集中力アップのカギは姿勢にあり!?正しい座り方やトレーニングを解説
姿勢が悪くなりやすい理由
子どもの姿勢が気になったことはないですか?正しい姿勢でいるよう意識し続けることは大人でも難しく、他のことを考えているうちについ忘れがちになってしまいます。あちこちに興味が向いている子どもならなおさらです。
猫背で、立っていてもあごが前に出ていたり、肩が前に出すぎていたりという姿勢が、ありがちな悪い姿勢です。座っているときには頬杖をついたり足を組んだりしてしまうこともよくあるでしょう。
実は正しい姿勢を保つためには、ある程度の筋力や筋肉の柔らかさが必要です。しかし成長期の子どもは、背が伸びて体がかたくなりがちで、首や肩、背中の筋肉もまだ弱いため、正しい姿勢が保ちにくいのです。
姿勢が悪いとさまざまなデメリットがある
悪い姿勢を続けていると、見た目の印象が悪いだけでなく、さまざまなところに影響が出てきます。悪い姿勢を続けることで現れるデメリットについて解説していきます。
発育への影響
足を組んで座ったり、頬杖をついたりすると骨盤のゆがみや筋肉のねじれにつながります。成長期は骨や軟骨が柔らかいため、ゆがんだまま将来まで固定される危険性もあります。また頬杖の姿勢を続けることは、顔のゆがみの原因のひとつです。
健康面への影響
悪い姿勢を続けていると、肩こりや頭痛など、身体への影響が出てきます。
猫背は首や肩、骨盤に負担がかかり疲れやすくなるだけでなく、眼精疲労や視力低下につながる可能性もあります。
また骨盤のゆがみから血流が悪化し、腰痛や冷え性、足のしびれの原因になることもあるのです。
精神面への影響
集中力の低下も姿勢の悪さによるデメリットのひとつです。
また猫背のようにうつむいた体勢を続けていると、ネガティブな気持ちになりやすく、常態化すれば不眠につながったり、ストレスを感じやすくなったりする恐れもあります。
姿勢を良くすることのメリット
それでは正しい姿勢を保つことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
呼吸がしやすくなる
正しい姿勢は胸が開くため、肺に空気を取り込みやすくなることで、呼吸が深くなります。深い呼吸は全身の血行を良くしたり、酸素を脳に十分に送り込んで活性化させたりする効果もあります。その結果、長時間座っていても疲れにくくなり、習い事のときや授業中の集中力を持続させることにもつながります。
目の負担が減る
正しい座り姿勢で勉強したり本を読んだりすると、本と目の距離が適度に保たれ、目の負担が減り、疲れにくくなります。
食事へのいい影響も
正しい姿勢で食事をすると、内臓がスムーズに働いてくれ、消化吸収が良くなります。また足をしっかり床につけて食べることで、しっかりと噛むことができ、歯並びやかみ合わせが良くなることにもつながります。
正しい姿勢とは
それでは正しい姿勢とはどのような姿勢でしょうか。正しい立ち方と座り方について解説していきます。
正しい立ち方
正しい立ち方は、壁を使うと作りやすいです。まず壁に背をつけて立ちます。このとき、頭と肩、お尻、ふくらはぎが壁についているようにしてください。壁と腰との間に左右の手を重ねてみて入りにくいくらいであるのが、理想的な空間です。このとき手が通ってしまうようでは空きすぎです。
正しい座り方
まずイスに深く座って、ひざをそろえます。机と身体の間は、握りこぶし1つ分くらいあけましょう。そしてひざを90度に曲げ、ひざから下は垂直におろします。背筋を伸ばし、同時におなかも伸ばします。このとき胸を張らないように注意しましょう。あごを、少し二重あごになるくらいの意識で引き、頭が前に出ないようにします。
座ったときに机の上に両手を「ハの字」にして置くと、この正しい姿勢を作りやすくなります。
正しい姿勢を保ちやすくなるためのおすすめグッズ
先に述べたように、正しい姿勢を保つにはある程度の筋力や柔軟性が必要となるので、最初は長時間保つことは難しいかもしれません。そんな時に役立つグッズをいくつか紹介します。
矯正クッションを使う
子ども用の姿勢を矯正するクッションがネットなどで販売されていますので、最初はそのようなグッズを使うのも良いでしょう。「ピントキッズ」は普段使っているイスに乗せて使うクッションです。座るだけで、無理のない正しい姿勢へ身体を誘導してくれます。
タオルを使う
また家にあるバスタオルを使っても、正しい姿勢をサポートすることができます。例えば椅子の座面が傾いていたり、湾曲したりしている場合は、バスタオルをお尻の下に敷くことで骨盤が安定しやすくなります。また、背中側にロールしたバスタオルを挟むと、腰や背筋に負荷がかかりにくくなります。
