マネー教育は楽しむのがコツ!ちょっと背伸びのボードゲーム3選
キャッシュレス時代だからこそ必要なマネー教育
近年、急速にキャッシュレス化が進み、小学生でさえ電子マネーで支払いをする生活になりました。便利な反面、子供にとってはデメリットも指摘されています。
たとえば、現金を実際に手にする機会が減ったことで、お金を使っているという実感が薄くなります。その結果、お金の価値が分からなくなり、使いすぎてしまうというケースです。
正しい金銭感覚を身につけないまま成長すると、大人になったとき、より深刻な問題に直面する可能性が高くなります。
今後、ますますキャッシュレス化が加速することを考えると、キャッシュレス時代だからこそ、子供の頃のマネー教育は重要だといえます。
幼児期のマネー教育はボードゲームがおすすめ!
マネー教育と言うと、難しく感じられるため、計算ができる小学生以降という考え方が一般的です。たしかに、小学生でなければ理解できない内容もありますが、幼児でもできることはあります。
おすすめはなんといってもボードゲーム。遊び感覚で金銭感覚を育てることができるため、楽しいことには夢中になる幼児にぴったりです。
今回紹介するボードゲームは、いずれも対象年齢が6~8歳以上と、幼児期の子供よりも少し上の年齢です。しかし、ルールを変更したり、大人が一緒にプレイしたりという工夫をすれば、十分幼児でも遊ぶことは可能です。
今回は、比較的簡単なボードゲームから順番に3つ紹介します。後になるほど難易度が上がってくるので、紹介する順番にチャレンジするのがおすすめです。
1.人生を通したお金の流れを知る「人生ゲーム」
「人生ゲーム」とは?
ボードゲームの王道として大人気の「人生ゲーム」。楽しいだけでなく、なんとマネー教育のツールとしも使える優れものです。ちょっとルールが増えたすごろく、という感覚で気軽に楽しめる「人生ゲーム」から、まずはチャレンジしてみましょう。我が家の5歳次男も大好きです。
盤の中心に1~10までの数字が並んだルーレットがあり、それを回しながら駒を進めます。「人生」という名の通り、就職・結婚・出産といったライフイベントがずらりと並び、人生を通じたおかねの動きを知ることができます。
さらに、家の購入、株券の売却、約束手形による支払い、保険への加入など、お金にまつわる出来事も随所に登場。
一見、複雑に思えますが、対象年齢が6歳以上というだけあって、シンプルで分かりやすい仕組みになっているため、吸収力のある子どもならすぐに覚えてしまうでしょう。
「人生ゲーム」では、最後に一番多くの現金を持っているプライヤーが勝利。勝つためには、ただお金を多くもらえるマスに止まるだけではなく、万一のために保険に加入したり、資産としての住宅を購入するなどの戦略が必要になります。
さらに、どのような職業につくかも考慮しなければいけません。給料の金額が異なるため、収入に影響するからです。不安定なフリーターか?手堅いサラリーマンか?など、子どもも給料の金額を見ながら選択します。
ある程度の戦略は必要であるものの、一方で、かなり運の要素が強いのも「人生ゲーム」を一番初めに紹介した理由です。小さい子どもでも、大人に勝てるチャンスがあるからです。ボードゲームで親に勝って嬉しかったという経験がある方は多いですよね?
「人生ゲーム」のおすすめポイント
- 一生を通じたお金の動きを知ることができる
- 職業や保険について知ることができる
- 先を見通した戦略を考える力がつく
- 運の要素が強く、小さい子どもでも勝つことができる
2.ビジネス社会を疑似体験できる「モノポリー」
「モノポリー」とは?
「人生ゲーム」で戦略を立てる戦い方に慣れてきたら、次はちょっとレベルをあげて「モノポリー」に挑戦!「モノポリー」とは、全世界で人気を博しているアメリカ発祥のボードゲームです。その人気ぶりは、世界一有名なボードゲームと言っても過言ではありません。
プレイヤーは2つのサイコロの合計数に応じて駒を進めながら、止まったマスの土地を購入します。その土地に他のプレイヤーが止まると、レンタル料という家賃収入を得ることができます。
しかし逆に、他のプレイヤーが所有する土地に止まった場合には、レンタル料を支払わなければいけません。購入した土地に家やホテルを建設すると、その数に比例して、レンタル料は高くなります。
最終的により多くの土地や建物を独占(=モノポリー)し、他のプレイヤーを破産に追い込み、一番資産を築いたプレイヤーの勝利です。
「モノポリー」には、現実のビジネス社会で起こる場面がたくさん登場します。たとえば、レンタル料を支払う時、現金がなければ、土地を抵当に入れて借金をすることができますが、解除するには借りた金額の1.1倍を支払わなければいけません。
また、自分の欲しい土地を獲得するために、土地の交換など、他のプレイヤーと交渉する必要があります。さらに、税金・入院費・交通違反など、生活の中でお金が出ていくイベントも発生します。
土地を多く買い占め、より多くの収入を得なければ勝つことはできませんが、一方で、ある程度お金を持っていなければ、支払いが必要な場面で、お金が足りずに破産して負けてしまいます。
このように「モノポリー」は様々な条件を考慮した戦略を立て、交渉し、独占を目指すという頭を使うマネーゲームなのです。
「モノポリー」は何歳から?
