3歳児健診の内容は?3歳児健診の目的と時期、必要な準備をご紹介!
3歳児健診とは?
乳幼児健診のひとつである3歳児健診とは、そもそもどのようなものなのでしょうか?
3歳児健診の目的
3歳児健診は、子どもの心身の発達状況を確認し、子どもの病気や障害を早期発見して早期の対応をするために行われるといいます。さらに保護者へ対する生活習慣や虫歯の予防などといった育児指導を通して、子どもの健康づくりへとつなげることも目的のひとつといえるでしょう。
3歳児健診の費用
3歳児健診の実施は母子健康保険法で定められており、各自治体が費用を負担するため、原則無料で受けることができます。
3歳児健診の時期
3歳児健診を受ける時期は自治体によって異なりますが、一般的に3歳半から4歳のあいだに受けるよう義務付けられていることが多いといいます。集団健診の場合、事前に送付される案内に記載された日時に健診を受けることになります。
ただし都合が悪い場合は、自治体などに相談して日程を調整してもらうことができます。また当日体調を崩した場合は、無理に指定日に健診を受けず、別日に変更してもらいましょう。
3歳児健診の所要時間
3歳児健診にかかる時間は、おおよそ1時間から1時間半程度となります。ただし集団健診の場合待ち時間がかかったり、個別相談で時間が長引いたりすることもあるため、余裕を持ってスケジュールを開けておくことをおすすめします。
3歳児健診の内容
3歳児健診では、どのようなことが行われるのでしょうか?
・尿検査
尿検査は、腎臓や尿管の形の異常や腎炎、糖尿病などの早期発見・早期治療のために行われるといいます。採尿は検査当日家庭で行い健診会場に持参することになりますが、健診日にとれなかった場合は後日提出することもできるようです。
・身体測定
身体測定では、身長・体重のほかに胸囲・頭囲の測定も行われます。成長曲線を大きく下回る、あるいは上回る場合は、栄養指導や経過観察が必要になることも。状態によっては、医療機関が紹介される場合もあるようです。
・歯科健診
歯科検診では、虫歯の有無や歯並び、噛み合わせなど口内の健康状態がチェックされます。問題があれば医療機関への受診を指示されたり、歯磨き指導が行われたりするといいます。
・視力検査
3歳児健診の視力検査は、家庭で事前に行うのが一般的です。家庭での検査が難しい場合や、気になることがある場合は、健診会場でも視力検査を受けることになります。検査の結果目の病気が疑われる場合は、眼科での精密検査となるでしょう。
また健診会場では、ビジョンスクリーナーという機械を使い、弱視のスクリーニング検査が行われる場合があります。遠視や斜視など、弱視の原因となりうる異常の可能性を短時間で判別できるというのだから驚きですね。
子どもの弱視は4歳以下に治療を始めれば、高い確率で改善が期待できるといわれているため、きちんと検査するようにしましょう。
・聴力検査
3歳児健診の聴力検査は、視力検査同様家庭で事前に行います。家庭での検査が上手くいかなかった場合、健診会場での再検査や耳鼻咽喉科での精密検査を受けるよう指示されることがあります。
・問診
保健師による問診では、子どもの運動機能や認知機能、言葉の発達がチェックされます。子どもの反応を細かく観察するため、ママやパパが子どもの代わりに答えたり、手助けしたりすることは控えましょう。
ものの大小や長短、形、色などが理解できていなかったり、言葉の遅れが見られたりする場合は、経過観察や医療機関への紹介が行われることがあります。また簡単な会話ができない、視線をあわせられないなど、コミュニケーション能力に問題がある場合は、医療機関や療育機関への受診を勧められることでしょう。
・小児科診察
医師の診察では、視診や触診、聴診などを通して子どもの健康状態をチェックします。子どもの健康について不安がある場合は、医師に相談してみてはいかがでしょうか?
