子どもがおなかの中にいたときの話を始めた!?親が子どもに胎内記憶を聞くときのポイントや注意点を解説
胎内記憶とは
胎内記憶とは「子どもが母親のお腹にいるときの記憶」のこと。科学的根拠はないものの、胎内記憶を話す子どもがいるという実例は多くあります。実際にYouTubeや育児ブログなどでも胎内記憶を話した子どもたちのエピソードが紹介されています。
「どうやってお母さんのお腹の中に来たのか」「お腹の中はどんな感じだったのか」など、話す内容は子どもによってさまざまです。また、突然子どもから話し出すこともあれば、親から子どもに質問したら話してくれたという場合もあります。
実際に胎内記憶がある子どもはどのくらいいる?
産婦人科医の池川明先生が3,500人以上の子どもを対象に調査したところ、約3割の子どもに胎内記憶があったそうです。子どもが話す胎内記憶の内容は、お腹の中の明るさや暖かさ、どんな動きをしていたかなどが多かったそう。胎内記憶を持つ子どものうち、男女差はないようです。胎内記憶を話し出す場面としては入浴中や就寝前など、リラックスしている状態が圧倒的に多いということでした。
胎内記憶とは - 一般社団法人 日本胎内記憶教育協会
子どもから胎内記憶を話し出したらどうすればいい?
もし突然子どもが胎内記憶を話し出したら、戸惑う親は多いでしょう。ここでは子どもが胎内記憶を話し出したときの対応のポイントを説明します。
否定せずにありのままの話を聞く
子どもは少ない言葉で一生懸命伝えようとしてくれます。ときには想像で話したり、つじつまの合わないことを話したりする場合もあるでしょう。その際に、子どもが話す内容を否定しないようにしましょう。子どものありのままの話を受け入れるのが大切です。
子どもは話す内容を否定されると傷つき、その後、胎内記憶を話すことを辞める可能性も考えられます。
同じことを何度も聞かない
子どもが急に胎内記憶を話し出したら、親は驚きのあまり内容が頭に入っていないということも。だからといって子どもに同じ質問を何度もするのは避けましょう。何度も同じ質問をすることで、話す内容が変わってしまう可能性があります。また、胎内記憶は最初に話した内容が1番真実に近いとも言われています。
パパやママが胎内記憶の話に興味津々で食い入るように聞いてしまうと、子どもは親の反応に応えようと、話を誇張したり嘘をついたり空想で話したりする可能性も。気楽な姿勢で子どもの話を聞くようにしましょう。
答えを誘導しない
子どもが話す内容が親の思っている胎内記憶とかけ離れている場合もあります。しかし、誘導尋問のように理想の答えに導くような声掛けをするのは避けましょう。
質問をする際、「ママのお腹の中はどうだった?」や「ママのお腹の中で何をしていたの?」などの子どもが自由に答えられるオープンクエスチョンは有効です。一方で、「ママのお腹の中は暗かった?」や「ママのお腹の中は狭かった?」などの「はい」か「いいえ」で答えるようなクローズドクエスチョンは控えた方がいいでしょう。
子どもに自由に答えてもらうことで、本当の胎内記憶を話す可能性が高まります。
親から子どもに胎内記憶をたずねるときのコツ
子どもから胎内記憶を話し出すことを期待していたのに、全然話さないケースもあります。その際は、親から子どもに聞いてみるのもいいでしょう。ここからは子どもに胎内記憶をたずねるときのポイントを解説します。
最適な子どもの年齢
子どもが胎内記憶を話し出す年齢は2~3歳ごろと言われています。4歳になるとだんだんと胎内記憶が薄れていくのだとか。2~3歳以前にたずねても、上手く言葉が出ないことが多いため伝えることが難しいようです。
子どもの成長スピードはそれぞれ異なるため、話せそうだと思ったタイミングで胎内記憶についてたずねてみましょう。
場所や雰囲気作り
子どもに胎内記憶をたずねるときは、入浴中や就寝前のリラックスした状態が最適です。ママのお腹の中は羊水で満たされておりプカプカ浮いた状態なので、入浴中は胎内記憶を思い出しやすいと言われています。また、就寝前はフカフカのお布団の中でリラックスした状態であるためおすすめです。
子どもだけでなく親もリラックスした状態ならば、なおいいでしょう。
妊娠中に行った場所に行ってみる
妊娠中に行ったことのある場所に行くことで胎内記憶を思い出すことも。その場所の匂いや光景を覚えていて、「ここ来たことある!」と突然思い出して話し出す子どもも多いようです。妊娠中に行った神社やお店、出産した病院や実家などがおすすめ。
突然話し出すこともあるので、子どもの話を注意しながら聞きましょう。
事前に情報を与えない
子どもが胎内記憶を話し出す前に、子どもを妊娠中の話や絵本などで事前に情報を与えないようにしましょう。子どもは事前に聞いた話を頭にインプットしてしまい、本当の胎内記憶と記憶をすり替えてしまうことも。
親は「こんなことを話して欲しい」と期待してしまいますが、子どもの話をありのまま聞いて受け入れてあげましょう。
胎内記憶に多い内容とは?
