子育てに配慮したデザインが満載！キッズデザイン賞とは？2023年度の作品も紹介
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キッズデザイン賞とは
2007年にスタートしたキッズデザイン賞は、子どもや子育てをする際に配慮された製品・サービス・空間・活動・研究の優れたデザインを対象としている顕彰制度です。
キッズデザイン賞の理念として、もしもの事故から子どもを守る「子どもたちの安心・安全に貢献するデザイン」、子どもの考える力を楽しくのばす「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」、子育て生活にうれしい「子どもたちを産み育てやすいデザイン」の3つの考え方が基礎となっています。
キッズデザイン賞の対象は？
「デザイン」というと、ものの色や形などの見た目を重要視しがちですが、キッズデザインは使いやすく、安全なものが対象です。
また、子どもの年齢対象は0～15歳で子ども用のものだけでなく、大人や一般向けであっても子育てをする上で配慮されているものは全てがキッズデザインの対象とされています。
キッズデザインマークが活用できる
キッズデザイン賞を受賞すると、キッズデザインマークを使用することができます。商品パッケージや、商品カタログ、広告やwebサイトなどにキッズデザインマークを記載することによって、受賞をPRすることが可能です。
また、受賞すると表彰状やトロフィーをもらうことができるので、それらを活用することで商品のPRになるでしょう。
キッズデザイン協議会とは
キッズデザイン協議会とは、未来の重要な役割を担う子どもたちの安全・安心の向上、健やかな成長に導く社会環境をつくるためのNPO法人です。大人の視点からではなく、子ども目線で考えられ、子どもを基準に考えられたキッズデザインです。
キッズデザイン宣言とは
キッズデザイン協議会は2016年に活動10周年を迎え、子どもたちの明るい未来が継続できるよう2017年に「キッズデザイン宣言」を発表しました。以下、引用です。
すべての子どもは社会の宝であり、未来そのものです。
キッズデザイン協議会は社会の変化を敏感にとらえ、さまざまなステークホルダーとともに、オープンイノベーションを起こし、その未来が持続的で明るいものであるよう行動します。
・出産、育児と働くことがどちらも喜びであるよう、考え、実践します。
・子育てするすべてが交流と支援を享受できる場づくりをサポートします。
・コミュニティが支える子育ての大切さを共有し、その支援を行います。
・地域と社会の若者や高齢者と、子どもが接する機会を増やします。
・子どもにとっての遊びと学びの普遍と変化を研究し、開発し、実践します。
・子どもが自発的、継続的に体験、経験を積める機会をたくさんつくります。
・不慮の事故による子どもの犠牲をゼロにする努力を継続します。
2017年6月5日
キッズデザイン協議会
2023年度キッズデザイン賞受賞作品
キッズデザイン賞はいったいどのようなものが受賞されているのか、最優秀賞、優秀賞、奨励賞など、子ども向けに作られた作品を5つご紹介していきます。
最優秀賞（内閣総理大臣賞）・大賞・金賞／こども選挙実行委員会「こども選挙」
神奈川県茅ケ崎市長選挙の際、実際の候補者に子どもも投票することが可能な「こども選挙」を実施。ネット投票を含め、566人もの子どもたちが投票に参加しました。この活動は、埼玉、鳥取、香川など全国に広がってきています。
2022年に成立した「こども基本法」に「全てのこどもが意見を表明し社会活動に参加する機会が確保されること」が明記されていますが、子どもはこれからの未来を拓く存在であり、社会づくりの主役です。子どもの意見を取り入れるのは重要であることから、最優秀賞にふさわしい作品だと評価されました。
優秀賞（経済産業大臣賞）・部門賞／株式会社Discovery Kids「i do button」
2～4歳前後の自分でやりたい子どもの「できた！」「またやりたい！」を叶えてくれるナイトウェア。子どもが自らの力で着脱できるよう、自分でボタンがとめられたり、ズボンが履きやすかったりするなどの特別な工夫が施されています。
子どもにとって、ボタンをとめることが少し難しいパジャマの着脱に達成感を与える工夫や、うつ伏せ寝・寝返りにも考慮し、事故を防ぐ配慮もされているところが評価されました。
優秀賞（経済産業大臣賞）・部門賞／富士通株式会社「エキマトペ」
「エキマトペ」とは、駅のアナウンス・電車の音などの環境音を、文字や手話、オノマトペを用いて視覚的に表現している装置です。毎日の鉄道利用が楽しく、使いやすくなるように、富士通株式会社が川崎市立聾学校の子どもたちと共同でアイデアを出し合い、その考えが実現されたものです。さまざまな子どもの目をひくデザインであり、一般の利用者にとっても、有効な提案であることが評価されました。
