自然遊びで子どもの力を引き出そう!メリットや秋におすすめのアイデアを紹介
自然遊びがもたらすメリットとは?
自然遊びには、植物や生き物に触れることで子どもの能力を引き出すメリットがあります。詳しくみていきましょう。
学習意欲や集中力が高まる
自然遊びを通した植物や生き物との触れ合いは「これはなに?」「どうしてそうなるの?」といった子どもの知的好奇心を刺激します。自然に興味を持ち「もっと知りたい!」という学習意欲を向上させるでしょう。
さらに、どうやったら生き物が捕まえられるかなど、試行錯誤しながら失敗や成功を繰り返すなかで、自分で考える力や集中力が高まります。
運動能力や体力向上につながる
外の空気をたくさん吸いながら、身体を思いっきり動かして遊べる自然遊び。地面の凹凸を感じながら歩いたり、障害物をくぐったりといった身体の動きを通して、運動能力や体力が身につきます。
また、太陽の光を充分に浴び、身体をしっかり動かすことで、生活リズムも安定しやすくなるでしょう。
感性や想像力が磨かれる
自然遊びでは、視覚や触覚、さらには嗅覚など、さまざまな感覚を使うことで、子どもの感性が磨かれます。幼少期の外での遊びは、原体験となり子どもが将来選ぶ道に影響することもあるでしょう。
加えて花や実、枝といった自然物は、何にでも見立てられます。自身のひらめきを活かせるさまざまな見立て遊びを通して、子どもの想像力が引き出されるのも、自然遊びの大きなメリットです。
困難と向き合う力が育まれる
自然のなかで遊んでいると、苦手な虫と遭遇したり、進みたくないと感じる道に出たりと、ときに恐怖心や不快感を抱くこともあるでしょう。しかし、通常の遊びではなかなか経験できないこれらの負の感情は、子どもの成長にとって重要です。困難な環境に向き合う力や思い通りにいかない状況で我慢する忍耐力が育まれるでしょう。
さらに、自然遊びで得られるワクワク・ドキドキするような高揚感は脳に刺激を与えます。その刺激が、感情のコントロールをつかさどる脳の前頭前野を活性化させ、子どもに精神的な落ち着きをもたらすのです。 実際、週に15時間以上屋外の活動を行う保育園の子どもと、週に5時間以上の園の子を比べると、前者の方が、大脳前頭葉が最もバランスよく成長した「活発型」タイプが多くなっています。
自然遊びをする際に意識したい3つのポイント
次に、自然遊びをする際に大人が意識しておきたいポイントを紹介します。
五感をうまく使えるよう声かけに工夫する
自然遊びをする際、子どもの力をより伸ばすには、視覚だけでなく、聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感すべてを使うことが大切です。「あれを見てごらん?」との声かけだけでなく「何か音がしない?」「どんな匂いかかいでみようか?」など、子どもが視覚以外の感覚を使えるよう促しましょう。
また、動植物に触ってみたり、花の蜜などを舐めてみたりと、実際に直接自然に触れることも良い経験になります。ただし、まずは安全だとわかるものに大人が触れることから始めるようにしてください。
子どもと目線を合わせて親子で意見交換をする
自然のなかで遊ぶ際、大人と子どもの目線は大きく異なるものです。大人がしゃがんでみたり、子どもを抱き上げてみたりと、親子で目線を合わせましょう。お互いの目線を交換することで、おもしろい発見があるかもしれません。
なお、子どもが感じたことを大切にするために、大人の意見は後から伝えるようにしましょう。例えば、大人が「○○のような匂いがするよ」「△△って言っているみたいに聞こえるね」などと話すと、子どもにもそのイメージが植えつけられます。そのため「どんな匂いがする?」「何って言っていると思う?」という具合に、子ども自身の考えを引き出すようにしましょう。
子どもが疑問に思ったことはすぐに調べる
自然のなかで遊んでいると、名前の知らない動植物を見つけたり、生き物の生態が気になったりと、子どもが疑問を抱くことも多いものです。その際は、その場で疑問について調べましょう。大人と一緒に子ども自身が調べることで、より記憶に定着しやすくなります。自然遊びをする際は、ポケットサイズの図鑑を持ち歩くのがおすすめです。また、外出先で見かけた動植物を調べる際には、スマホアプリなどを利用するのもよいでしょう。
また、調べる前にゲーム感覚で名前や生態を予想すれば、楽しい思い出と一緒により記憶に残りやすくなります。
【体験談】先輩ママに聞いた!自然遊びを通して感じた子どもの成長
続いて、自然遊びを通して子どもの成長を感じたママたちの体験談をご紹介しましょう。
苦手だったアリがいつの間にか知的好奇心を伸ばす存在に!(3歳女の子のママ)
保育園の庭に大きなアリの巣があり、はじめは怖がっていたのですが、園で習った歌をきっかけに、毎日観察するようになりました。巣からでてくるアリのさまざまな動きを見ながら「何をはこんでいるんだろう?」「また出てきた!」と、時間を忘れるほど集中しています。
持っている図鑑でアリを調べたり、オリジナルの絵本をつくったりと、観察にとどまらず、いろいろなことに発展させる娘の行動力に驚きました。
本物に触れることで、学習意欲が高まった!(6歳男の子のママ)
6歳の息子は虫や水の生き物が大好きです。家の前に用水路があるため、生き物の捕まえ方を動画で調べては実践していた息子。とても熱中していたので、水の生き物図鑑を息子に与えてみたら、さらに知りたい気持ちが高まったようで、図鑑の写真と実際に捕まえた生き物を見比べるなどして知識を深めていきました。
図鑑をあげてから時間がたった今でも、全く飽きずに、調べたり捕まえたりをくり返している息子をみて、本物に触れる体験の大切さを実感しました。