「お腹の中は暖かくて気持ちよかった」や「もっとママといたいから出たくなかった」という記憶が多いようです。また「痛かったけどママに会えて嬉しかった」といった生まれた瞬間の記憶がある子どももいるのだそう。そして「お空から滑り台を滑ってママのお腹に来たよ」のように、お腹に入る前の記憶がある子どもも。
実際に首にへその緒が巻きついて生まれてきた子どもは、「生まれるときに首が苦しかった」と語った事例もあるそう。このように親や出産に立ち会った人しか知らないようなことを話し出す子どももいます。ママのお腹の中にくるときから赤ちゃんには意識があると言えそうですね。
胎内記憶を話し出した息子【体験談】
私の息子が3歳のころ、「ママの小さいころ知ってるよ」と突然話し出しました。「どうして?」と聞くと「お空から見てたもん」と言う息子。私は驚きましたが、もしかしたらこの子は胎内記憶があるのではないかと思い、息子に聞いてみることに。
入浴中が胎内記憶を思い出しやすいということを知っていた私は、入浴中に「ママのお腹の中のこと覚えてる?」とたずねてみました。息子は覚えていると答えます。「お腹の中どうだった?」とたずねると「楽しかった!いっぱい遊んでたよ!」と言う息子。息子を妊娠中は胎動が激しくいつもお腹がポコポコ動いていました。あの激しい胎動は、息子が元気に遊んでいたからなのかと答え合わせができたような気持ちです。「お腹の中は何色だったの?」とたずねると、少し考えたあと「ピンク!」と答えてくれた息子。とにかくお腹の中は気持ちよくて出たくなかったようで、予定日より1週間遅れて産まれてきたことが少し納得できました。「なんでママのところに産まれてきてくれたの?」と聞くと、「ママが悲しそうだったから、僕が来たら喜ぶと思って!」と答えてくれ、意外な返答に驚きましたが、息子の話を受け入れることに。「教えてくれてありがとう」と伝えると息子はニコニコしていました。
それから1年ほどたち、息子が4歳のころに下の子が産まれ、また不思議なことを話し出した息子。ある日「〇〇(下の子の名前)と一緒に遊んでたんだよ。〇〇が先に行っててって言ったんだよね」と突然話し出しました。これはお空での話なのかお腹の中での話かは分かりませんが、不思議で神秘的な体験でした。
さいごに
胎内記憶は科学的な根拠はないものの、実際に胎内記憶を話す子どもがいるのも事実です。子どもが話し始めたら変に突っ込んだりせずに、全てを受け入れる姿勢で聞きましょう。胎内記憶の内容が、親が期待していることと違うこともあるかもしれませんが、子どもから胎内記憶を聞くことで、より深く親子のつながりを感じられるかもしれませんね。
参考サイト
- 一般社団法人日本胎内記憶教育協会|胎内記憶とは(https://premea-online.com/prenatal-memory/ )
- ホット|オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンのメリットや具体例を解説(https://www.hammock.jp/hpr/media/open-question-closed-question.html )