親子でやりたい昆虫採集!虫嫌いも克服できる!?体験談やおすすめアイテムも
虫嫌いの子どもが増えている理由
自然との共生が重視されるこの時代に、昆虫が毛嫌いされるのはなぜでしょうか?原因を見ていきましょう。
外遊びの機会が減ったから
現代の子どもたちは、デジタル機器を使うインドアの娯楽時間が増えたことにより、外遊びの機会が減ってしまいました。その結果、虫に触れる機会も減ってしまい、虫に対しての興味より、「危ない」「怖い」という意識のほうが強くなっているのです。
その虫のことがよく分からないから
人は分からないものに恐怖を抱きやすい生き物です。虫は、犬や猫のように感情を読み取れず、人にとっては得体の知れない生き物といえます。初めて見る虫は特に、近づいたら何をされるか分からないので、不安や恐怖を感じやすいのです。
見慣れない見た目だから
虫は人と違い、それぞれに特殊な見た目をした虫たち。たくさんの足や関節部分、お腹の模様など、人間とはまったく違う姿かたちをしています。そのような見た目に対し、不快感や苦手意識を持ってしまう場合があります。また、虫のカラフルで毒々しい色に、本能的に恐怖を感じてしまうのかもしれません。
親の影響を受けてしまったから
親が虫嫌いだと、子どもが虫を見つけたとき、つい「触っちゃダメ!」と言いがち。子どもは親の反応をよく見ています。親が「汚い」「怖い」などネガティブな反応を見せることで、子どもへの偏った価値観を植え付けることになりかねません。
親は、たとえ自分が虫嫌いでも、子どもの前でのリアクションや言葉に気をつけてみてください。親の影響ではなく子ども自身の感覚で、目の前の虫を好きか嫌いか決められるといいですね。
親の虫嫌いが子どもへの影響大!
虫嫌いの子どもが増えている理由の一つに、親の影響があることが分かりました。ただ、パパママだって小さい頃に虫を捕まえて遊んだ記憶があるはずです。どうして虫嫌いになってしまうのか、解説していきます。
虫への抵抗感はいつから芽生える?
そもそも子どもは、生き物(動くもの)に興味を持つものです。赤ちゃんのうちから、自分に向かってくるものや、生き物の動きに対して反応が見られます。「動いているのは何だろう?食べ物かな?触ってみようかな」と手を伸ばすのです。
そして、子どもは環境に適応するため、追いかけるべきか、触って大丈夫なのか、学習していきます。3歳くらいまでは、好き嫌いの差はありますが、虫を追いかけることに抵抗がないようです。変化が見られるのは、5~6歳頃。一般的に、警戒心の強い女の子のほうが、虫が苦手な傾向にあります。
大人になると虫嫌い、はなぜ?
パパママのなかには、子どもの頃は平気だったのに大人になったら虫が苦手になってしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか?それは、大人になるにつれ都会的な暮らしになり、虫を見る機会が減ってしまうからです。
さらに、人は成長するにつれ、刺されると痛い、危ない、毒がある、病原菌を持っているかもしれない、など虫に対する知識も身につきます。もしくは知識がないから予測できずに怖い、過去のトラウマ、見た目・質感が苦手、などの理由で虫が苦手になっていくのです。
子どもは虫に興味津々だけど、親は苦手という家庭もあるでしょう。しかし、大人も虫に対する知識や触れ合う機会を増やすことで、嫌悪感を軽減できることが分かっています。もし子どもが虫を見つけたら、頭ごなしに否定せず「ママは少し苦手だけど、その虫のどこが好きだと思うの?」と会話してみましょう。
昆虫採集が子どもに与える影響
虫が苦手なパパママにとっては腰が重い昆虫採集かもしれませんが、実は子どもにとっていい影響が多い活動です。ここからは、昆虫採集が子どもにどんな影響を与えるのか、ご紹介していきます。
自然体験ができる
昆虫採集は、自然と触れ合う絶好のチャンスです。虫を探したり捕まえたりしながら、土や草の香り、感触を感じられます。国立青少年教育振興機構による調査によると、自然体験を多く持つ子どもほど自己肯定感が高く、道徳心や正義感が強くなる傾向があることが分かっています。