優秀賞（経済産業大臣賞）・部門賞／YKK不動産株式会社「パッシブタウン第4街区 たんぽぽ保育園」
自然のエネルギーを活用する黒部市のまち＝パッシブタウンにある、YKKグループの事業所内保育施設「たんぽぽ保育園」。緑豊かな園庭で子どもたちが日常から豊かな自然に触れあい、健やかな成長が目指せる環境が実現されています。造形的なデザインと、開放的でのんびり過ごせる作りが高く評価されました。
優秀賞（こども政策担当大臣賞）・部門賞／大和ハウス工業株式会社「音の自由区」
子育てをするほとんどの家庭が気にしている騒音。大和ハウス工業株式会社の防音室「音の自由区」の中の「やすらぐ家」では、外の音を入れず、室内を図書館のような静かな状態に保ちます。また、ガラス張りの静音スクリーンによって、明るく開放的な空間が可能です。親の在宅ワークと、子どもたちが遊ぶシーンが重なることが多くなった現代社会において、静かな空間と開放的な空間の両方を叶えることのできる点が高く評価されました。
奨励賞、特別賞（審査委員長特別賞）／HANASUI株式会社「【日本製】手動ポンプ式鼻水吸引器 HANASUI」
「【日本製】手動ポンプ式鼻水吸引器 HANASUI」は、強力な吸引力で鼻水を吸うことができ、電動音がないため赤ちゃんが怖がることもありません。また、鼻水を吸引する際、指への負担が少ないレバーで、シンプルな作りのためお手入れもしやすいです。扱いやすく、衛生面にも配慮されている点が高く評価されました。
奨励賞、特別賞（東京都知事賞）／ファイン株式会社「POSYリング歯ブラシ」
0～3歳くらいまでの乳幼児を対象に、乳幼児が楽しみながら自分で歯を磨けるように作られた歯ブラシです。持ち手が握りやすいリング状であったり、喉をつくことのない長さであることから、子どもの事故防止、安全性に配慮されているデザインが高く評価されました。
応募部門ごとにご紹介
キッズデザイン受賞作品を応募部門ごとにご紹介していきます。
子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門／積水ハウス株式会社「いつもの暮らしが子どもの備え 〇〇と防災」
急に起こる災害に備えて、防災グッズをわざわざそろえるのではなく、子どもから大人までが日常生活で興味や関心のある「備えのあるいつもの暮らしをする」がコンセプト。色々な方面から「これならできる！」といったことをイベントやワークショップなどを通し、情報の発信を行っています。
子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門／株式会社千葉印刷「さかなかるた」
魚の皮の模様・色などで何の魚かあてるかるたです。特別な印刷技術によって、魚のうろこのギラギラ感や凸凹感が再現されています。魚の美しさに触れながらかるたを楽しむことができ、水に浮かべて遊ぶことも可能です。
子どもたちを産み育てやすいデザイン部門／株式会社明治「明治ほほえみ らくらくミルク」
調乳をせず、常温のまま赤ちゃんにミルクを与えることのできる「明治ほほえみ らくらくミルク」。スクリューキャップによって開け閉めが容易であったり、飲み切れない場合も、保管しやすかったりする点が評価されました。
さいごに
現代社会の宝、未来が無限大の子どもたちや子育て向けの商品に与えられる「キッズデザイン賞」についてお伝えしました。キッズデザイン賞には、子ども向け、子育て向けにデザインされた作品が数多くあることをお分かりいただけたでしょうか。キッズデザインの公式サイトをチェックしてみると「こんなもの欲しかった」という商品に出会えるのでぜひチェックしてみてくださいね。
参考サイト
- ・KIDS DESIGN AWARD｜キッズデザイン賞とは（https://kidsdesignaward.jp/about/）
- ・ido button｜i do button について｜(https://ido-button.com/aboutus)
- ・エキマトペ｜エキマトペって？｜(https://ekimatopeia.jp/)
- ・KIDS DESIGN AWARD｜いつもの暮らしが子どもの備え 〇〇と防災｜ （https://kidsdesignaward.jp/search/detail_230170 ）
- ・KIDS DESIGN AWARD｜さかなかるた｜(https://kidsdesignaward.jp/search/detail_230042)
- ・KIDS DESIGN AWARD｜明治ほほえみ らくらくミルク｜(https://kidsdesignaward.jp/search/detail_230483 )