秋に見られる植物を使った遊びのアイデア5選
ここからは、秋に楽しめる自然物を使った遊びのアイデアを紹介します。自宅にあるものでできる手軽な遊びなので、ぜひ親子で挑戦してください。
まつぼっくり実験
【材料】
・まつぼっくり
・ビンやコップ
・水
【遊び方】
まつぼっくりには、濡れるとカサを閉じ、乾くとまた開く性質があります。まずは、拾ったまつぼっくりのカサや湿り具合を観察してみましょう。続いて、水を入れたコップに乾いたまつぼっくりを入れて、カサが閉じていく様子を観察するのも楽しい実験になります。
さらに、濡れて小さくなったまつぼっくりを口の狭い瓶に入れてみてください。まつぼっくりが乾いた際、大きくなることで瓶から取り出せなくなり、手品のような楽しみ方ができます。
落ち葉で色探し
【材料】
・色画用紙
【遊び方】
色画用紙を手に収まるくらいのサイズに切ってカラフルなカードを作ります。そのカードと同じ色を自然のなかから探してみましょう。例えば、同じ赤色でも落ち葉によって微妙に色が違うなど、自然の色合いに目を向けるきっかけになります。また、一枚の落ち葉に複数の色が混ざっている、裏と表で色合いが違うなど、さまざまな発見があるでしょう。
「オレンジ色でギザギザしている葉っぱ」のように、お題を決めて落ち葉を探すのもおすすめです。
どんぐりごま
【材料】
・どんぐり
・つまようじ
・キリやハンドドリル
・ハサミ
・油性ペン
【遊び方】
どんぐりを拾ったら、上から三分の一程の深さまでキリやハンドドリルを使って穴を空けます。その穴に、2cm程度にカットした爪楊枝を差し込めば、どんぐりごまの完成です。出来上がったこまに油性ペンで顔や模様を描いて楽しむのもよいでしょう。どんぐりにもいろいろな種類があるため、回りやすい種類や特徴を観察するのもおすすめです。
なお、穴を空けたり爪楊枝をカットしたりといった作業は、大人がおこなうようにしてください。虫が出てくるのが心配な場合は、どんぐりを水から茹でる・冷凍するなどの下処理をしておきましょう。
落ち葉や木の実でお弁当づくり
【材料】
・落ち葉や木の実など
・タッパーなどお弁当箱になるもの
【遊び方】
タッパーや使い捨て容器など、お弁当箱を持って、材料探しに出かけましょう。落ち葉や木の実の他、花びらや石、小枝など、自然物をおかずに見立てて箱に詰めていきます。完成したら、親子でお弁当を見せ合いっこしましょう。作ったお弁当を使って、おままごとやピクニックごっこを楽しめます。
秋発見マップづくり
【材料】
・落ち葉や木の実など
・画用紙
・ハサミ
・セロハンテープや両面テープ
【遊び方】
下準備として、大きな画用紙を「秋発見マップ」として用意します。次に、秋だと感じるものを探しに出かけましょう。落ち葉や木の実を見つけたら持ち帰り、見つけた場所を書いた小さめの画用紙に貼り付けます。それを初めに用意した秋発見マップに貼っていけば、完成です。
マップが完成に近づくワクワク感で、お出かけがより楽しみになるでしょう。
さいごに
自然遊びは、子どもの学習意欲や集中力などさまざまな力を伸ばします。外遊びしやすい秋は、自然物も多く、子どもの成長や学びにつながるきっかけがたくさん!さらに、声のかけ方を意識すれば、より子どもの感性を磨けるでしょう。ぜひ親子で秋を感じながら、自然遊びを楽しんでみませんか?
参考サイト
- MY HOME Magazine|自然解説のプロに聞く! 五感を使って子どもの感性を育む自然観察のコツ~親子で楽しむ身近な自然(https://myhomemarket.jp/magazine/30-nature-01-observation/index.html)
- 学校法人旭川中央学園 旭川ふたば幼稚園|子どもの自然遊びを通して育まれるもの7つ紹介!なぜ自然遊びが大切なの?(https://a-futaba.ed.jp/?p=1168 )
- けんこう名探偵 |セロトニンとメラトニンの関係は?(https://www.ohara-ch.co.jp/meitantei/vol01_2.html)
- 社会福祉法人ゆかり福祉会 福島ゆかり保育園|「わくわく・ドキドキ 心と脳をよろこばせよう」(https://www.city.fukushima.fukushima.jp/youhoshien/kosodate/tokusyoku/documents/7_yukari_r3.pdf )
- KAKEN|2019年度 研究成果報告書 幼児期における自然体験が大脳活動の発達に及ぼす影響 -自然体験活動量の比較から-(https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-19H00057/19H00057_2019_seika.pdf )
- 高知みらい科学館|ミニサイエンス「ビンに入った、まつぼっくり」(https://www.youtube.com/watch?v=hVJRYNxIQtg )
- Asoppa!|いろいろカードでいろいろチェック (https://asoppa.com/asopparecipe/makes/3794949/)
- るるぶKids|簡単!どんぐりゴマの作り方は?よく回るどんぐりの種類や穴をあけるコツもチェック (https://kids.rurubu.jp/article/143510/)
- 高槻市子育て情報 WAIWAIカフェ|どんぐりごま (https://www.city.takatsuki.osaka.jp/site/waiwai/3669.html)
- キッピー山のラボ|木の実のおべんとうをつくろう! (https://kippy-labo.jp/2022/10/18/kinomino-obentou221015/)