挨拶が進んでできる子どもに育てよう!自分から挨拶できない理由や保護者の関わり方など紹介
挨拶の必要性とは?
普段から当たり前にしている挨拶。しかし、挨拶したのに返ってこないとなんだか嫌な気持ちになりますよね。
挨拶は人間関係を築くために必要で、挨拶がきっかけで会話が生まれたり、人間関係を広げたりできます。また、「ありがとう」「ごめんなさい」という感謝や謝罪の言葉があるとお互いに気持ちいい関係を築けますが、それがなければ、場合によっては関係が壊れていくことも。
挨拶は人間関係を築くためには欠かせないもので、自分を気にかけてくれたことへのお礼や相手に対する思いやりでもあるといえます。
子どもは何歳から挨拶ができる?
子どもの発達によって異なりますが、子どもが挨拶を意識し、はっきりと言葉にできるのは早くて2歳半~3歳ごろだといわれています。また、言葉が出なくても大人が挨拶するのを見て、手を振ったりお辞儀したりできる子どももいます。
挨拶は日ごろからの積み重ねなので、0歳からでも挨拶を見たり聞いたりする経験をたくさんさせてあげましょう。
子どもが自分から挨拶しない・できない理由は?
子どもが自分から挨拶しない・できない理由は7つあげられます。ここからは、その理由をひとつずつ解説していきます。
恥ずかしいから
挨拶ができない理由に多いのが「恥ずかしい」です。目が合ったり声をかけられたりすると、緊張して挨拶ができない子もいます。また、慣れている相手でも、挨拶を言葉にすること自体を恥ずかしいと感じる子もいるようです。
タイミングがわからない・逃したから
挨拶しないといけないと理解していても、タイミングがわからないために挨拶ができない子もいます。「『おはよう』と言われたら『おはよう』と返すだけ」と大人は思うかもしれませんが、子どもにはそのリズムが身に付いていないことも。
また、保護者が挨拶したから自分も挨拶しようと子どもは思っていたのに、そのまま保護者同士が話し始めてしまうと、子どもにとっては挨拶するタイミングを逃したことになるのです。
家族の目があるから
本当は自分から挨拶できるのに、家族の目があると「見られたくない」「格好つけたい」という気持ちで挨拶しない子もいて、これは特に男の子に多く見られる傾向です。できる自分を見せることを恥ずかしく感じたり、他人からの見え方を気にしたりすることは成長の証でもあります。
実際に、園では自分から挨拶ができる子も多く、「挨拶できない」という保護者の思い込みの場合もあるので、先生に聞いてみるといいでしょう。
相手に気付かなかったから
何かに気を取られていたり目が合わなかったりすると、子どもは相手に気付かない場合があります。特に、大人とは目線の高さが違うので、子どもは自分に挨拶されたと気付かないこともあるようです。
挨拶する習慣がないから
実際に挨拶する機会や周りの人が挨拶を交わす場面を見る機会が少ないと、なかなか挨拶は習慣化されないものです。自分から挨拶できる子どもになってほしいと思うなら、保護者は自分から挨拶をしているか、また、挨拶を交わす環境であるか、実際の環境を見直してみましょう。
新しい環境になじめていないから
新しい環境は大人でも緊張する人が多いのではないでしょうか。子どもも同じように、新しい環境だと普段挨拶ができる子でも委縮してしまうことがあります。入園時などの大きな環境の変化や普段会わない人に会うなど、普段と違う環境では自分から挨拶できない子もいるようです。
自分の体調や機嫌が悪いから
子どもの行動は体調や機嫌で大きく左右されるものです。いつも自分から挨拶できるのに、体調が優れないときや𠮟られたあと、自分の思い通りにいかなかったときなどは挨拶まで意識がいかないこともあります。
保護者が子どもに挨拶を教える方法は?
子どもが自分から挨拶できない理由に、「恥ずかしい」や「挨拶の習慣がない」ことがわかりました。それを踏まえて、ここからは保護者が子どもに挨拶を教える方法を解説していきます。
保護者が率先して挨拶する
子どもは、良くも悪くも保護者の姿を見て育ちます。そのため、まずは保護者が自分から率先して元気に挨拶する姿を見せましょう。
家庭でもできる「おはよう」「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」「ごめんね」など、毎日繰り返すことで子どもも自然に真似するようになり、挨拶するタイミングも学べます。
挨拶の絵本を読む
子どもと一緒に挨拶を題材にした絵本を読むのもおすすめです。絵本を読みながら、挨拶の方法やタイミングを一緒に真似してみると挨拶が身に付きやすくなります。
理解力が出始める3歳以降になれば、挨拶をするキャラクターの気持ちを考えるよう保護者が働きかけてみるのもいいでしょう。挨拶の大切さを学べるいい機会になります。
ごっこ遊びをする
ごっこ遊びの中に挨拶を取り入れてみるのもひとつの方法です。ごっこ遊びなら子どもも実践しやすく、恥ずかしがり屋な子どもでも楽しみながら挨拶の練習ができるでしょう。
挨拶を教えるときに保護者が心がけることは?