ここまで読むと、幼児には難しすぎると感じられるかもしれません。たしかに個人差はありますが、計算や交渉などを親がサポートすれば、5歳位から遊ぶことは可能です。実のところ、我が家の5歳次男は家にあるボードゲームの中で「モノポリー」が一番のお気に入り。驚くことに勝率も悪くありません。
長く遊ぶことができるボードゲームなので、もし難しすぎた場合はいったんしまって、しばらく経ってからトライしてもいいでしょう。あるいは、対象年齢が5歳以上の「モノポリージュニア」から始めることもできます。
「モノポリー」のおすすめポイント
- 不動産投資について学ぶことができる
- 借金について学ぶことができる
- 計算が早くなる
- 交渉する力がつく
- 先を見通した戦略を立てる力がつく
- 単位がドルなので外国通貨に触れることができる
3.物々交換で相対的なモノの価値を知る「カタン」
「カタン」とは?
ドイツ発祥の「カタン」は、世界で2000万個以上を売り上げた大人気のボードゲーム。本格的ボードゲームでありながら、子どもも楽しむことができるという点で「モノポリー」と並んで選択肢にあがるのが、この「カタン」でしょう。
無人島「カタン」を舞台に、資源を手に入れながら、開拓地・都市・道路を建設して自分の陣地を広げ、ポイントを獲得していくゲーム。10ポイント先取したプレイヤーの勝利となります。
「カタン」では、お金は登場しません。その代わり、重要なポイントとなるのが資源。資源は小麦・羊毛・鉱石・レンガ・木材の5つです。「カタン」はこれらの資源から成る島で、各資源の上には数字が並べてあります。2つのサイコロを振って出た目の合計と、開拓地か都市を建設している資源上にある数字が同じであれば、資源を獲得することができます。手持ちの資源を使って、建設したり、スペシャルカードを引いたりして、得点を重ねていきます。
「モノポリー」同様「カタン」でも、資源を交換する交渉を行うことができます。交渉に応じてもらうために、相手も自分も得をするような条件を提示しなければいけません。また、ある時は羊毛の需要が高いのに、ある時はレンガの需要が高いというように、同じ資源であっても、その時の状況によって価値が変化します。このように、お金ではなく資源を使ってプレイすることで、ものの価値を学ぶことができます。
「カタン」では、資源の交換、開拓地の建設、スペシャルカードなど、ポイントを獲得する手段が多くあり、どの戦略で進めばより早く10ポイントに達するのか、先を見越した戦略が必要になります。また、サイコロを2つ使用するので、計算が早くなるのに加えて、よくでる数字(6,7,8など)やほとんどでない数字(2,12など)があることを知り、確率を体感できます。
「カタン」は何歳から?
一見ルールは複雑そうですが、お金の計算が登場しない分、物々交換と同じ要領で遊ぶことができるため、幼児でも比較的ルールを理解しやすくなっています。
我が家の5歳次男はいつもチームでプレイしていますが、ほぼ1人で考えていて、私は困った時に助言する程度。しかも何度も勝利を手にしています。
まずはチームでプレイしたり、ルールを簡単にしてチャレンジしてみるといいですね。
「カタン」のおすすめポイント
- ものの相対的価値を考えることができる
- 確立を知ることができる
- 交渉する力がつく
- 計算が早くなる
- 先を見通した戦略を立てる力がつく
まとめ
興味のあるボードゲームは見つかりましたか?「マネー教育!」と肩肘張らずに、まずは子どもと一緒に楽しむことから始めてみましょう。繰り返しプレイするうちに、子どもは自然とルールを覚えて勝つための戦略を立てようとします。楽しくてマネー教育にもなる一石二鳥のボードゲーム、この冬のおうち時間に始めてみませんか?