具はすべて写真つきで、初めて料理にふれる子どもにもわかりやすいでしょう。付属の季節の野菜・果物表で、食材の旬も学べます。
KADOKAWA|よくできました! 一生役立つ! はじめてのこどもキッチン|鈴木薫(著)
ひとりでできる 子どもキッチン|上田淳子(著)
こちらは子どもがひとりで安全に作れるように検証されたレシピを集めた料理本です。コンセプトはひとりで留守番をするときや、仕事で忙しい家族のために料理を作れるようになる、というもの。かまぼこと揚げ玉をご飯にのせて作るなんちゃって天丼や、ツナマヨを乗せたパンなどのかんたんなものから、ハンバーグ、チャーハン、カレーライスにステップアップします。対象年齢は9歳からですが、火や包丁を使わないレシピは小さな子どもでも取り組めます。買い物や片付けまで指南してくれるので、生活力をあげられる1冊と言えるでしょう。
講談社|ひとりでできる 子どもキッチン|上田淳子(著)
料理はすごい!: シェフが先生!小学生から使える、子どものための、はじめての料理本|柴田書店(編集)
テレビや雑誌で見かける有名シェフが、自身の経験から子どもたちが作りやすいレシピを53品紹介しています。食パンや卵のレシピ、パスタ料理、白いご飯に合うおかずと汁物などシンプルでわかりやすい内容から、レストランで食べるような料理まで充実の内容。大人が食べてもおいしいレシピばかりなので、料理を学びたい大人にもおすすめです。
柴田書店|料理はすごい!シェフが先生! 小学生から使える、子どものためのはじめての料理本|柴田書店(編集)
(https://www.shibatashoten.co.jp/sp/detail.php?bid=00632200 )
世界一やさしいレシピ 料理ができる子になる本|matsuko・りんか・あんな (著)
世界一やさしいと銘打って、料理ができる子を目指せるのがこちらの1冊です。双子インフルエンサーりんあんちゃんが、実際に家で作っているレシピが紹介されています。内容は「しゃきしゃきミートソース」、「ひとくちチキン南蛮」、「永遠に飲めちゃうクラムチャウダー」など作ってみたくなるレシピばかりです。少ない材料でも、子どもひとりでできる70品のレシピを、ぜひチェックしてみましょう。
大和書房|世界一やさしいレシピ 料理ができる子になる本 (単行本)|matsuko・りんか・あんな (著)
ひとりで作って、みんなで食べよ! はじめてのごはん (Kid’s Cooking Lesson Note)|阪下千恵(著)
子どもがひとりでできるように、料理の工程を丁寧に解説したレシピ本です。ご飯やパンを使ったかんたんメニューから、フライパン、鍋、オーブントースターを使ったレシピ、汁物やスープのレシピまで内容は多岐にわたります。使う材料は少なめなので、取り組みやすいでしょう。料理の流れや、材料のはかり方の解説もついています。最初の章から火や包丁を使うレシピがのっているので、本格的に学びたい子や親子で料理をする方におすすめです。
辰巳出版|ひとりで作って、みんなで食べよ! はじめてのごはん (Kid’s Cooking Lesson Note)|阪下千恵(著)
小学生のお料理ブック: ぜ~んぶひとりでできちゃう!|新谷友里江 (著)
こちらは、小学3~4年生くらいの子がひとりで安全に作れるレシピを厳選してあります。家にある道具や材料でできて、手に入れやすい食材のレシピばかりなので、気軽に取り組めるでしょう。やさしい説明や写真つきの解説がわかりやすく、「料理は楽しい」と思えるような工夫があります。こちらは料理に慣れてきた小学生や、親子で取り組みたい方におすすめです。
家の光|小学生のお料理ブック: ぜ~んぶひとりでできちゃう!|新谷友里江 (著)
(https://www.ienohikari.net/book/detail/572 )
【体験談】実際に料理本を見て子どもが料理に挑戦してみました
6歳になった筆者の娘が「お料理がしたいな」と言い始めたので、書店で見つけたKADOKAWAの「よくできました! 一生役立つ! はじめてのこどもキッチン」を購入してみました。内容は娘くらいの子どもでもわかりやすいシンプルな解説に、様子がわかる工程写真で構成されています。本を開くなり、「これは私でもできるかな。これは小学生になったらできるかな」とうれしそうにページをめくっていました。
まずは娘が選んだミルクスープ作りに挑戦することに。「自分でやってみるからお母さん見てて」と言われたので、筆者は横で見守ります。ただし「火を使うところはお母さんとしようね」と約束しました。本を見ながら、自分で材料や道具を準備していきます。ミルクスープは、ちぎった野菜とコンソメ、牛乳で作るかんたんな工程です。小さめの鍋に材料を入れ、少し煮たらできあがりです。
料理ができた後、配膳やコップ、カトラリーの準備も自分から整えてくれました。人数分を器に入れて「ミルクスープできたよー」と家族に伝える顔はとても誇らしげ。できあがったスープは、コンソメと野菜のやさしい味でした。これ以降意欲が芽生えたようで、「次は何作ろうかな」とレシピを読んでは冷蔵庫の材料をチェックしています。ひとりで料理を作ったことで、自信がついたのだと思います。おうちで気軽にできる料理ですが、子どもが主体的に取り組むことで、さまざまな良い影響があると気づかされました。
さいごに
料理は、一生役立つスキルです。料理をすることで、技術だけでなく思考力や判断力、問題解決能力を伸ばし、自己肯定感を身につけられます。料理はあらゆる生きるための力を培うのに役立つと言えるでしょう。まずは気になった本を手に取って、親子でかんたんなレシピに取り組んでみませんか。料理を楽しみながら、段々と子どもがひとりでできるよう手助けできるといいですね。記事で紹介した本を、ぜひチェックしてみてください。
参考サイト
・農林水産省|食育とは(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/network/about/index.html )
・日本調理科学会誌 Vol. 47,No. 1,1~8(2014)〔総説〕| 脳科学的アプローチによる調理をすることの効果に関する研究| 山下満智子
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/47/1/47_1/_pdf )
・子ども料理教室|まろんずキッチン(https://www.happycook-school.com/merit/ )
・朝日新聞EduA|子どもの能力を引き出す「自炊力」 大事なのは「信じて任せる」 料理研究家の上田淳子さんに聞く(https://www.asahi.com/edua/article/14635935?p=2 )
・啓新高等学校|料理で身につく力!(https://www.keishin.ed.jp/blog/2016/08/post-2812.php )
・LEE|【オンラインの子ども料理教室が今人気の理由とは?】遊び感覚で楽しめる、知識より前に体験を…
(https://lee.hpplus.jp/column/2184860/ )
・東京ITスクール|社員研修に料理を取り入れるメリット!チームビルディングに活用(https://tokyoitschool.jp/know-how/employee_training_food/ )