また、就学前から積極的に子どもに外遊びをさせていた家庭では、あまり外遊びをさせていない家庭に比べ、子どもの探求力が育まれたり、最終学歴が高くなったり、というデータも。外で過ごす時間の長さが、子どもの肥満と近視の抑制につながる可能性もあることから、自然体験が子どもたちの将来に与える影響は図り知れません。
虫は、生き物の中でも簡単に自分の手で捕まえられ、簡単に触れられる身近な「自然」です。子どもが自然体験をするチャンスが減っている現代だからこそ、昆虫採集の必要性も高まっていると考えられます。
問題解決能力が身につく
問題解決能力とは、目の前の問題に対して「何をすべきか」を導き出す力のことです。昆虫採集では、「虫がなかなか捕まらない」という問題に対し、「どうしたら確実に捕獲できるか」を考える必要があります。虫の動きを予測したり、どうすれば逃げられずに近づけるか考えたり、創意工夫が必要です。
昆虫採集をとおして問題解決能力を鍛えると、トラブル時に落ち着いた対応ができるようになります。
成功体験を積める
上手に虫を捕まえるには、ある程度のテクニックが必要です。子どもたちは、昆虫採集をとおして何度も失敗を繰り返しながら、「捕まえた!」という成功体験を獲得します。成功体験を持つ子どもほど自己肯定感が高く、困難にも立ち向かえるようになります。
子どもがたくさん虫を捕まえられたときには、その成果を褒めてあげましょう。昆虫採集での達成感・満足感が子どもの自信となり、強い心を育んでいくでしょう。
命を身近に感じられる
虫は弱い生き物です。捕まえ方や持ち方が悪いと、すぐに足や羽がもげてしまったり、弱って死んでしまったりするケースもあります。ただ1~4歳くらいまでの幼児期は、虫を捕まえること自体をおもしろいと感じます。虫とたくさん触れ合いながら、自然に対する愛情や命の大切さを学んでいく時期です。せっかく芽生えた自然への興味をつぶさないためにも、たとえ虫を殺してしまったとしても注意したり命の大切さを長々説教したりしないでくださいね。
捕まえた虫をどうするか考えられるのは、年長~小学校低学年くらいからでしょう。虫を飼ったり、お世話したいと思えたり、たくさん触ると弱る、ストレスを与えると死んでしまうことなども理解できるようになってきます。
また、捕まえた虫が死んでしまったときは、自然に還すことを教えてあげましょう。草むらなどに置いて、虫の死骸を食べるアリや鳥にあげます。虫好きな子は、やがて虫を死なせてしまった行為が、残酷なことだったと理解します。虫と遊んだことのない子に比べ、命の大切さを深く理解できる子どもに成長するでしょう。
昆虫採集に出かけよう!おすすめアイテム4選
昆虫採集は子どもにとって多くのメリットをもたらすことが分かりました。虫が苦手な親も、子どもと一緒に少しずつ虫の観察に参加してみましょう。そして、子どもが持つ虫への好奇心は優しく見守って声をかけてあげましょう。また、虫が苦手な子を持つ親は、大人が率先して昆虫採集に積極的な姿を見せてあげるのがおすすめです。
ここからは、子どもも虫取りに行きたくなるおすすめのアイテムを紹介します。
虫取り網
35~83cmまで、5段階に柄の長さを調節できる子ども用虫取り網です。網の直径は20cm、重量も55gとコンパクトで軽量なため、子どもも扱いやすく持ち運びにも便利。昆虫採集以外にも、小魚や小エビすくいにも使え、アウトドアシーンで活躍してくれそうです。
モンスターボール虫かご
虫が苦手な子どもも「ポケモン」には興味があるのではないでしょうか?捕まえた虫をこのモンスターボール&マスターボール虫かごに入れれば、気分はまさにポケモントレーナー!色や形の再現度も高く、真ん中のボタンを押すと開閉できる設計です。
昆虫観察ボックス
虫を捕まえた後、しっかりと観察もできる昆虫採集セットです。付属のピンセットかボールピンセットで虫を掴み、虫かごに捕獲。虫かごには拡大鏡レンズがついていて、上部からは2.6倍、側面からは4.5倍の倍率でじっくりと虫を観察できます。
講談社「動く図鑑MOVE mini 昆虫」
1100種類の昆虫を写真で紹介しているポケットサイズの図鑑です。持ち運びに便利なサイズで、Webアプリを使えばスマートフォンでも楽しめます。捕まえた虫の名前や生態をすぐに調べられるので、昆虫採集で活躍すること間違いなしです!