そのほか、姿勢を矯正するためのベルトやイスなども販売されています。子どもの年齢や姿勢の悩みに合わせて、適したものを取り入れると良いでしょう。
正しい姿勢のためのトレーニング方法
姿勢の悪さの改善や、良い姿勢を保つためには、ストレッチやトレーニングも有効です。姿勢の矯正に役立つ本やYouTube動画をご紹介します。
寝る前10秒 子どもの姿勢ピン! ポーズ
子どもの運動発達を専門にしている理学療法士によって書かれた、猫背や頬杖などの姿勢の悪さが気になる子どものための本です。難易度別に、姿勢を良くするためのポーズが紹介されています。難しいポーズには、著者のアドバイス動画が見られるQRコードもついていますので、本と合わせて参考にしながら実践してみると良いでしょう。
【プロ野球トレーナーが教える】たった3分!子どもの頃から絶対にやっておくべき猫背改善ストレッチ
短時間でもできる、猫背を改善するためのストレッチが紹介されています。手本の動画とともに、ストレッチの時に意識するポイントも補足されています。
【姿勢が悪い子注目】子どもの体幹トレーニング【簡単5選】
正しい姿勢を保つために必要な体幹を鍛えるトレーニング方法が紹介されています。バランスポーズなどのほか、ゲーム感覚でできそうなティッシュを使ったトレーニングなどが紹介されています。親子で一緒に楽しみながらトレーニングをするのも良いですね。
子どもの正しい姿勢を保つために親ができること
子どもが正しい姿勢を保てるようにするために、普段から親ができることを解説していきます。
身体の成長に合った机やイスを準備する
正しい姿勢をとるためには、イスと机の高さが適切であることが大切です。子どもの成長に合わせて、ちょうどいい高さになっているかの確認をしましょう。イスの高さは、深く腰掛けたときに、足の裏全体が床につくようにします。足がつかないときは、台などを置いて調整してください。また机は、イスに深く腰掛けた状態で両腕を軽く机に置き、ひじが直角になる高さが適切です。
生活リズムを整える
正しい姿勢を保つために重要な筋肉に緊張を与えるセロトニン神経というものがありますが、現代の子どもたちはセロトニン神経が弱化しているといわれています。セロトニンは太陽光を浴びることで増加し、これをもとに夜には眠りを誘うホルモンであるメラトニンが生成されます。しかし昔に比べ室内で遊ぶ時間が増え、太陽光を浴びる時間が減ったためにセロトニンが十分に増えないのです。また夜になってもテレビやゲームなど、必要以上に明るい光の刺激を受けると、メラトニンの分泌が抑えられ、睡眠にも影響が出ます。天気の良い日はしっかり外遊びをして太陽光を浴びましょう。それが姿勢の良さだけでなく、生活リズムの安定にもつながります。
声かけの仕方を意識する
子どもの姿勢が気になったとき、何度も「姿勢がよくないよ」と注意すると、子どもも嫌になり、親も疲れてしまいます。声をかけるのは1日1回程度に留め、かける言葉も「顔が机に近づいてきているみたいだよ」「背中が疲れてきているみたいだから一緒に体操しようか」のように工夫してみましょう。
外出や気分転換も忘れずに
長時間座っていると、どうしても姿勢は悪くなりがちです。特に家にいると、座る時間が長くなることが多いでしょう。短時間だとしても外で遊んだり一緒に買い物に出かけたりして、同じ姿勢を続けないように意識しましょう。
さいごに
正しい姿勢を保ち続けることは、大人でも難しいことです。しかし正しい姿勢は見た目が良いだけでなく、メリットがたくさんあります。自然に正しい姿勢が身につくように環境を整えたり、トレーニングを楽しんだりしてみてください。そして一番大事なのは、親自身が良い姿勢を意識することです。子どもに注意するだけでなく、自らがお手本となれるように正しい姿勢をキープしましょう。
参考サイト
- Precious.jp(プレシャス)|むくみも姿勢の悪さもバスタオル1枚で解決。お尻に敷くだけで座り姿勢が劇的に変わる!(https://precious.jp/articles/-/25899)
- 株式会社主婦の友社 のプレスリリース|集中力が上がる・体幹筋が強くなる・ケガをしにくい。10秒の「姿勢ピン!ポーズ」で体が変わる!(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001891.000002372.html )