【1歳向け】栄養を無駄なく取れる!食べ合わせを工夫した「離乳食」レシピ6選
カルシウムを摂取しよう
カルシウムとは?
「カルシウム」とは、主に骨や歯の主要な構成成分となる、ミネラルの一種です。
吸収率は、成人で20~30%とあまり高くなく、国民健康・栄養調査では、男女ともに、どの年代においてもカルシウムが不足していることが報告されています。
体の土台となる、骨を構成する大切な働きがあるにもかかわらず、よほど意識して摂取するようにしていない限り、不足している可能性が高いといえるでしょう。
カルシウムは、乳類、魚介類、豆類、野菜類に多く含まれますが、植物性食品には、カルシウムの吸収を阻害する「シュウ酸」や「フィチン酸」なども含まれているため、工夫して摂取しなければ、効率よくカルシウムを吸収することができません。
カルシウムの含有量だけでなく、吸収率も合わせて意識しましょう。
カルシウムを多く含む食品
乳製品…吸収率50%
牛乳・ヨーグルト・スキムミルク・チーズ
魚介類・海藻類…吸収率30%
シシャモ・干しエビ・シラス干し・シジミ・乾燥ひじき・干しわかめ
大豆製品…吸収率18%
厚揚げ・木綿豆腐・納豆・高野豆腐
野菜・種実類…吸収率18%
小松菜・チンゲン菜・いりごま・アーモンド
カルシウムの吸収率を上げる栄養素
カルシウムの吸収率を上げる栄養素には、「マグネシウム」「ビタミンK」「ビタミンD」などがあります。それらを含む様々な栄養素をバランスよく摂取し、吸収率UPを目指しましょう。
マグネシウム多く含む食品
骨を作る骨芽細胞に働きかけ、骨の中に入るカルシウムの量を調節します。
玄米・大豆・乾燥ひじき・アーモンド・納豆などにマグネシウムが多く含まれています。
※玄米は、多くの栄養素を併せ持つ万能食材ですが、消化に負担がかかるため、離乳食期の摂取は控えることが望ましいです。
ビタミンKを多く含む食品
骨にカルシウムが取り込まれるのを促し、尿中に排泄されるのを抑制します。具体的には、キャベツ・小松菜・にら・納豆・鶏モモ肉などに多く含まれます。
ビタミンDを多く含む食品
腸管からのカルシウムの吸収を促進し、骨まで運びます。シラス干し・サンマ・サケ・ぶり・きくらげ・干ししいたけなどに多く含まれます。(※その他、日光に当たることにより皮膚で合成されます)
「カルシウム」吸収レシピ
<木綿豆腐とサケのチーズ焼き>:カルシウム+ビタミンD
●材料(1食分)
- サケ…刺身用1切れ(骨の心配がなく、便利です)
- 木綿豆腐…40g
- 牛乳…少々
- 赤ちゃんチーズ…1切れ
●作り方
- 木綿豆腐を、一口大に切り、耐熱容器に並べます。
- サケを1㎝×1㎝に切り、木綿豆腐の上に並べます。(適当でOK)
- その上に赤ちゃんチーズちぎってのせ、乾燥を防ぐために牛乳を少々振りかけます
- グリル(中火)かレンジ(500wで1分半~2分程)火を通したら完成です。
●一言コメント
- サケに火が通ればOKです。確認しながら温めましょう。
- 木綿豆腐は、乳幼児でも噛みやすいだけでなく、程よい触感があるため、満足感が増します。
<小松菜と納豆のジャコ和え>:カルシウム+ビタミンK・ビタミンD
●材料(1~2食分)
- 小松菜…1/2束
- ひきわり納豆…1/2パック
- じゃこ…大1
- いりごま…少々
●作り方
- 小松菜をゆで、水を切り、1cm程に切ります。
- 塩抜きしたジャコ、納豆、いりごまを入れ、混ぜ合わせたら完成です。
※ ジャコに塩気があるので、納豆のたれは使いません。
※ いりごまはアレルゲンとなる食材なので、注意しましょう。
● 一言コメント
- 小松菜にしっかり火を通すことで、風味がやわらぎ、野菜が苦手なお子さんでも食べやすくなります。
<干しエビとチンゲン菜とひじきのチャーハン>:カルシウム+マグネシウム+ビタミンK
●材料(1食分)
- ごはん…100g
- チンゲン菜…1/3束
- ひじき…大1(水で戻した状態で)
- 干しエビ…大1
- いりごま…少々
- ゴマ油…少々(炒め用)
- 醤油…少々
● 作り方
- フライパンにゴマ油をひき、みじん切りにしたチンゲン菜を炒めます。
- ひじきと干しエビを加え、軽く炒めます。
- ご飯を加え、なじませます。
- 醤油で味を調えます。
- 皿に盛りつけた後、お好みでいりごまをふったら完成です。
●一言コメント
- 干しエビからもだしが出るので、醤油は風味程度でOKです。
鉄分を摂取しよう
鉄分とは?