【体験談】子どもが虫に興味を持つきっかけと虫嫌いな親のかかわり方
子どものポケットから虫が大量に出てきて悲劇!なんて経験のある親も多いかもしれませんね。虫が苦手なママたちが、子どもとどのように関わっているか、体験談を紹介します。
子どもの頃は平気だったのに……
私自身、子どもの頃は毛虫を手にのせたり、セミを何十匹も捕まえてきて部屋の中でいっせいに放したり、今では絶対に子どもにやって欲しくないことをして遊んでいました。それなのに、いつの間にか毛虫もセミも、特に羽のある虫にはまったく触れなくなり、近くで見るのも気持ち悪いと思うように。2歳の娘は、そんな私の影響をしっかりと受けてしまい、虫を見るととても嫌な顔をします。私が触れるアリやダンゴムシなら大丈夫な様子。親のせいで子どもの可能性を奪ってしまうのはよくないな、と反省しています。
一緒に虫の図鑑を見たり、絵を描いたりして苦手意識を克服したいです。そしてもし、娘が昆虫採集に行きたいと言い始めたら、頑張って一緒に行ってあげたいと思っています。(2歳女の子のママ)
知ることが興味を深めるきっかけに
ある日玄関に虫がいて、来ていたお友達も集まって「毒虫だ!離れろ!」と大騒ぎ!あまり近くで虫を見たことのない息子は、怯えて泣いてしまいました。そこで、昆虫図鑑を広げ「この虫だね。毒はないみたい。こんな特徴があるんだって!」と話すと安心したようで、しげしげと玄関の虫を眺めていました。
それからは虫を見つける度に図鑑を持って、私を呼びにきては「どれ?どんな虫?」と聞くように。夏にはパパと一緒にセミの羽化を見たこともあり、スマホで撮った写真を何度も色んな人に見せ楽しそうにしていました。
私は虫が苦手ですが、蝶ならギリギリいけるので、絶対自分で世話をすることを条件に蝶々を幼虫から育ててもいいと許可を出すと、息子は大喜び。飼育法や必要な道具を自分で調べて準備しています。(6歳男の子のママ)
さいごに
子どもが虫を捕まえてきたら「足の数は何本?」「どんなお顔をしているかな?」と、ぜひ一緒に観察してみてください。図鑑で調べたり、家で飼えそうな虫なら飼って観察したりするのもおすすめです。飼うのが難しい場合は、一緒に外へ逃がしてあげましょう。
子どもとの昆虫採集は、虫の苦手な親にはハードルが高いかもしれませんが、子どもの興味や好奇心を親の偏見で潰してしまっては残念です。今回ご紹介したような、お気に入りの昆虫採集アイテムを持って、子どもと一緒に自然体験を楽しみましょう。
参考サイト
- Lidea(リディア) by LION|子どものために虫嫌いは克服できる?我が子の好奇心を育てる昆虫観察(https://lidea.today/articles/003031)
- ルフトシロアリ.com|虫が怖いと感じるのはなぜ?6つの理由と虫嫌いを克服する方法(https://luft-tco.com/useful-info/living/637.html )
- 講談社の動く図鑑MOVE|「虫嫌いでもいい でも子どもの可能性は奪わないで」親の昆虫嫌がわが子に与える悪影響を専門家に聞いた (https://cocreco.kodansha.co.jp/move/news/column/lCfh6 )
- HowToBecomeAsNaturalist(http://www.fabre.jp/pdf/HowToBecomeAsNaturalist.pdf)
- ベネッセ教育情報サイト|昆虫観察のススメ【前編】 潤オ見て、触れて、自然の不思議を感じよう(https://benesse.jp/kyouiku/201504/20150417-1.html)
- 青少年の体験活動の現状について|文部科学省生涯学習政策局青少年教育課(1379441_6.pdf (mext.go.jp) )
- 独立行政法人 国立青少年教育振興機構|青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)〈令和3年3月発行〉 (210719.pdf (niye.go.jp) )
- 「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書〔概要〕(000077964.pdf (shinjuku.lg.jp) )