「語りかけ育児」とは!?そのメリットや実践方法を紹介
語りかけ育児とは
語りかけ育児をよく知らない方もいるのではないでしょうか。まずは、語りかけ育児がどういうものなのかを紹介します。
イギリス発祥の育児法
語りかけ育児とは、サリー・ウォードというイギリスの言語治療士によって提唱された育児法のことで、だれでも簡単に始められます。
語りかけ育児は、子どもとコミュニケーションをとる機会となるだけではなく、言葉を聞く力や話す力、理解して考える力へとつながり、学習の基礎を養います。
また、算数や読み書きなど、勉強するというイメージを感じさせずに、子どもの日常生活に自然と取り入れることが可能です。
何歳から始められる?
語りかけ育児は、生まれてすぐ始めることが可能です。意味のある言葉を親が語りかけているときに、活発に脳が反応しますが、その声を録音し逆再生すると、子どもはまったく反応しなという結果が報告されています。
まだ喋ることができない赤ちゃんでも、親の言葉を聞いているときは脳が反応しているのです。言葉を喋りはじめる前の子どもの時期からでも、話しかけることが大切。
なお、語りかけ育児は0歳からでも始められますが、脳の成長段階で柔軟性がある乳幼児期であれば、いつスタートしても効果が期待できます。
語りかけ育児は量より質
語りかけ育児は、親ががんばって何かを話しかけなければならないというわけではありません。語りかけ育児は、量よりも質が大切と言われています。子どもが指さししたりなにか言葉を発していたりする反応や様子に合わせて、「これはなにかな?」「うんうん。いいね!」など、語りかけることがポイントです。子どもの反応に合わせて語りかけができれば、短い時間であっても知育効果が期待できます。
語りかけ育児を取り入れる3つのコツ
ここでは、語りかけ育児を行う際のコツを3つ紹介します。
1.環境を整える
まずは、環境を整えることが語りかけ育児にとって重要です。テレビの電源はオフにする、自宅に来客訪問がない日など、親と子どもがゆったりと過ごせる静かな環境を用意しましょう。
2.30分の語りかけの時間を確保する
語りかけ育児では、最低でも30分の語りかけをする時間を1日のなかに取り入れることが推奨されています。30分もゆったりとした時間を確保することは難しいかもしれませんが、がんばって時間を確保しようとする親の姿勢に価値があるのです。
3.1対1で語りかける
子どもの感情に寄り添ったり、自己肯定感を高めたりするために語りかけは1対1で行うことが重要です。兄弟がいる場合は、1対1で語りかけるのは難しいかもしれません。そのときは、夫婦で協力する、祖父母に協力してもらうなど工夫すると良いでしょう。
語りかけ育児のメリット
では、語りかけ育児にはどんなメリットがあるのでしょうか。3つ紹介します。
語彙力が高められる
語りかけ育児は、学習の基礎となるもの。子どもに語りかけることでさまざまな言葉を学べます。それによって、言葉の発達が早くなり語彙が増えることにつながるのです。
「テレビやYouTubeなどでも、言葉の発達にいいのでは?」と、考える方もいるでしょう。しかし、乳幼児の子どもにとっては、親の生の声で話かけることが大切。なぜなら、親が自分に話しかけてくれている実感が重要な時期だからです。
自己肯定感を育める
乳幼児の子どもは、親が自分だけを見てくれているという感覚が大切です。語りかけ育児は、1対1でしっかりと子どもと向き合う時間がとれます。自分は愛されている、大切にされているといった安心を子どもが得られることで、自己肯定感が育つのです。
また、子どもと1対1で向き合い語りかけることで、子どもの情緒を安定させたり、良好な親子関係を構築したりすることにもつながるでしょう。
親子の絆作りを促す
語りかけ育児をつづけることで、子どもが何を感じているのか、何を求めているのかなどの感情や欲求を親は察知できるようになるでしょう。
そうすると、子どもとの適切な関わり合いがもてるようになり、怒る回数も減ると言われています。また、親の精神の安定にもつながり、子どもへの柔軟な対応を促す効果もあります。
語りかけ育児によって、小さいうちから親子関係の基盤をしっかりと築いておくことで、その後の親子関係にも良い影響をもたらすでしょう。
語りかけ育児を実践する際に抑えておくポイント
ここからは、語りかけ育児を行うときに、抑えておきたいポイントを紹介します。
短い言葉でゆっくりと話す
単語の音がわかるように、大きめでゆっくりと抑揚をつけて話しかると良いでしょう。
擬音語・擬態語を使用する
「ぱちぱち」「ちゅんちゅん」などの擬音語や、「キラキラ」「ねばねば」といった擬態語を使って話しかけます。
繰り返し言葉を使用する
「にゃんにゃんのおはなし、にゃんにゃんのしっぽ」「ママの靴下、パパの靴下」など、繰り返し言葉を使うこともポイントです。
子どもの発言にあれこれ言わない
「シュイカだ!」という子どもの言葉に、「シュイカじゃないよ、スイカだよ」など、発音を正しく意識しすぎると、言葉を話すことが苦手になってしまいます。
正しい発音は子どもの成長と共に学んでいけるため、今しかない言い間違いはあまり指摘せずにかわいがってあげましょう。
30分間の語りかけ育児におすすめのタイミングとは?