「鉄分」とは、主に、赤血球を作る材料になる、ミネラルの一種です。赤血球中のヘモグロビンの成分となり、酸素を全身に運ぶ働きをします。
鉄分には、動物性食品含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品や、卵、乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄は体内への吸収率が高く、非ヘム鉄は吸収率が低いという違いがあります。
そのため、非ヘム鉄は、「たんぱく質」や、「ビタミンC」「ビタミンB12」「葉酸」を多く含む食品と一緒に摂取することで、体内への吸収率がUPさせることが大切です。
カルシウムと同じく、不足しやすい栄養素なので、意識して摂取するようにしましょう。
鉄を多く含む食品
肉製品…ヘム鉄
豚レバー・鶏レバー・牛レバー・牛もも肉
魚介類・海産物…ヘム鉄
カツオ・マグロ・イワシ・あさり・ひじき
野菜類…非ヘム鉄
菜の花・ほうれん草・小松菜・パセリ・プルーン
その他…非ヘム鉄
卵・大豆・木綿豆腐・レンズ豆・枝豆
鉄の吸収率を上げる栄養素
鉄の吸収率を上げる栄養素には、「良質なたんぱく質」「ビタミンC」「ビタミンB12」「葉酸」などがあります。これらの栄養素を一緒に摂取することで、鉄分の吸収率UPを目指しましょう。
たんぱく質を多く含む食品
血液中の赤血球や、ヘモグロビンの材料となります。たんぱく質を多く含む食品としては、牛乳・豚もも肉・卵・大豆・サケなどがあります。
※肉類は、ヘム鉄を多く含む食材であるとともに、非ヘム鉄の吸収率をUPさせます。
ビタミンCを多く含む食品
非ヘム鉄の吸収率をUPします。ビタミンCを多く含む食品は、レモン・ブロッコリー・ジャガイモ・サツマイモ・みかん・いちごなどです。
※ビタミンCは、水溶性ビタミンのため、溶け出た水分までしっかり食べましょう。
ビタミンB12を多く含む食品
神経及び、血液細胞を健康に保ちます。さんま・肉類・卵・牛乳・焼きのりなどにビタミンB12が多く含まれています。
葉酸を多く含む食品
ビタミンB12とともに、赤血球の生産を助けます。葉酸はブロッコリー・メロン・納豆・ほうれん草などに多く含まれます。
「鉄分」吸収レシピ
<牛もも肉とジャガイモとブロッコリーの炒め物>:ヘム鉄+ビタミンC・葉酸
● 材料(1食分)
- 牛もも肉…15g
- ジャガイモ…小1個
- ブロッコリー…一片
- オリーブオイル…少々
- 塩…少々
- パセリ…お好みで
● 作り方
- 牛もも肉、ジャガイモ、ブロッコリーを、一口大に切ります。
- ジャガイモとブロッコリーに火を通し、柔らかくします。(茹でても、レンジでもOK)
- オリーブオイルで牛もも肉を焼きます。
- 牛もも肉に火が通ったら、ジャガイモとブロッコリーを加え、なじませます。
- 塩で味を調えます。
- 皿に盛りつけた後、パセリを少々ふりかけたら完成です。
●一言コメント
- 食材は、角切りでも乱切りでも細切りでもいいです。
- お子さんが食べやすい形にカットしましょう。
<菜の花と焼きのりとかつおぶしの和え物>:ヘム鉄+非ヘム鉄+ビタミンC・ビタミンB12
●材料(1食分)
- 菜の花…1/2束
- かつおぶし…お好みで
- 焼きのり…お好みで
- レモン…少々
● 作り方
- 菜の花をゆで、硬く絞った後、1㎝幅に切ります。
- 菜の花とかつおぶしと、細かくさいた焼きのりを和えます。
- レモンをお好みでかけたら完成です。
● 一言コメント
- レモンは、乳幼児にとって刺激が強い食材なので、少量にしましょう。
<牛ひき肉とほうれん草と木綿豆腐の卵とじ>:ヘム鉄+タンパク質・ビタミンB12
● 材料(1食分)
- 牛ひき肉(赤身)…15g
- ほうれん草…1/2束
- 木綿豆腐…30g
- 卵…Sサイズ1個(Mサイズ1/2個)
- めんつゆ(ストレート)…小1
- ごま油…少々(炒め用)
● 作り方
- ほうれん草をゆで、硬く絞った後、1㎝幅に切ります。
- フライパンに油をひき、牛ひき肉を炒めます。
- ほうれん草と木綿豆腐を加え、混ぜ合わせます。
- めんつゆを入れ、味を調えます。
- 溶いた卵を回し入れ、ふたをします。卵に火が通ったら完成です。
● 一言コメント
- 卵が生にならないように、注意しましょう。
さいごに
不足しがちな「カルシウム」や「鉄分」を、意識して摂取することはとても大切ですが、どんな栄養素も、取りすぎはよくありません。様々な食材をバランスよく食べ、必要な栄養素をまんべんなく摂取するようにしましょう。
しかし、好き嫌いや食べむらが多い幼児期の食事。
「せっかく作ったのに食べてもらえなかった…。」
と落ち込むことも多いですよね。
毎日、毎食の食事作りをがんばり過ぎるのではなく、
・今日はご飯にシラスとゴマをまぜるだけ(カルシウムを吸収)
・今日はご飯にかつおぶしをかけるだけ(鉄分を吸収)
など、肩の力を抜いて、簡単に取り入れられる食材で補えば十分です。
食事の時間が、お子さんにとってもお母さんにとっても楽しい時間になるといいですね。