そろばんって習い事にいいの?そろばんの効果と費用・注意点
そろばんの効果
そろばんには「計算が早くなる」だけでなく、さまざまな効果が期待できるといいます。具体的に、どのような効果があるといわれているのでしょうか?
脳の発達を促す
脳には「イメージ脳」と呼ばれる右脳と「論理脳」と呼ばれる左脳があります。そろばんは数学的な思考を司る左脳に効果があると思っている人が多いかもしれませんが、実は右脳に大きな影響を与えてくれるのだそうです。
そろばんが上達すると、実際にそろばんを使わなくても、頭の中でそろばんをイメージして計算できるようになるといいます。そのため、右脳を鍛えてくれるのでしょう。学校教育では、左脳を伸ばすカリキュラムがメインとなるので、右脳左脳をバランスよく発達させるためにも、そろばんは役立ちそうですね。
ちなみに、右脳は左脳の数千倍もの記憶力があるといわれています。東大や京大などの有名大学に通っている人の中にも、子どものころにそろばんを習っていた人が多いというのも納得ですね。
自信がつく
そろばんは、自身の成長を実感しやすい習い事です。計算にかかる時間が短縮されたり、正解率があがったりすることで、子どもは自信をつけていってくれることでしょう。そうした自信は、自己肯定感にもつながるはずです。
情報処理能力の向上
限られた時間で正確に答えを導き出すためには、素早い情報のインプット・アウトプットが必要になります。そうした経験の積み重ねは、情報処理能力や判断力を高めることにつながるでしょう。
集中力を伸ばす
そろばんでミスをしないように計算を続けるためには、集中力と忍耐力が重要ですよね。初めの打ちは失敗も多いものですが、繰り返しトレーニングしていく中で集中力と忍耐力を伸ばしていけると、ミスも少なくなっていくはずです。
数字への抵抗がなくなる
そろばんを続けていくと、数字への抵抗をなくせるかもしれません。そうすると、算数などの授業にも苦手意識を抱きにくくなりそうですね。
資格が取れる
そろばんを続けていくと「珠算能力検定」や「暗算能力検定」などの、将来履歴書にも書ける資格を取得することも可能です。それらの資格が直結する仕事でなくとも、集中力の高さや努力を続けられることをPRできるでしょう。
そろばんを習うデメリット
いろいろな効果が期待できるそろばんですが、一方でデメリットもいくつかあるようです。
計算の工夫ができづらい
そろばんでは、素早く正確に計算することが求められるため、教室で習った計算方法以外での計算方法を考えられない傾向があるようです。より計算しやすいように式を工夫する力は、そろばんを習っていない方が身に付けやすいかもしれません。
ほかの習い事との両立が難しい
そろばんに通う頻度は週3回程度と、ほかの習い事と比べて高めです。そのため、そろばん以外の習い事と両立しようとすると、子どもへの負担が大きくなってしまうことも。
だからといって頻度を減らすと、周囲と差が開いてしまい、子どものやる気の低下を招いてしまう可能性があるので注意が必要です。
勉強要素が強い
ほかの習い事と比べると、どうしてもそろばんは「勉強」という要素が強いですよね。そろばんを習っていても違う習い事に惹かれたり、やる気を維持できなかったりする子どもも珍しくありません。
そろばんはいつからいつまでやるのがいい?
そろばんはいつごろから始めて、いつごろまで続けるといいのでしょう?
そろばんいつからはじめる?
そろばんは、子どもの脳がよく発達する5~10歳ごろに習うのがいいといわれているため、小学校低学年ごろから習い始める家庭が多いようです。そろばんは珠を使って視覚的に数を把握できるため、数字に慣れていない幼稚園頃から始める家庭もあります。
ただし、教室によっては生徒の受け入れ条件を設けているところもあります。小学生以上の子どものみが対象となっていて、未就園児は受け入れてもらえないこともあるため、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
小学校高学年頃から始めると効果がないというわけではありませんが、暗算力が伸びるのに時間がかかってしまうことも。また大きくなってからだと、親の希望通りに子どもがそろばんにやる気を持ってくれない可能性もあるため、注意が必要です。
そろばんいつまで続ける?