30分間の語りかけ育児は、どのタイミングに行うのが良いのでしょうか。
家事のお手伝いをしてもらうとき
休日は子どもとの時間を取りやすいため、語りかけ時間も確保しやすいです。家事に興味をもっている子どもなら、親が家事をしているときにそばにきて手伝ってくれるため、その時間が語りかけ時間となります。
家事の時間はかかってしまいますが、子どもに洗濯のたたみ方などを教えながら手伝ってもらうと良いでしょう。
一緒にお風呂に入るとき
お風呂の湯船につかるときは、子どもに語りかけしやすいタイミング。お風呂用のおもちゃなどを持ち込んで、子どもがつくる話のなかの登場人物になって、いっしょに演じてあげると良いかもしれませんね。
寝かしつけのとき
子どもを寝かしつけるときに「絵本を読もうか?」と声かけをして、本の読み聞かせをすると良いでしょう。
語りかけの時間も取れるうえに、寝る態勢にももっていけるのでおすすめです。
語りかけ育児で活用できるおすすめ絵本5選
語りかけといっても子どもに何を語りかければ良いのかわからない方もいるかもしれません。そんなときに、活用できるおすすめの絵本を紹介します。
1.0歳のえほん
人気の絵本作家による、オリジナルの話。いないいないばあの絵がわりや乗りもの、日用品、動物など、ものの名前が載っています。
また、親子体操や親子でいっしょに遊べる手遊び歌などもあ理、0歳児からの発達を応援するコンテンツか満載です。
2.あかちゃんごおしゃべりずかん
NTTコミュニケーション科学基礎研究所の調査データより、「赤ちゃんが早く言える言葉ランキング」上位500の「まんま」や「わんわん」などの言葉で構成。
「からだ」「かぞく」「たべもの」のほか、「きもち」「あいさつ」などの赤ちゃんが発しやすい言葉をジャンル別に掲載しています。
3.語りかけ絵本 さくら
聞き手に対して言葉をなげかけているような、語りかけの文の構成でできているのも特徴です。子どもに絵本を読んであげたい、語りかけもしたいという方の要望に応えた、語りかけの絵本。
乳児期の子どもでも、さくらの絵に触れていることで、絵本に親しみがもてるようになっています。また、そのほかにも「いちご」や「ひよこ」バージョンもあります。
4.ねないこだれだ
おばけがなかなか寝ない子どもをおばけの世界に連れていってしまうお話。シンプルなイラストと独特のストーリーで、子どもも思わず引き込まれてしまうでしょう。
5.そんなかおしてどうしたの?
笑ったり泣いたり怒ったり驚いたり、いろんな表情をする子どもに、理由をたずねて子どもが答えていくストーリー。
さいごは、あくびをして「おやすみなさい」で終わるため、子どもを寝かしつける際の読み聞かせにおすすめです。
さいごに
語りかけ育児は0歳からでも簡単に始められて、子どもの語彙力や自己肯定感を高めることにつながります。しかし、ただ語りかけるのではなく、環境を整えて30分の時間確保をし、子どもとしっかり向き合うことが大切です。30分が難しいと感じる方は、15分からスタートして徐々に時間を伸ばしていくといいかもしれませんね。この記事を参考にして、語りかけ育児を取り入れてみてくださいね!
参考サイト
- 保育士Ryuのおすすめ絵本紹介ブログ|【桜だけじゃない。気持ちを繋げる絵本】語りかけ絵本 さくら【現役保育士がレビュー】(https://ehonshoukai.com/5822/)
- つむりのおと|1日30分語りかけ育児~2歳から3歳までのやり方をまとめました【共働き家庭の体験談】(https://tsumurinote.com/baby-talk-2/#index_id12 )
- 東京都生涯学習情報|006 言葉がわからない子供に話しかける意味はあるの?(https://www.syougai.metro.tokyo.lg.jp/sesaku/advice/list/oshiete006.html )