きょうだい育児は大変!?きょうだい構成別の子育てのコツとケンカの対処法を解説
子どもの性格には「きょうだい」が関係する
きょうだいがいると言っても、性別や年齢差などさまざまなパターンがあります。例えば、「末っ子だから甘えん坊」などと聞いたことがあると思いますが、アドラー心理学でも「きょうだい関係が子どもの性格に大きく影響する」としています。
ここからは、子どもが上の子・真ん中の子・下の子・一人っ子だった場合の性格の特徴を解説します。
上の子
パパやママにとって初めての子どもということもあり、何をするにも試しながら育てられているので、神経質な性格で慎重に行動したり人の顔色をうかがったりするところがあります。
下の子ができると我慢する機会が増えるため、自制心や責任感が強く、頑張り屋さんが多いです。また、下の子のお世話をすることが多いので、お世話好きで優しいという傾向もあるようです。
真ん中の子
真ん中の子は、上の子や下の子、パパ、ママなど周りの人を見ることができるので、自立心やコミュニケーション能力が高くなります。パパやママの意識は上の子や下の子に向きがちなので、親に頼らず、自己完結したりわが道を行ったりする性格になる傾向も。
また、いい人間関係を築くことができる一方で、人の感情の変化に敏感です。周りの人の顔色をうかがう一面もあります。
下の子
きょうだいが多かったり上の子と年が離れていたりすると、面倒を見てもらえることが多く、甘え上手な性格になる傾向があります。
一番手のかかる下の子は、上の子やパパやママからも構ってもらえて好きなことをできるので、のびのびしている子どもが多いです。一方、上の子に負けたくない思いから自己アピールするため、自己主張が強くなります。
一人っ子
周りに自分と比べる子どもがいないので、何ごとも自分のペースで進められます。きょうだいがいる子どもとは違い、競い合うことをしないので、平和を好む性格に。
また、パパやママの愛情をたっぷり注がれ、優しい子どもが多いです。
きょうだい構成別|性格の特徴と親の接し方【兄・弟の場合】
次は、きょうだい構成が「兄・弟」「兄・妹」「姉・弟」「姉・妹」の場合の子どもの性格の特徴と、親の接し方について解説します。まずは「兄・弟」の男2人きょうだいの場合です。
【兄・弟の場合】兄の性格の傾向
男の子は勝負や順位にこだわる傾向があり、兄は弟に負けたくないと思っています。しかし、成長と共に優位に立てず、弟に負けてしまうこともあるでしょう。
【兄・弟の場合】弟の性格の傾向
弟は兄に憧れを抱き、同じ習いごとや遊びをしようとする傾向があります。しかし、子どもによっては、兄と正反対のことをしようとする場合もあるようです。
きょうだいへの接し方
兄と弟はライバル関係になりやすい反面、お互いを高め合うというメリットがあります。しかし、競い合うためだけに同じことをする必要はなく、弟は兄に追いつく必要もありません。パパやママは兄・弟のどちらに対しても「負けてもいい」ということを伝え、勝負や順位にこだわりすぎて自分のやりたいことを見失ってしまわないようにしてあげましょう。
また、兄は弟の面倒を見ようと頑張りすぎてしまうので、たまにはしっかり甘えられるようにする必要があります。
きょうだい構成別|性格の特徴と親の接し方【兄・妹の場合】
「兄と妹」は、性別が異なることから微妙に距離感を保つ場合が多いです。
【兄・妹の場合】兄の性格の傾向
兄と弟ではライバル関係になることが多いのですが、兄と妹になると異なります。妹には、ライバル視するどころか、兄は妹に気持ちの上で優位に立とうとする傾向があるので、優しく妹に接してくれます。
【兄・妹の場合】妹の性格の傾向
妹は、兄と同じ失敗をしないように兄を反面教師にして行動をよく観察します。そして、自分のことを見てもらうために、要領よく立ち回って成長する傾向があるようです。
また、兄と一緒に遊ぶので大胆でアクティブな遊びを好みます。
きょうだいへの接し方
兄と妹は性別の違いから距離感が生まれ、お互いが独立した関係になりがち。そこで、子どもたちが夢中になれる遊びやお手伝いをパパやママが提供して、ふたりで一つのことに取り組めるようなきっかけをつくってあげるようにしましょう。
また、兄が妹に負けて、男としても兄としてもプライドが傷ついてしまうことがあるかもしれません。そんなとき、パパやママは「お兄ちゃんなんだから」や「それでもお兄ちゃんなの?」と言って、兄を一方的に攻めないようすることが大切です。
きょうだい構成別|性格の特徴と親の接し方【姉・弟の場合】
次は、女の子が上となる「姉・弟」について解説していきます。
【姉・弟の場合】姉の性格の傾向
姉は小さなママとなり、弟を子どものようにお世話してくれるでしょう。ママの真似をしながら弟の世話をすることでママの評価を得て、弟を操るポジションを確立しようとするかもしれません。
【姉・弟の場合】弟の性格の傾向