そろばんはいつまでに辞めなくてはいけないという決まりはないため、中学生・高校生になっても、子どもが望むのなら続けさせてはいかがでしょうか?しかし、中学校受験や進学後の部活動などで通う時間を作るのが難しくなるため、中学校進学を機に辞める家庭が多いそうです。
そろばん教室に掛かる費用
子どもに習い事をさせるとき、気になる費用についてご紹介します。
そろばん教室の月謝
そろばんの月謝は教室によって異なりますが、4000円~12000円程度のところが多いようです。東京都の場合、平均月謝は1回1時間・週3回通った場合、6000円程度となっています。ほかの習い事と比べて、月謝は手ごろなので経済的にも続けやすいのがメリットです。
そろばんに掛かるその他費用
月謝以外にも、そろばんを習わせるときは入学金や教材費、設備費、そろばん購入代金などがかかることがあります。教室によっては、教材費等は月謝に含まれていることもありますが、事前に確認しておきたいですね。
そろばん教室の選び方
そろばん教室の数は多く、近隣に複数の教室があり、どこを選ぼうか悩む人も多いでしょう。そんなときは、下記のそろばん教室選びのポイントを参考にしてみてくださいね。
入塾条件
そろばん教室によっては、年齢制限などが設けられていることがあります。せっかく教室を決めても通えなければ意味がないので、まずは入塾条件からチェックするといいでしょう。
場所
そろばんは週に何度も継続して通い続けてこそ、身に付くものだといわれています。そのため、通いやすさ・送迎のしやすさは重要なポイントといえるでしょう。近隣に通いやすい教室がない場合は、オンライン形式の教室を利用してもいいですね。
費用
教室によって、月謝や教材費などは大きく変わります。大会や検定に参加する際、費用が発生することも。月謝だけでなく、習い事全体でどのくらいの費用が掛かるのかリサーチしておきましょう。
授業数
週に授業を受けられる回数も、教室によって異なります。初心者の場合はとくに、授業に多く出席するほど早く上達しやすいでしょう。ただし、回数が多いとその分、子どもへの負担も大きくなってしまいます。
ほかの習い事などと両立する場合は、尚更子どもに無理のないペースで通えるところを選ぶといいですね。
授業内容
同じそろばん教室でも、暗算能力を伸ばすことに力を入れているところや、そろばん自体の上達に重きをおいているところなど、授業内容はさまざまです。暗算能力を伸ばしたいなら、フラッシュ暗算を行っているのかどうかなど、調べておいてはいかがでしょう?
また教室に通っている子どものうち、有段者がどのくらいいるのかもチェックしておきたいポイントです。可能であれば、上級クラスを見学しておくと、どのくらいのレベルの指導が受けられるのか参考になるかもしれません。
教室・先生との相性
子どもが楽しくそろばんを続けるためには、教室や先生との相性も重要かもしれません。そろばん自体は楽しくても、教室や先生との相性が悪いと、だんだんと通うのがつらくなってしまうことも。
事前に見学したり、体験レッスンに参加したりしておくと、子どもとの相性がわかりやすいでしょう。
子どもにそろばんを習わせるときの注意点
子どもにそろばんを習わせることを決めたら、どのような点に注意すればいいのでしょう?
ほかの子どもと比較しない
真面目に取り組んでいたとしても、そろばんの効果がすぐに実感できる子もいれば、時間がかかる子もいます。周囲と比べて焦ってしまうかもしれませんが、ほかの子どもと比較して子どもを責めないようにしましょう。
子どもが楽しむことを重視する
子どもに早くそろばんができるようになってほしいからと、子どもに練習などを無理強いするのもおすすめできません。嫌々やるよりも、子どもが楽しみながら取り組んだ方が効果につながりやすいはずです。
上手にできたら褒めるなど、子どものやる気を引き出せるようサポートしてあげてはいかがでしょうか?
さいごに
そろばんにこんなにさまざまな効果があるとは、驚きですね。子どもに何か習い事をさせたいけれど、何を選べばいいのかわからないというときは、そろばんを選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょう?
オンラインの教室を利用する場合は、子どもといっしょに親もそろばんに挑戦してもいいですね。良い脳のトレーニングになりますよ。