挨拶を教えるとき、強制するのではなく、子どもに楽しみながら挨拶を身に付けてほしいと思いませんか。ここでは、保護者が挨拶を教えるときの心がけを解説します。
挨拶が身に付くまで見守る
最初から挨拶が完璧にできる子は少なく、小さいころからの積み重ねで少しずつ身に付いていくものです。何かあるたびに「挨拶しなさい!」と言うより、普段から挨拶の大切さや気持ちよさを子どもと一緒に学んでいきましょう。
挨拶ができたら褒める
子どもが自分から上手に挨拶ができたときは、たくさん褒めてあげましょう。その挨拶は、恥ずかしい気持ちを乗り越え、勇気を出して自分からした挨拶だったのかもしれません。
「自分からしっかり挨拶できたね!」「元気な声だったね」「『おはよう』って言ったら『おはよう』って言われると嬉しいね」など具体的に褒めてあげると、子どもの自信につながるでしょう。
挨拶できない子どもの気持ちに寄り添う
子どもが挨拶できないとき、子どもの気持ちに寄り添うことも大切です。子どもが自分で挨拶できないなら、「一緒に言ってみよう」「じゃあママ(パパ)が言ってみるね」と声かけしてみましょう。
一緒に挨拶することを促してもできなかったときは、相手がいなくなってから挨拶できなかった理由を尋ねます。理由が「恥ずかしい」のなら、「恥ずかしかったんだね」「自分から言うのは緊張するよね」と、子どもの気持ちに共感してあげると、子どもは理解してもらえたと感じます。
子どもは、自分の気持ちを理解してもらえると保護者の言葉も聞き入れやすくなります。「次は自分から言えるかな。恥ずかしいときは、ママ(パパ)と一緒に言う?」と提案し、繰り返し練習して挨拶の仕方やタイミングを覚えてもらいましょう。
子どもが挨拶できないときに保護者がしてはいけないこと
子どもにしっかり挨拶させようと、保護者が子どもをコントロールする行動は今後の成長に悪影響を及ぼす場合もあります。ここからは、子どもが挨拶できないとき保護者がやってはいけない行動を解説します。
挨拶を強要する
子どもが挨拶しなくても、無理に挨拶させることはやめましょう。強制されると拒否感を覚え、挨拶どころか人間関係まで嫌になってしまう場合も。言葉や視線で威圧感を与えたり、頭を押さえてお辞儀をさせたりすると、子どもは恐怖と焦りで言葉が出なくなります。
叱る
子どもは保護者に嫌われたくないので、保護者の前では叱られないよう挨拶をするかもしれません。しかし、保護者がいない場面では叱られなくて済むので挨拶をしなくなる可能性も。
叱られると本当の気持ちを出せなくなる場合もあるので、叱るよりも挨拶できない理由を聞いてみることが大事です。
他の子どもと比べる
「○○ちゃんはできるのに、あなたはなんでできないの?」というネガティブな発言もやめましょう。これは子どもの自尊心を傷つける恐れがあります。また、「できないのは悪いこと」という意識が生まれる危険性も。できることより、できないことに注目するのは、自己肯定感の低下につながるので気を付けてくださいね。
恥をかかせる
挨拶しないからといって、見下したような言葉をかけたり人前で叱ったりするなど、恥をかかせるような行動は子どもの自尊心を傷つけます。大人がされて嫌なことは子どもにもしないようにしましょう。
否定的な態度をとる
子どもが挨拶をしない・できないのには理由があります。その理由を尋ねるのは、子どもを理解するうえで大事なことです。しかし、怒り口調で「なんで挨拶しないの?」と聞くのは、質問ではなく叱責です。子どもは否定されたと思い、どんどん本音を話しづらくなってしまいます。
さいごに
子どもが挨拶できるようになるには、日ごろの積み重ねが大切です。子どもに自分から挨拶できるようになってほしいなら、まずは保護者の普段の行動を見直してみましょう。また、子どもが自分から挨拶しないからといって、強要したり叱ったりするのは、子どもの成長に悪影響を及ぼします。子どもにとって、挨拶しない・できない理由が必ずあるはずなので、子どもの気持ちに寄り添いながら楽しく挨拶を身に付けさせましょう。
参考サイト
- ベネッセ教育情報サイト|挨拶ができる子どもに育てるためにはどうしたらいいの?(https://benesse.jp/kosodate/201710/20171003-2.html)
- キッズライン|子供が挨拶できないのはなぜ?保育士が教える8つの理由と適切な促し方
(https://kidsline.me/magazine/ikuji/993)