弟は姉と遊ぶ機会が多くなるので、おままごとやお絵描きなどの女の子が好む遊びをすることが多くなりがち。そのため、繊細で細かい配慮ができるようになりますが、姉に支配されすぎてしまうと子分のようになってしまうかも。
きょうだいへの接し方
弟が子分のようになってしまっていると感じたら、弟の自立心が芽生えているか、注意してみましょう。また、姉の面倒見がいいからと言ってなんでも任せてしまうと、姉が疲れてしまうかも。姉に任せるべきことと親の仕事の明確な線引きが必要になるでしょう。
きょうだい構成別|性格の特徴と親の接し方【姉・妹の場合】
最後は、「姉・妹」の場合です。
【姉・妹の場合】姉の性格の傾向
女の子同士なので、兄と弟のように順番や勝負にこだわりませんが、女きょうだいは、協調性を重視します。姉は自分の役割を察して、お姉ちゃんキャラになるでしょう。
【姉・妹の場合】妹の性格の傾向
妹は、姉の良き理解者。基本的には、姉の言うことに従いますが、兄と弟ほどの従順さはありません。姉と一定の距離を保とうとするでしょう。
きょうだいへの接し方
女同士のきょうだいは、お互いが仲良くすることが最もいいことだと思っています。その一方で、自分だけを特別に扱ってほしいという願望が強く働いてしまうと、バランスが崩れてしまうことも。そのため、どちらかが告げ口をするようなことがあったら要注意です。きょうだいの関係を壊してしまわないように、親子できちんと話し合いをするといいでしょう。
【年齢別】きょうだいゲンカが起きてしまったときの親の対処法
どんなきょうだい構成であっても、どんなに仲の良いきょうだいであっても、ケンカはつきものです。きょうだいゲンカが始まったら、パパやママはどちらかの子どもの肩を持つのではなく、基本的に立ち入らないようにしましょう。ここからは、子どもの年齢別のケンカ対処法をご紹介します。上の子や下の子の年齢にあわせて、内容を確認してみてくださいね。
2~3歳
まだ自分の気持ちを抑制することが難しい年齢です。なぜならば、脳の表層にある「前頭前野」がまだうまく機能していないからです。前頭前野は目標を達成するために衝動的な欲求を抑える中枢、つまり理性。そのため、前頭前野が未発達なうちは本能的な欲求を抑えることができません。
2~3歳の子どもは、ちょっとしたきっかけで叩く、蹴る、噛みつく、引っ掻く、突き飛ばす、物を投げるなどの、困った行為をしがちです。上の子が2~3歳だったとしたら、下の子は0~1歳。下の子に泣きつかれると、ついつい上の子を叱ってしまうことも。
しかし、例えば上の子が下の子を叩いてしまうのには、何かしらの理由があるはず。そんなときは「嫌だったんだね」とパパやママは子どもの気持ちに同意しつつも、ハグをしてあげたり両腕で包み込んだりして違う部屋に連れて行ってあげるのがおすすめ。特にこの時期は下の子ができてヤキモチを焼き、上の子は構ってほしくて赤ちゃん返りすることがあります。上の子が暴れて下の子に乱暴してしまうのは上の子の「構ってサイン」かもしれません。褒めたりスキンシップをとったりする機会をもうけましょう。
4~6歳
徐々に自分自身をコントロールできるようになる時期です。言葉で嫌だったことを伝えられたり手加減もできるようになったりします。きょうだいそれぞれの年齢にもよりますが、お互いやり合えるようになれば、パパやママは立ち入り禁止です。遠慮や我慢をせず、思いっきりケンカできる相手は貴重な存在。きょうだいゲンカを通して、ケンカでの手加減の仕方やケンカの終わらせ方など、コミュニケーションのとり方や人との関わり方を学んでいくのです。
しかし、どちらかが一方的に攻撃したり大怪我をしてしまいそうになったりしていたら、パパやママが止めにはいります。このとき、上の子に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ」「弟(妹)には優しく」などと言わず、上の子も下の子も大切だということを伝えてあげましょう。
ケンカしている子どもがいつも以上に攻撃的な場合は、友達関係や学校のことなど別のことでストレスを抱えている可能性があります。そんなときは、時間をおいて子どもが落ち着いてからパパやママがしっかり話を聞いてあげましょう。
さいごに
きょうだいがいることで子どもの性格だけではなく、コミュニケーションのとり方や人との関わり方を学ぶという点においても影響があります。きょうだいゲンカを目の当たりにすると、親としては不快に思ったり不安に感じたりすることもあるでしょう。しかし、本音をぶつけ合うことで成長でき、生きる力を磨くことができます。パパやママはきょうだいゲンカの中に子どものストレスが隠れていないか注意しながら、きょうだいが関わり合い続けられるようなフォローをして、子どもたちを見守ってあげましょう。
参考サイト
- ウチコト|兄弟げんかは止める? 止めない? 年齢別の対応方法(https://uchi.tokyo-gas.co.jp/topics/5310 )