・個別相談
育児や子どもの発達などに不安や心配事がある場合は、歯科衛生士や臨床心理士、栄養士、保健師などによる個別相談を受けることができます。3歳児健診のあとは、就学時まで健診はないため、気になることがあればしっかり相談しておくことをおすすめします。
3歳児健診の準備
3歳児健診で必要になる準備や当日の持ち物は自治体によって異なるため、事前に送付される案内をしっかりと確認しておきましょう。ここからは、一般的に3歳児健診で必要になる準備についてご紹介します。
・母子手帳・書類の記入
3歳児健診を受ける前に、案内に同封されている健康診査票や母子手帳の保護者の記録などへの記入を済ませておきましょう。健康診査票には子どものこれまでの発達や病気、予防接種歴など記入する項目が多いため、余裕をもって準備しておくと安心ですよ。
また子どもや家族の健康や育児に関するアンケートは、問診の際の軸となるため、正確に記入するようにしてくださいね。子育てに関して不安や質問などがあれば、別紙に書いて持参しておくとスムーズに相談しやすいかもしれません。
・視力検査
3歳児健診の視力検査は、事前に家庭で行っておきます。案内に同封されているキットを使い、指示通り検査を行ってくださいね。視力検査でなじみ深い、輪っかの一部に切れ目が入ったランドルト環を使った検査が難しい場合に備え、イラストを使った検査キットも同封されていることでしょう。
初めて検査をするときは、検査のやり方を子どもがよく理解できず、上手くいかないこともあるかもしれません。そのときは改めてやり方を確認した上で、検査をやり直してみてはいかがでしょうか?
・聴力検査
3歳児健診の聴力検査では、ささやき声で何といっているのかイラストを指して答えてもらう検査と、指をこする音が聞こえたら手を挙げて知らせる検査の2種類が行われることが多いようです。
こちらも視力検査同様、やり方が理解できるまで時間のかかる子どももいるため、上手にできない場合は日を改めてもう一度検査を行ってみてくださいね。また検査の妨げにならないよう、検査するときはテレビを消したり、窓を閉めたりして静かな環境を整えることが大切です。
・採尿
3歳児健診では尿検査があるため、健診当日に採尿をする必要があります。しかしまだおむつがとれていなかったり、採尿用の紙コップにおしっこをすることを嫌がったりすることも少なくありません。
トイレでおしっこをするのが難しい場合は、おむつにラップを敷き、その上にガーゼや脱脂綿をセットして子どもに履かせてみてはいかがでしょうか?そうするとおしっこをおむつに吸収されることなく、ガーゼや脱脂綿に染み込ませることができます。あとは紙コップなどにおしっこを絞り入れ、容器にいれるだけです。
トイレでおしっこはできるけれど、紙コップに出すのを嫌がる場合は、トイレの便座の下にビニール袋をはさんで用を足してもらう方法もあります。紙コップのようにママやパパが手で持っておく必要がないため、子どももおしっこをしやすいかもしれません。
またトイレトレーニングの際に使用したおまるや採尿袋などを活用してもいいでしょう。ただどうしても検査当日に採尿することが難しい場合もあるかもしれません。その場合は無理に当日採尿することにこだわらず、日を改めて提出してもいいでしょう。
筆者も息子の3歳児健診の際、トイレに座らせて紙コップで採尿しようとしたのですが、なかなか上手に手を差し込むことができませんでした。そこで立った状態で紙コップにおしっこをしてもらうと、スムーズにとることができましたよ。
さいごに
3歳児健診は、子どもの発達や健康状態をチェックできる限られた機会のひとつです。3歳児健診がきっかけとなり、発達の遅れや病気などが見つかることも多いため、子どもの健やかな成長のためにぜひ健診を受けるようにしてくださいね。
筆者には2人の子どもがいますが、上の子の3歳児健診の際、視力が低いことがわかりました。日常生活で特に気になる様子はなかったため、自宅での検査が上手くいかなかったときも「まさか」と信じられない気持ちでいっぱいでした。
健診会場で眼科への紹介状を書いてもらって受診したところ、遠視だということがわかりました。その後定期的に眼科に通いながら治療を進めた甲斐があり、7歳になる今では当時よりも飛躍的に視力を伸ばすことができました。
そして先日、下の子の3歳児健診があったのですが、家庭での視力検査では問題なかったものの、弱視スクリーニング検査で斜視の疑いがあるという結果になりました。予約の都合上まだ眼科の受診はできていませんが、早めに精密検査を受けにいきたいと思っています。
どちらの場合も、日常生活だけでは異常に気づくことはなかなか難しかったことでしょう。3歳児健診をきっかけに、早めに治療を始められたことは子どもにとって非常にありがたいことだと感じるとともに、3歳児健診の重要性を実感しました。